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444.ジェイコブ遊撃軍3
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混乱に乗じて突っこんでこないところを見ると、
敵の数は左程ではないと誠一は判断した。
しかし、矢玉や魔術の餌食となりバタバタと人が倒れていた。
「サリナ、ヴェル、森へ向かうよ。
ロジェはキャロとシエンナの護衛」
誠一はサリナとヴェルを従えて、索敵魔術により敵が
最も集まっている場所を目指して走り出した。
軍の総大将たるジェイコブは右肩に矢を受けていた。
右肩の焼けるような痛みに気が狂わんばかりの叫び声を放っていた。
取り巻きたちはジェイコブを馬車に運んで矢を引き抜き、
治療を施した。
傷は致命的なものではなかった。
軍の指揮に復帰できたが、ジェイコブは荷車の中で丸まって、
離れようとしなかった。
指示の全くないこの状況に中枢部を見限り、
一部の貴族や将軍は各々の取り巻きや兵が
勝手気ままに動き始めていた。
最早、ジェイコブ遊軍は収集のつかない状況に陥っていた。
サリナを先頭に進む誠一とヴェルは、
最短距離で目的の場所に到着した。
「アル、もしかして意外と敵って少ないのか」
「そうだね。恐らく盗賊の一団。
100人に届くか届かないかじゃないかな」
目の前の盗賊の一団から拍手が起きた。
「ご明察の通りです。我らは100名にも満たない一団です。
だが、結果は御覧の通りです。
無能な指揮官、無能な兵士。地の利を得れば、容易いことです」
首領らしき男が慇懃な態度で答えた。
しかし、彼の後方に控えている10人ほどの
盗賊たちはにやにやと誠一を品定めしているようであった。
「第一の試験は合格です。見事、この場所を探し当てました。
良き人材に恵まれているようです」
首領は態度を変えずに滔々と話していた。
「しかし、いけません。
たった3人では我々に殺されるか囚われます。
さて、アルフレート、あたなはこの危地をどう回避しますか?」
「おいおい、上から目線で何様のつもりだ。
試験とかよう、魔術院だけで十分だ」
ヴェルは話を聞くに飽きたようであった。
「ではどうしますか?」
首領は打って変わって、一言、短くいった。
「しれたことだろ。
目の前の敵を倒すだけだ。アル、いいよな」
威勢よくヴェルが叫んだ。誠一は曖昧に頷いた。
斬るしかない、否、叩き潰すしかない。
己が生きるためと言い聞かせても慣れるものではなかった。
「ふーむ。面白くありません。
教皇に与する盗賊団を壊滅したと聞きましたが、
その程度の智謀ですか。
どうやらそれは単なる幸運であったようです」
首領は顎を上げた。
各々、武器を振り上げて盗賊たちは誠一たちに襲いかかった。
敵の数は左程ではないと誠一は判断した。
しかし、矢玉や魔術の餌食となりバタバタと人が倒れていた。
「サリナ、ヴェル、森へ向かうよ。
ロジェはキャロとシエンナの護衛」
誠一はサリナとヴェルを従えて、索敵魔術により敵が
最も集まっている場所を目指して走り出した。
軍の総大将たるジェイコブは右肩に矢を受けていた。
右肩の焼けるような痛みに気が狂わんばかりの叫び声を放っていた。
取り巻きたちはジェイコブを馬車に運んで矢を引き抜き、
治療を施した。
傷は致命的なものではなかった。
軍の指揮に復帰できたが、ジェイコブは荷車の中で丸まって、
離れようとしなかった。
指示の全くないこの状況に中枢部を見限り、
一部の貴族や将軍は各々の取り巻きや兵が
勝手気ままに動き始めていた。
最早、ジェイコブ遊軍は収集のつかない状況に陥っていた。
サリナを先頭に進む誠一とヴェルは、
最短距離で目的の場所に到着した。
「アル、もしかして意外と敵って少ないのか」
「そうだね。恐らく盗賊の一団。
100人に届くか届かないかじゃないかな」
目の前の盗賊の一団から拍手が起きた。
「ご明察の通りです。我らは100名にも満たない一団です。
だが、結果は御覧の通りです。
無能な指揮官、無能な兵士。地の利を得れば、容易いことです」
首領らしき男が慇懃な態度で答えた。
しかし、彼の後方に控えている10人ほどの
盗賊たちはにやにやと誠一を品定めしているようであった。
「第一の試験は合格です。見事、この場所を探し当てました。
良き人材に恵まれているようです」
首領は態度を変えずに滔々と話していた。
「しかし、いけません。
たった3人では我々に殺されるか囚われます。
さて、アルフレート、あたなはこの危地をどう回避しますか?」
「おいおい、上から目線で何様のつもりだ。
試験とかよう、魔術院だけで十分だ」
ヴェルは話を聞くに飽きたようであった。
「ではどうしますか?」
首領は打って変わって、一言、短くいった。
「しれたことだろ。
目の前の敵を倒すだけだ。アル、いいよな」
威勢よくヴェルが叫んだ。誠一は曖昧に頷いた。
斬るしかない、否、叩き潰すしかない。
己が生きるためと言い聞かせても慣れるものではなかった。
「ふーむ。面白くありません。
教皇に与する盗賊団を壊滅したと聞きましたが、
その程度の智謀ですか。
どうやらそれは単なる幸運であったようです」
首領は顎を上げた。
各々、武器を振り上げて盗賊たちは誠一たちに襲いかかった。
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