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586.狩猟祭11
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「ちっどいつもこいつもだらしねえ」
莉々と莉々奈が倒されるのを見て莉々火は舌打ちした。
「テメーの後に剣豪様が残ってるんだ。
さっさと寝とけよ、金髪の坊や」
誠一は莉々火の安い挑発に乗らなかった。
そして、無音の世界を展開した。
莉々火は突然、触覚、聴覚、味覚を奪われた。
莉々火に纏わりつく淀んだ空気が
誠一に彼女の一挙手一投足を伝えた。
「ちっ小癪な真似を」
「眼前の全てを突貫せよ、風の槍。エアジャベリン!」
白き槍が幾本も莉々火に向かって飛来した。
しかし、全て莉々火の振り回すモーニングスターによって
叩き落とされた。
3感覚を失っているにも関わらず、それを感じさせない動きであった。
「流石はS級の冒険者ということですか」
誠一は突っ込んでくる莉々火に向かって、
連続で風系統の魔術を展開した。
「エアスライサー、エアスライサー。エアシールド。空郭牢」
空郭牢が莉々火を捕らえた。
「莉々絵、何してる!このうざい拘束をさっさと解け」
「無駄ですよ。この世界に居ない限り他者は干渉できません」
誠一の7面メイスが莉々火の太腿を
2撃、3撃と殴りつけた。
たまらず莉々火は半端に脚を開いたまま、
その場に尻餅をついてしまった。
誠一は無音の世界を解除した。
「くっ殺せ。どうせ啓示を遂行できなければ、
女神の慰みモノになるだけだ」
露わになった莉々火の健康的な太腿を目の当りにして、
ごくりと唾を飲み込む誠一だった。
背中に視線を感じて、誠一は湧き上がる劣情を抑えた。
今はそれどころではないと思い、残りの魔術師、弓兵、
そして僧侶の方へ目を向けた。
3人が何か騒いでいる様に誠一には見えた。
「どうするのよ、前線の3人があれじゃ、
接近されて終わりよ。
莉々矢はあの女の牽制で手一杯だし」
「そういうあなただって、あの無名の丸っこいの相手に
何をだらだらしてるのよ」
一度、言葉をきって莉々視は深呼吸をして続けた。
「神のお言葉は変りません。アルフレートを地獄に堕としなさい」
「莉々視、うざいしうるさいわよ、黙りなさい。
人形みたい何度も何度も同じことを
繰り返さないで、いらつくわ」
誠一の前に座り込む莉々火が呟いた。
「あのバカ、余計な事をいうな」
突然、莉々絵が頭を抱えてその場に蹲った。
するとその周りを転がり始めた。
耳を劈く様な金切り声で意味不明な言葉を吐き続ける莉々絵の
声が周囲に響いた。
暫くすると莉々絵はすっと立ち上がった。
しかし、その眼には生気は宿っていなかった。
機械仕掛けのゼンマイ人形のようなカタカタした動きで
突如、魔術を唱えた。
上手く詠唱できないのかいくつもの魔術が
不発か明後日の方へ飛んでいった。
傍の莉々視と莉々矢は莉々絵を凝視して、
石像の様に動かなかった。
莉々と莉々奈が倒されるのを見て莉々火は舌打ちした。
「テメーの後に剣豪様が残ってるんだ。
さっさと寝とけよ、金髪の坊や」
誠一は莉々火の安い挑発に乗らなかった。
そして、無音の世界を展開した。
莉々火は突然、触覚、聴覚、味覚を奪われた。
莉々火に纏わりつく淀んだ空気が
誠一に彼女の一挙手一投足を伝えた。
「ちっ小癪な真似を」
「眼前の全てを突貫せよ、風の槍。エアジャベリン!」
白き槍が幾本も莉々火に向かって飛来した。
しかし、全て莉々火の振り回すモーニングスターによって
叩き落とされた。
3感覚を失っているにも関わらず、それを感じさせない動きであった。
「流石はS級の冒険者ということですか」
誠一は突っ込んでくる莉々火に向かって、
連続で風系統の魔術を展開した。
「エアスライサー、エアスライサー。エアシールド。空郭牢」
空郭牢が莉々火を捕らえた。
「莉々絵、何してる!このうざい拘束をさっさと解け」
「無駄ですよ。この世界に居ない限り他者は干渉できません」
誠一の7面メイスが莉々火の太腿を
2撃、3撃と殴りつけた。
たまらず莉々火は半端に脚を開いたまま、
その場に尻餅をついてしまった。
誠一は無音の世界を解除した。
「くっ殺せ。どうせ啓示を遂行できなければ、
女神の慰みモノになるだけだ」
露わになった莉々火の健康的な太腿を目の当りにして、
ごくりと唾を飲み込む誠一だった。
背中に視線を感じて、誠一は湧き上がる劣情を抑えた。
今はそれどころではないと思い、残りの魔術師、弓兵、
そして僧侶の方へ目を向けた。
3人が何か騒いでいる様に誠一には見えた。
「どうするのよ、前線の3人があれじゃ、
接近されて終わりよ。
莉々矢はあの女の牽制で手一杯だし」
「そういうあなただって、あの無名の丸っこいの相手に
何をだらだらしてるのよ」
一度、言葉をきって莉々視は深呼吸をして続けた。
「神のお言葉は変りません。アルフレートを地獄に堕としなさい」
「莉々視、うざいしうるさいわよ、黙りなさい。
人形みたい何度も何度も同じことを
繰り返さないで、いらつくわ」
誠一の前に座り込む莉々火が呟いた。
「あのバカ、余計な事をいうな」
突然、莉々絵が頭を抱えてその場に蹲った。
するとその周りを転がり始めた。
耳を劈く様な金切り声で意味不明な言葉を吐き続ける莉々絵の
声が周囲に響いた。
暫くすると莉々絵はすっと立ち上がった。
しかし、その眼には生気は宿っていなかった。
機械仕掛けのゼンマイ人形のようなカタカタした動きで
突如、魔術を唱えた。
上手く詠唱できないのかいくつもの魔術が
不発か明後日の方へ飛んでいった。
傍の莉々視と莉々矢は莉々絵を凝視して、
石像の様に動かなかった。
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