転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた

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616.鍛冶師19

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新しい武器の話で盛り上がるヴェルとアミラの傍らで
誠一とシエンナはマリアンヌの加入とサリナの件に
ついてキャロリーヌを交えて話をしていた。

「マリアンヌさんが加入ねぇ。
まあ、反対はしないけど。サリナの方は大丈夫なのかな」
事の経緯を話した誠一もシエンナ同様にそれが心配だった。

「それはそうね。心配事よね。
でもまあ、サリナの方に非があるし、
今は落ち着いて別室で身体を休めてるわ。
うーん、鬱積した思いを思いっきり吐き出して、
少しは気分が楽になったと思うわよ
まあ、それを思いっきり叩きつけられた
マリの方も心配だけどね」

キャロリーヌの声が聞えたのか、
突然、マリアンヌが口を挟んできた。
「ふむ、私の方は気にしなくてもよい。
神とは難儀なものだからな。
それに振り回されて、人生が滅茶苦茶にされる者を
多く見て来たからな。
神を恨むことも逆らうこともできず、
どこかにそのはけ口を探してしまうのは人の常だ」

「そう言って貰えると助かります。
でもまあ、サリナには釘を刺しておかないと。
あの行動自体、逆恨みですらありませんから」

「ふふふ、そうか。それはリーダーに任せよう。
恵まれた者というのは、今回、ちょっと違うかな。
まあ、人は、預かり知らぬ所で恨みを買っていることもあるだろう。
今回はまあそんなところだ」

マリアンヌの言わんとすることを誠一は理解できたが、
それで良しとする訳にもいかず、曖昧に頷いた。

「まあそれよりもだな。
うーむ、どれも捨てがたいが、どれにするかな」
マリアンヌはサリナの件を切り上げると、
壁に飾られた奇抜な形をした剣を真剣に眺めていた。
その隣で同じようにロジェが眺めていた。
何やらそれらの剣について真剣に話し始めていた。

「弓や杖は置いてない様ね」
キャロリーヌは市場では絶対に見ない形状の剣を見ながら、
ラッセルに尋ねた。

「すみません、そこまで今のところ手が回っていません」
ラッセルは客の要望に応えられないことへ頭を下げた。

「餅は餅屋だ。だから弓は弓屋にしとくべきだな。
ラッセル、将来、製作するような素振りで
お客様に期待を持たすなよ」
カーリーがじろりとラッセルを睨みつけて、
はっきりと弓を製作する意思がないことを示した。

「まー仕方ないかな」
キャロリーヌはそう言い残すと、サリナの様子を見に向かった。

「これだな。これを貰おうか」
マリアンヌはソードブレイカーを手に取っていた。
「扱いは難しそうだが、面白そうだ。
剣を破壊するとは面白い発想だ。
魔物討伐向けではないな。
扱う者もその攻撃対象者にしても
対人、それも剣士、剣奴、剣豪、剣聖といった
称号持ち向けの剣だろう。面白い」
マリアンヌは剣を握りながら、
剣豪の方を見ながらニヤリとした。

その様子を見てしまった誠一は、
将来の厄介事の予感が脳裏に過った。
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