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406.方針1

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 パーティの翌日、誠一は眠そうな目を擦りながら、
朝食の場に姿を現した。
ダンブルよりあてがわれた宿舎も利用しているが、
拠点となる宿もキープしていた。
同様にキャロリーヌも眠そうな顔で朝食の場に現れた。

「おはよう、アル!流石のアルも昨日は気疲れで大変だっただろう」
誠一は、ヴェルの気遣いを感じたが、昨日の件に関しては
ヴェルにも少なからず責任の一端があると思っていた。

「そうだね、確かに疲れたよ。ファーリが突然、まあ、謳いだしたからね。
何故、彼はあんなことを知っているんだろう」
ギクリ、そんな音が聞えてきそうなほどにうろたえるヴェルであった。

「まさかねぇ。出会った頃、ヴェルが二、三人に僕のことを話したけど。
まさかまさかねえ、あの時、物凄く頭をヴェルはさげていたけど、
同じことをする訳ないよねえ」

カタカタカタ、震えながらもヴェルは謝らなかった。
「おっ俺は謝らないぞ。
ファーリには確かに話したけど、後悔はしてないぞ。
あの時と違って、俺は!俺は心の底からお前がすげーと
思ってんだからな」

ヴェルの勢いに圧されて、誠一は何も言い返せなかった。
ここまで面と向かって、熱く語られて逆に誠一は嬉しくもあり、
恥ずかしくもあった。

「あっいや、ごめん。確かにファーリが勝手に謳っただけだし。
確かにヴェルに嫌味を言うのは筋違いだったね」

ヴェルは笑った。そして、言った。
「あの時とは、立場が逆になったな。
俺も少しは成長して、おまえに近づいたのかな」

誠一も笑い返した。
表裏少ないヴェルの態度、言葉にはいつも助らてるよ。
誠一は恥ずかしく、それを言葉にできなかったが、心の中で呟いた。

「それはそうと、俺の事も何かファーリは謳っていたか?」

「いや特に」
ヴェルは残念そうに呟いた。
「俺もまだまだだな。結構、盛って話したんだけどな」

話を盛ったんかい、どんなふうに盛ったのか気になり、
誠一はヴェルに問い詰めた。
そんな二人のやり取りを聞いていたシエンナがこそこそと
誠一の隣に座った。

「おう、シエンナ。
何、他人事のような澄ました表情で座ってるんだよ。
おまえも一緒になってアルのことを話していたよな。
そのせいで、アルが昨日、えらい目に遭っているんだからな。
なあ、アル!」
ヴェルは、自分は既に誠一より免罪符を得たと思い、
何故かシエンナに絡み始めた。

「ヴェル、その話はもういいから。
それよりみんなに話さないといけないことがある」

誠一はメンバーを見渡し、話を一旦、切った。
全員の瞳に誠一が映っていた。
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