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413.代理戦3

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「シールドバッシュ!できれば一撃で失神しろ。面倒がない!」

「パワーシフト」
ロジェが最前面に飛び出して、ブラスナと激突した。

「おいおい、低ランクの冒険者がよくぞ止めたな。
レア度も低い割には頑張ってるじゃねえかよ」

「ぐっ」

お互いの勢いは止まったが、そこから地力で勝るブラスナが
ロジェを押し込んでいた。

「ジェイコブぅぅー。テメーボヤッとしてないで、奴らを捕らえろや。
後々、裁かれたいのかよ」

ブラスナが叫んだ。ジェイコブは、身体が強張って動けなかった。
指示を出した者も恐ろしかったが、誠一たちの実力には
到底敵わないことは重々承知しており、刃を向ければ、
どれほどぼこぼこにされるか分かったものではなかった。

動かぬジェイコブの真後ろでバラムが囁いた。
ジェイコブの顔は真っ青になり、剣を抜いた。

「魔術師ども弓兵ども死なない程度に奴らを攻撃しろう」
ぶるぶると震えながらもジェイコブが兵士たちに指示を出した。

ジェイコブの指示と同時に矢玉と炎が誠一たちに飛来した。

「氷壁よ。襲い来る全ての侵入を防げ!アイスシールド」
氷壁が誠一たちを囲むように地より立ち上がった。
全ての矢玉と炎はその壁に遮られていた。

「ナイス、シエンナ!よっしゃ!行くぞ、アル。
ついて来い。うおおおおお、フレイムチャージィー」
ジェイコブに向かって、炎の塊が突撃した。
腰を抜かしたジェイコブはその場で尻餅をついてしまった。
取り巻き達は、既に巻き込まれないように距離を取っていた。

「ひいいいぃ」
無様な悲鳴を上げるジェイコブの前に大盾を
かざしたブラスナが瞬時に移動し、ヴェルの技を遮った。
ブラナスは、移動する際に蹴りをロジェに放っていた。
ロジェは脇腹を抑えていた。

「へえ、出力に速度を相当、抑えたけど、
止められるとは思わなかったな」
ヴェルのハルバードは盾にはじき返されていた。
勢いを失ったヴェルは、その場で改めてハルバートを構え直した。

「ぬかせ小僧。あと少しで大火傷だぞ」

「縮地!サリナ、悪いけど、後について来て。
恐らく隙ができるから」
補助魔術と瞬足の足袋、そして誠一の基礎能力が体現した速度は
ここに居る者全ての視界から一瞬、消失させた。

「くそがあ」

ブラナスの脇腹に誠一のメイスがめり込んでいた。
だが、ブラナスは倒れずに誠一の腕を掴んでいた。
弓兵は矢を誠一に向かって放った。

「ちょっとーアレ、反則でしょ」
サリナは、誠一の後を全速で追ったが全く遅れていた。

誠一に向かって放たれた矢は、何とかサリナの剣と
ロジェのツヴァイヘンダーにより叩き落とされていた。
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