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448.闇の勢力3

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「ふひゃひゃひゃ。コロス、嬲り殺す」

「くきゃきゃきゃ。ガキが後悔すんなよ」

「ぴきょきょきょ。早々に楽になれると思うなよ」

なんだろ三下の脅しの様になってしまっている。
誠一は笑いを堪えきれずに笑ってしまった。
彼らが何かを言えば言うほど、笑いが止まらなくなってしまった。

「アル、そろそろ笑いを収めてくれない。
ところであなたたちの知りたいことって何なのかしら?」
笑いを収めたキャロリーヌが暗殺者たちに尋ねた。

「ふひゃひゃひゃ。次代の勇者候補であるリシェーヌの行方だ」

「くきゃきゃきゃ。学院の地下でファウスティノの行っていることだ」

「ぴきょきょきょ。ナージャとフリッツの居場所だ」

キャロリーヌは、稀に見せる酷薄な表情に変わっていた。
「あっそ、全て知らないわ。
何でそれを知りたいのかは直接、バッシュに聞くしかないか」

「速射三連、閃電の矢」
用なしとばかりに暗殺者3人へ矢がキャロリーヌから放たれた。
それぞれ暗殺者の頭を矢は確実に捉えた。

「「「顕現せよ身代わり地蔵」」」

三者三様の断末魔の悲鳴が響いたが、
それは暗殺者の声ではなかった。

「シエンナ、拘束」
キャロリーヌが短く叫んだ。

「もうやっているって。
地に臥し地に囚われ地に呑まれろ、アースバインド」
他者を犠牲にして逃げ出そうとした暗殺者たちは、
大地に拘束されていた。

すかさず短刀を引き抜いたサリナが暗殺者に襲いかかった。

「ふひゃひゃひゃ。小娘、毒など通用せず。
貴様、マスタークラスの暗殺者を舐めてるな」
サリナはニヤリとしただけで反論もせずにぷすりと
短剣を刺した。

「ぐっこれは」
どうやら己の絶対の自信を
忘れるほどの衝動があったようだった。

「ふん、その口ぶりなら知っている様ね。
耐性なんてつけようもないでしょ。
『スーパーリラックス安眠薬(ハーブ入り)』よ。
神より下賜されし秘薬に抗うことなど無理でしょ」

「ふひゃひゃひゃぁ、スピスピー」
暗殺者は寝てしまった。

「全てを弾き飛ばせ、パワーシフト」
ロジェも暗殺者に突撃した。
「ぴきょきょきょ」
突撃を受けた暗殺者は衝撃を逃がすことが
出来ずにその場で昏倒してしまった。

「くきゃきゃきゃ。やるなぁ、おまえら。
俺様は他の二人ようにはいかず。
影より影を渡り歩くモノ。それが真の暗殺の神髄、さらば」
暗殺者は服だけを残して闇に消えていった。

「アル、ヴェル。残った二人を縛りなさい」
誠一はキャロリーヌに薄々感じていた女王様の気質を
垣間見たような気がした。

「ったくシエンナの魔術で拘束しておけばいいだろに。
ってかさっきの技を使われたら、縛っておいても無駄じゃね」

全く活躍の場のなかったヴェルの不平不満が
ぶつぶつぶつと続いていた。

「あれはねえ、あの技は条件を整えないと発動できないから。
それよりシエンナの魔力は無限じゃないのよ。急ぎなさい」
キャロリーヌの語気の強さに慌てて、ヴェルが行動を起こした。
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