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155.遠征14
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「魔石も回収が出来ましたし、戻りましょう。
君たち4人は基礎体力・技術を更に鍛えなさい。
そうすれば、補助魔術の補正、称号による補正が
各段に良くなります」
眼前の事実が誠一たちを納得させるには
十分であった。
剣豪はクラスHRであった。
レベルが限界を迎えていようとも
これほどまでの実力を示されたら、
頷く以外なかった。
特にヴェルは、魔道槍兵の称号を得て、
舞い上がっていたところがあり、神妙な顔で
何度も頷いていた。
「先生、この魔人の目的は
一体、何だったのでしょうか?」
「あくまでもこれは、推測です。
ダンブル反乱派が闇の勢力を通じて、
魔王側との何かしらの協定を結んだと
思うのが妥当でしょう。
見返りとして、王国に与する領主への
揺さぶりをかけているのではと。
まあ、単なる魔王側の侵攻が近いのかも。
それよりさっさと、テルトリアに戻ります」
剣豪は、転がる魔物の核を取り出して、
魔石を集めながら、スタスと馬車へ向かっていた。
「アルフレート様、キャロリーヌから
魔物の希少部位の剥ぎ取りを学びなさい。
それも勉強になるでしょう。
いつの世も金次第で大抵のことは
何とかなるものです」
誠一たち4人は、キャロリーヌに従って、
魔人や魔物の死骸の解体を始めた。
魔人だけは剣豪が戻って来て、
あれこれと金になる部位の説明と解体を
説明した。
ヴェルとラムデールは、サクサクと
キャロリーヌの指示に従って、手際よく解体を
進めいたが、誠一はどうも
おっかなびっくりしながら、短剣を振うため、
部位を傷つけていた。
ヴェルとラムデールは、あまり汚れずに
作業をしているが、誠一はどうにも服が汚れていた。
「うーん、アル君は、少し汚れずに
作業をするように心掛けないとね。
嫌な臭いがついたままの移動は嫌でしょう。
衣服の汚れる人が作業下手という訳ではないけど、
なるべく汚れない方がいいからね」
誠一の隣で甲斐甲斐しく顔に付着した汚れを
拭き取ったり、解体のサポートをするシエンナだった。
心なし嬉しそうなシエンナだった。
集めた部位はかなりの量となり、
馬車には積み込めそうになかった。
惜しそうに部位を見つめる剣豪であった。
そして、中々、ここを離れようとしなかった。
誠一は、結構、この人、お金に拘る人なのかもと
剣豪の意外な一面を見られた気がした。
「おい、ここは魔人に占拠された廃村だろ。
小さい荷車くらい探せばあるだろうよ。
それを連結させれば、いい」
苦々しい顔つきで、シエンナの解体作業を
見守っていたスターリッジが中々、馬車を
出そうとしない剣豪へ提案した。
「そうか、そうですね。
スターリッジさん、探して来てください。
なら、もう少し増やしても大丈夫ですな」
ささっと魔人の死骸の側に向かうと、
首から頭部を切断した。
頭部だけを持ち運んでくると、シエンナに
魔術で凍結させた。
「頭部って意外と重いから
どうしようかと思っていましたが、
持ち返れそうでなにより」
いやいや、頭部を持ち返って、この人、
どうするつもりなの、4人には共通の疑問が湧いていた。
「ギルドに持っていけば、討伐の報奨金が
貰えるかもしれません。
魔石だけでもいいのですが、これがあると
印象が随分と違いますからねぇ」
君たち4人は基礎体力・技術を更に鍛えなさい。
そうすれば、補助魔術の補正、称号による補正が
各段に良くなります」
眼前の事実が誠一たちを納得させるには
十分であった。
剣豪はクラスHRであった。
レベルが限界を迎えていようとも
これほどまでの実力を示されたら、
頷く以外なかった。
特にヴェルは、魔道槍兵の称号を得て、
舞い上がっていたところがあり、神妙な顔で
何度も頷いていた。
「先生、この魔人の目的は
一体、何だったのでしょうか?」
「あくまでもこれは、推測です。
ダンブル反乱派が闇の勢力を通じて、
魔王側との何かしらの協定を結んだと
思うのが妥当でしょう。
見返りとして、王国に与する領主への
揺さぶりをかけているのではと。
まあ、単なる魔王側の侵攻が近いのかも。
それよりさっさと、テルトリアに戻ります」
剣豪は、転がる魔物の核を取り出して、
魔石を集めながら、スタスと馬車へ向かっていた。
「アルフレート様、キャロリーヌから
魔物の希少部位の剥ぎ取りを学びなさい。
それも勉強になるでしょう。
いつの世も金次第で大抵のことは
何とかなるものです」
誠一たち4人は、キャロリーヌに従って、
魔人や魔物の死骸の解体を始めた。
魔人だけは剣豪が戻って来て、
あれこれと金になる部位の説明と解体を
説明した。
ヴェルとラムデールは、サクサクと
キャロリーヌの指示に従って、手際よく解体を
進めいたが、誠一はどうも
おっかなびっくりしながら、短剣を振うため、
部位を傷つけていた。
ヴェルとラムデールは、あまり汚れずに
作業をしているが、誠一はどうにも服が汚れていた。
「うーん、アル君は、少し汚れずに
作業をするように心掛けないとね。
嫌な臭いがついたままの移動は嫌でしょう。
衣服の汚れる人が作業下手という訳ではないけど、
なるべく汚れない方がいいからね」
誠一の隣で甲斐甲斐しく顔に付着した汚れを
拭き取ったり、解体のサポートをするシエンナだった。
心なし嬉しそうなシエンナだった。
集めた部位はかなりの量となり、
馬車には積み込めそうになかった。
惜しそうに部位を見つめる剣豪であった。
そして、中々、ここを離れようとしなかった。
誠一は、結構、この人、お金に拘る人なのかもと
剣豪の意外な一面を見られた気がした。
「おい、ここは魔人に占拠された廃村だろ。
小さい荷車くらい探せばあるだろうよ。
それを連結させれば、いい」
苦々しい顔つきで、シエンナの解体作業を
見守っていたスターリッジが中々、馬車を
出そうとしない剣豪へ提案した。
「そうか、そうですね。
スターリッジさん、探して来てください。
なら、もう少し増やしても大丈夫ですな」
ささっと魔人の死骸の側に向かうと、
首から頭部を切断した。
頭部だけを持ち運んでくると、シエンナに
魔術で凍結させた。
「頭部って意外と重いから
どうしようかと思っていましたが、
持ち返れそうでなにより」
いやいや、頭部を持ち返って、この人、
どうするつもりなの、4人には共通の疑問が湧いていた。
「ギルドに持っていけば、討伐の報奨金が
貰えるかもしれません。
魔石だけでもいいのですが、これがあると
印象が随分と違いますからねぇ」
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