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612.鍛冶師15
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「ラッセルさん。ふう、カーリーさんは一体、
はあはあ、どういった方なんですか?」
呼吸を乱しながら、誠一はラッセルに尋ねた。
「いや、そのまあ、元A級の冒険者でして。
それに優秀な鍛冶師です」
「いや、それだけじゃないだろう」
ヴェルが横合いから口を挟んだ。
皆がヴェルの次の言葉に注目した。
「ラッセルさんの嫁で一児の母だ」
「まっまあ、そうですね。
ヴェルさんの言う通り私の妻です」
ラッセルが苦笑した。誠一たちも苦笑いした。
誠一の呼吸が整うと、工房へ戻った。
そして、当初の目的である武具について話始めた。
「そう言えば、アルフレート様は私の
あの揺らぐ技の欠点について
何か思い当たる節があるのですか?」
ラッセルの問いに7面メイスを工房のテーブルの上に
置きながら誠一は答えた。
さりげなく他のメンバーは、誠一の方へ視線を向けた。
「ああ、あの技ですか。
まず、戦場向き出ない点ですよね。
技で相手を幻惑するのに時間がかかりますから。
乱戦だとちょっと使いづらいですかね。
それより鞭の様にしならせた技の方が
戦場では有効でしょう。
それとあの幻惑を誘導するあの動きを止めるならば、
幾つかの策がありますし」
ラッセルが黙って続きを促した。
「まず、幻惑に惑わされずに高速で
先手先手で攻撃を加えれば、いいでしょう。
ラッセルが防御に徹することになれば、
あの動きはできないはず。
それともう一点は細剣の持ち手の肩口を狙えば、
そこが支点になっているから一旦、腕の動きが止まってしまいますね。
そうすれば、幻惑というか目の錯覚が解除されるでしょう。
幻惑系の魔術と併せて使えれば、一対一の様な戦いでは
より有効に使える技に昇華するでしょうね」
ヴェルが感嘆の声を上げた。
そして、毎度のことながら、アミラがヴェルの態度に
少し不満げであった。
アミラにとって、ヴェルが何でも一番でないと
我慢できないのだろう。
「おおっ流石、アルだ。そんなことだったのか。
なら俺らが幻惑系の魔術を併用しながら、
あの技を使えば効果抜群ってことだな」
「僕らの武器じゃ無理だよ、ヴェル。
両手で持たざるを得ないハルバートは
柄がしなるだけだし。メイスや杖は太すぎる。
何よりも僕らの腕はラッセルさんのような
しなりの利く筋肉じゃないでしょ」
誠一のダメ出しにヴェルは至極残念そうであった。
「ちっそうか。
フレイムチャージの次の必殺技に
しようかと思ったんだけど、甘かったか」
虚仮の一念岩をも通すか、誠一はヴェルを
見ていてそんなことわざが頭に思い浮かんだ。
模倣で己のオリジナル技にまで
フレイムチャージを昇華させたヴェル。
その信念は自分には到底、まねできないと感じていた。
「まっ今度は本当に零から自分で考案してみるかな。
アル、知恵を貸してくれ」
誠一は頷きつつも前半の言葉と後半の言葉で矛盾してないかと
頭をひねったが、まあ、ヴェルだしと勝手に納得した。
それから技の話が一段落すると、武器の調整について誠一たちは、
話しをラッセルと始めた
はあはあ、どういった方なんですか?」
呼吸を乱しながら、誠一はラッセルに尋ねた。
「いや、そのまあ、元A級の冒険者でして。
それに優秀な鍛冶師です」
「いや、それだけじゃないだろう」
ヴェルが横合いから口を挟んだ。
皆がヴェルの次の言葉に注目した。
「ラッセルさんの嫁で一児の母だ」
「まっまあ、そうですね。
ヴェルさんの言う通り私の妻です」
ラッセルが苦笑した。誠一たちも苦笑いした。
誠一の呼吸が整うと、工房へ戻った。
そして、当初の目的である武具について話始めた。
「そう言えば、アルフレート様は私の
あの揺らぐ技の欠点について
何か思い当たる節があるのですか?」
ラッセルの問いに7面メイスを工房のテーブルの上に
置きながら誠一は答えた。
さりげなく他のメンバーは、誠一の方へ視線を向けた。
「ああ、あの技ですか。
まず、戦場向き出ない点ですよね。
技で相手を幻惑するのに時間がかかりますから。
乱戦だとちょっと使いづらいですかね。
それより鞭の様にしならせた技の方が
戦場では有効でしょう。
それとあの幻惑を誘導するあの動きを止めるならば、
幾つかの策がありますし」
ラッセルが黙って続きを促した。
「まず、幻惑に惑わされずに高速で
先手先手で攻撃を加えれば、いいでしょう。
ラッセルが防御に徹することになれば、
あの動きはできないはず。
それともう一点は細剣の持ち手の肩口を狙えば、
そこが支点になっているから一旦、腕の動きが止まってしまいますね。
そうすれば、幻惑というか目の錯覚が解除されるでしょう。
幻惑系の魔術と併せて使えれば、一対一の様な戦いでは
より有効に使える技に昇華するでしょうね」
ヴェルが感嘆の声を上げた。
そして、毎度のことながら、アミラがヴェルの態度に
少し不満げであった。
アミラにとって、ヴェルが何でも一番でないと
我慢できないのだろう。
「おおっ流石、アルだ。そんなことだったのか。
なら俺らが幻惑系の魔術を併用しながら、
あの技を使えば効果抜群ってことだな」
「僕らの武器じゃ無理だよ、ヴェル。
両手で持たざるを得ないハルバートは
柄がしなるだけだし。メイスや杖は太すぎる。
何よりも僕らの腕はラッセルさんのような
しなりの利く筋肉じゃないでしょ」
誠一のダメ出しにヴェルは至極残念そうであった。
「ちっそうか。
フレイムチャージの次の必殺技に
しようかと思ったんだけど、甘かったか」
虚仮の一念岩をも通すか、誠一はヴェルを
見ていてそんなことわざが頭に思い浮かんだ。
模倣で己のオリジナル技にまで
フレイムチャージを昇華させたヴェル。
その信念は自分には到底、まねできないと感じていた。
「まっ今度は本当に零から自分で考案してみるかな。
アル、知恵を貸してくれ」
誠一は頷きつつも前半の言葉と後半の言葉で矛盾してないかと
頭をひねったが、まあ、ヴェルだしと勝手に納得した。
それから技の話が一段落すると、武器の調整について誠一たちは、
話しをラッセルと始めた
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