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596.閑話 とある散歩での情景1
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清涼と駅で別れた千晴は、マンションに戻ると
化粧だけは落としてそのままベッドに潜り込んだ。
清涼が大会戦の仕込みがどうこうと
言っていたような気がしたが、そもそも大きな戦で
何を指示していいか千晴は分からなかった。
それよりも島崎が退職する。
セクハラに怯えた日々から完全に解放される。
そう思うと気分が物凄く軽くなる千晴だった。
会社に告発した勇気ある女性に拍手を
贈りたい気分だった。
酒の力もあって千晴はすやすやと
気持ち良さそうな寝息を立てて、直ぐに寝てしまった。
翌日、千晴は昼頃に起きた。
身だしなみを整えると、休日の日課、掃除、洗濯、炊事を急ぎ始めた。
「ううっだるい」
そんな気分と体調だった。
なんとなく『ヴェルトール王国戦記』にログインすると、
画面の至る所で殺し合いが行われていた。
これが昨晩、清涼の言っていた大会戦の
どこかの戦場であることは千晴にも何となく理解できた。
「ううっ気持ち悪い」
千晴の目の前で繰り広げられる殺し合いは、
まさに地獄絵図そのものであった。
見ていて楽しいものではなく、千晴は早々にログアウトしてしまった。
「この時間か―」
時刻を確認すると11時頃であった。
早朝のタイムセールスは既に終わっており、
次は見切り品を狙える19時頃が千晴にとって
狙い所であった。
有り合わせの食材で手際よく、朝食件昼飯を取り、
運動がてらに散歩することにした。
食器を洗い終えると、そのタイミングを
見透かしたようにパッドへひっきりなしに
メッセージがポップアップされて来た。
メッセージは清涼からであった。
千晴の体調を気遣うコメントが3文字で『大丈夫?』と
書かれた後は、全て誠一に関することのみ書かれていた。
はああ、めどくせーと思いながらも清涼に
誠一の状況をチャットで送信した。
どういう訳か、その後、清涼からのメッセージが
送られてくることはなくなった。
「まさかの誠一さん狙いとか。流石にそんな訳ないか」
ラフな服装で近くを散歩しながら
千晴は自分の独り言に笑ってしまった。
しかしあれだけゲームにハマっている清涼のこと、
あながちおかしくないのではと千晴は散歩しながら
自問自答していた。
空は雲に覆われており、今にも雨が降りそうな天気であった。
「あーあー雨か」
千晴は急いでマンションに戻るために足を早めた。
強い閃光が一瞬、千晴の目を捉えた。
目を一瞬、閉じて片腕で目を覆った。
ゆっくりと腕を下ろして目を開いた。
遠方の雲の中に稲妻を千晴は見た。
幾つか落雷を千晴は視界に確認した。
あんな強い光を雷から感じるかなと疑問に思った。
盗撮かなと思い、周囲を注意深く観察したが、
千晴はそれらしき人物も視線も見つける事が出来なかった。
自然と足が速くなる千晴だった。
化粧だけは落としてそのままベッドに潜り込んだ。
清涼が大会戦の仕込みがどうこうと
言っていたような気がしたが、そもそも大きな戦で
何を指示していいか千晴は分からなかった。
それよりも島崎が退職する。
セクハラに怯えた日々から完全に解放される。
そう思うと気分が物凄く軽くなる千晴だった。
会社に告発した勇気ある女性に拍手を
贈りたい気分だった。
酒の力もあって千晴はすやすやと
気持ち良さそうな寝息を立てて、直ぐに寝てしまった。
翌日、千晴は昼頃に起きた。
身だしなみを整えると、休日の日課、掃除、洗濯、炊事を急ぎ始めた。
「ううっだるい」
そんな気分と体調だった。
なんとなく『ヴェルトール王国戦記』にログインすると、
画面の至る所で殺し合いが行われていた。
これが昨晩、清涼の言っていた大会戦の
どこかの戦場であることは千晴にも何となく理解できた。
「ううっ気持ち悪い」
千晴の目の前で繰り広げられる殺し合いは、
まさに地獄絵図そのものであった。
見ていて楽しいものではなく、千晴は早々にログアウトしてしまった。
「この時間か―」
時刻を確認すると11時頃であった。
早朝のタイムセールスは既に終わっており、
次は見切り品を狙える19時頃が千晴にとって
狙い所であった。
有り合わせの食材で手際よく、朝食件昼飯を取り、
運動がてらに散歩することにした。
食器を洗い終えると、そのタイミングを
見透かしたようにパッドへひっきりなしに
メッセージがポップアップされて来た。
メッセージは清涼からであった。
千晴の体調を気遣うコメントが3文字で『大丈夫?』と
書かれた後は、全て誠一に関することのみ書かれていた。
はああ、めどくせーと思いながらも清涼に
誠一の状況をチャットで送信した。
どういう訳か、その後、清涼からのメッセージが
送られてくることはなくなった。
「まさかの誠一さん狙いとか。流石にそんな訳ないか」
ラフな服装で近くを散歩しながら
千晴は自分の独り言に笑ってしまった。
しかしあれだけゲームにハマっている清涼のこと、
あながちおかしくないのではと千晴は散歩しながら
自問自答していた。
空は雲に覆われており、今にも雨が降りそうな天気であった。
「あーあー雨か」
千晴は急いでマンションに戻るために足を早めた。
強い閃光が一瞬、千晴の目を捉えた。
目を一瞬、閉じて片腕で目を覆った。
ゆっくりと腕を下ろして目を開いた。
遠方の雲の中に稲妻を千晴は見た。
幾つか落雷を千晴は視界に確認した。
あんな強い光を雷から感じるかなと疑問に思った。
盗撮かなと思い、周囲を注意深く観察したが、
千晴はそれらしき人物も視線も見つける事が出来なかった。
自然と足が速くなる千晴だった。
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