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180.中等部昇格試験1
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次の魔術院の迷宮・遺跡定期探索に
ファブリツィオが加わった。
チーム編成を変更する際、ファブリツィオの
取り巻きたちは、誠一たちへ非難轟々であった。
しかし、ファブリツィオの歯の浮くようなセリフが
取り巻きの女子の瞳を潤ませ、男子を感動させたため、
事なきを得た誠一たちだった。
「ううっ、寒くも無いのに
鳥肌が立ちっぱなしだよ」
ファブリツィオのセリフを聞いた後、
シエンナが講義中に左腕の袖をめくり、
誠一とヴェルに見せた。
「おっ俺もだ」
ファブリツィオのセリフを聞いた後、
ヴェルが講義中に右腕の袖をめくり、
誠一とシエンナに見せた。
誠一は、そこまで嫌悪しなかったが、
到底、自分には真似できぬと思い、
あそこまで自分を美辞麗句で飾れる
ファブリツィオに感心していた。
講義中にも関わらず、ファブリツィオの言葉に
酔っている女子たちが上気している様で
ファブリツィオに左右、後ろから所狭しと
しなだれかかっていた。
心酔する男子は、憧れのファブリツィオを
模倣し、必死にその仕草を真似ていた。
ファブリツィオ自身は少し迷惑そうな仕草で
憂鬱そうな表情をしていたが、それがポーズであることを
誠一は看破していた。
15歳ともなれば、子供過ぎず大人過ぎず、
背伸びをしようとする年頃であった。
名門ストラッツェール家の美男子であり17歳の
ありあまる性欲を持て余すファブリツィオにとって、
丁度よい遊び相手あり、はけ口でしかなかった。
彼の右腕と左腕は己と周りの女子たちを満たすため、
忙しそうに動いていた。
そして、男子たちは、ファブリツィオのために
講師の言葉とボードを書き写すことと
彼を真似ることに忙しそうであった。
「ある種、才能はあるんだろうな。
ランクはHRだけど、歳の割には能力が
高いんだろうね」
特に鑑定眼を使わずに誠一が感想を述べると、
シエンナも愚痴とも言えるようなことを言って、
ヴェルを一瞥した。
「あーまったくあれでどうしてヴェルより
遥かに上位の成績を維持してるのか不思議だわ」
「知るかっ!色ボケ行動は、シエンナだって
たまにアルとしてるだろっ。
見苦しいわ、まったく」
鋭い切り返しでシエンナを
珍しく黙らせたヴェルは、ガッツポーズを
何故か誠一に送った。
ふと、誠一は嬉しそうなヴェルの表情を見て、
嫌な想像をしてしまった。
ヴェルの姉であるキャロリーヌの心傷から、
女性より男を好むようになってしまったのだろうか。
なによりも真っ当な感覚なら、ファブリツィオの状況に
嫉妬や羨望を感じざるを得ないはずだし、
シエンナの身体に全く興味を抱いてないのも
不思議であった。
誠一のヴェルを見る視線が自然と険しいものに
なっていたのだろう。
ヴェルが訝しげに誠一を見返した。
ファブリツィオが加わった。
チーム編成を変更する際、ファブリツィオの
取り巻きたちは、誠一たちへ非難轟々であった。
しかし、ファブリツィオの歯の浮くようなセリフが
取り巻きの女子の瞳を潤ませ、男子を感動させたため、
事なきを得た誠一たちだった。
「ううっ、寒くも無いのに
鳥肌が立ちっぱなしだよ」
ファブリツィオのセリフを聞いた後、
シエンナが講義中に左腕の袖をめくり、
誠一とヴェルに見せた。
「おっ俺もだ」
ファブリツィオのセリフを聞いた後、
ヴェルが講義中に右腕の袖をめくり、
誠一とシエンナに見せた。
誠一は、そこまで嫌悪しなかったが、
到底、自分には真似できぬと思い、
あそこまで自分を美辞麗句で飾れる
ファブリツィオに感心していた。
講義中にも関わらず、ファブリツィオの言葉に
酔っている女子たちが上気している様で
ファブリツィオに左右、後ろから所狭しと
しなだれかかっていた。
心酔する男子は、憧れのファブリツィオを
模倣し、必死にその仕草を真似ていた。
ファブリツィオ自身は少し迷惑そうな仕草で
憂鬱そうな表情をしていたが、それがポーズであることを
誠一は看破していた。
15歳ともなれば、子供過ぎず大人過ぎず、
背伸びをしようとする年頃であった。
名門ストラッツェール家の美男子であり17歳の
ありあまる性欲を持て余すファブリツィオにとって、
丁度よい遊び相手あり、はけ口でしかなかった。
彼の右腕と左腕は己と周りの女子たちを満たすため、
忙しそうに動いていた。
そして、男子たちは、ファブリツィオのために
講師の言葉とボードを書き写すことと
彼を真似ることに忙しそうであった。
「ある種、才能はあるんだろうな。
ランクはHRだけど、歳の割には能力が
高いんだろうね」
特に鑑定眼を使わずに誠一が感想を述べると、
シエンナも愚痴とも言えるようなことを言って、
ヴェルを一瞥した。
「あーまったくあれでどうしてヴェルより
遥かに上位の成績を維持してるのか不思議だわ」
「知るかっ!色ボケ行動は、シエンナだって
たまにアルとしてるだろっ。
見苦しいわ、まったく」
鋭い切り返しでシエンナを
珍しく黙らせたヴェルは、ガッツポーズを
何故か誠一に送った。
ふと、誠一は嬉しそうなヴェルの表情を見て、
嫌な想像をしてしまった。
ヴェルの姉であるキャロリーヌの心傷から、
女性より男を好むようになってしまったのだろうか。
なによりも真っ当な感覚なら、ファブリツィオの状況に
嫉妬や羨望を感じざるを得ないはずだし、
シエンナの身体に全く興味を抱いてないのも
不思議であった。
誠一のヴェルを見る視線が自然と険しいものに
なっていたのだろう。
ヴェルが訝しげに誠一を見返した。
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