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185.中等部昇格試験6
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「おーい、アル!
何、シエンナがいるのに先に帰ろうとしてんだよ。
俺はおまえの家を訪ねるのは苦手だって言っただろう。
先にここである程度、探索の打ち合わせする約束だろが。
シエンナもアルを引き止めろよな。
ったく首席と次席がそろって、何をしてんだか。
勉強ができるだけじゃ駄目だぞ」
上機嫌のヴェルが二人に声をかけて、引き止めた。
「いいいっ今、声をかけようとしてたところりょ」
シエンナがめずらく、舌を噛んだ。
心配そうな彼の視線が気恥ずかしくて、
目を伏せてしまった。
彼が駆け足で近づいてくる。
ああ、駄目だ、今、この時だけでも彼の気持ちを
独占していることが嬉しくてしょうがなかった。
高々、試験の結果ごときで、
この湧き上がる嬉し過ぎる気持ちを失うなんて、
馬鹿らしい。
シエンナは、そんな気分になって、
また来年、堂々たる勝負で彼に挑めばいいだけだと
心に誓った。
3人が合流すると、ヴェルは、上機嫌で
ご高説を二人に賜りはじめた。
「まったくお前らは、俺がいないと
どうも自由に行動し過ぎるな。
少しは学業以外も学ばないと駄目だ」
「まっそういう俺もついに学科別では、
首席を取ったから、頭でっかちに
ならないように気を付けないとな」
「そうだね、ヴェルも気を付けないと、駄目だね。
それだけ気づいているなら、ファブリッツィオを
早く呼んでこないと」
誠一が上手く上機嫌のヴェルに合わせて、
厄介事を押し付けた。
「ファッ?」
「アル、誰かファブリッツィオに声をかけた?」
「あっ、そう言えば、誰も声をかけてないかもね」
誠一の発言で顔を見合わせる3人だった。
「ふん、おい、お前らさっさと
打ち合わせするなら、さっさとしろ。
俺は明日から、兄と遺跡の探索だ」
頭を抱える3人にファブリッツィオが声をかけた。
「おっ丁度、良かった。
おまえ、明日から不在なら今日、さっさと決めちまおう。
他の連中はどうだか知らないけど、
オークなら、大して問題ないしな」
ファブリッツィオはヴェルの侯爵家への
敬意を払わぬ言葉遣いにムッとしたようだったが、
突っかかることもなく、空いている一室に移動して、
打ち合わせを始めた。
打ち合わせが終わり、誠一は、深淵の回廊の
クリスタルの大森林にいた。
目的はリシェーヌに会うためだった。
リシェーヌを性的な対象として見て以来、
どうも裸のリシェーヌを前にすると、
落ち着かない誠一だった。
どうしても以前のような他愛もない話を
することが難しかった。
罪悪感があったが、最後はどうしても
リシェーヌを凝視しながら、息を乱して、興奮していた。
そして、それは今日もおなじであった。
「はぁはぁ、はうっ」
勢いよく飛散した白濁の液は
リシェーヌのクリスタルを派手に汚していた。
そして、毎回、自己嫌悪に陥っていた。
何、シエンナがいるのに先に帰ろうとしてんだよ。
俺はおまえの家を訪ねるのは苦手だって言っただろう。
先にここである程度、探索の打ち合わせする約束だろが。
シエンナもアルを引き止めろよな。
ったく首席と次席がそろって、何をしてんだか。
勉強ができるだけじゃ駄目だぞ」
上機嫌のヴェルが二人に声をかけて、引き止めた。
「いいいっ今、声をかけようとしてたところりょ」
シエンナがめずらく、舌を噛んだ。
心配そうな彼の視線が気恥ずかしくて、
目を伏せてしまった。
彼が駆け足で近づいてくる。
ああ、駄目だ、今、この時だけでも彼の気持ちを
独占していることが嬉しくてしょうがなかった。
高々、試験の結果ごときで、
この湧き上がる嬉し過ぎる気持ちを失うなんて、
馬鹿らしい。
シエンナは、そんな気分になって、
また来年、堂々たる勝負で彼に挑めばいいだけだと
心に誓った。
3人が合流すると、ヴェルは、上機嫌で
ご高説を二人に賜りはじめた。
「まったくお前らは、俺がいないと
どうも自由に行動し過ぎるな。
少しは学業以外も学ばないと駄目だ」
「まっそういう俺もついに学科別では、
首席を取ったから、頭でっかちに
ならないように気を付けないとな」
「そうだね、ヴェルも気を付けないと、駄目だね。
それだけ気づいているなら、ファブリッツィオを
早く呼んでこないと」
誠一が上手く上機嫌のヴェルに合わせて、
厄介事を押し付けた。
「ファッ?」
「アル、誰かファブリッツィオに声をかけた?」
「あっ、そう言えば、誰も声をかけてないかもね」
誠一の発言で顔を見合わせる3人だった。
「ふん、おい、お前らさっさと
打ち合わせするなら、さっさとしろ。
俺は明日から、兄と遺跡の探索だ」
頭を抱える3人にファブリッツィオが声をかけた。
「おっ丁度、良かった。
おまえ、明日から不在なら今日、さっさと決めちまおう。
他の連中はどうだか知らないけど、
オークなら、大して問題ないしな」
ファブリッツィオはヴェルの侯爵家への
敬意を払わぬ言葉遣いにムッとしたようだったが、
突っかかることもなく、空いている一室に移動して、
打ち合わせを始めた。
打ち合わせが終わり、誠一は、深淵の回廊の
クリスタルの大森林にいた。
目的はリシェーヌに会うためだった。
リシェーヌを性的な対象として見て以来、
どうも裸のリシェーヌを前にすると、
落ち着かない誠一だった。
どうしても以前のような他愛もない話を
することが難しかった。
罪悪感があったが、最後はどうしても
リシェーヌを凝視しながら、息を乱して、興奮していた。
そして、それは今日もおなじであった。
「はぁはぁ、はうっ」
勢いよく飛散した白濁の液は
リシェーヌのクリスタルを派手に汚していた。
そして、毎回、自己嫌悪に陥っていた。
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