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126.探索訓練5

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「そんな御託はどうでもいいが、
どうすんだよ、コレ。
あのでかいスライムを倒すのか
このまま戻るのかはっきりしろよ。
ここは学校の発表会の場じゃないんだよ」

「ヴェル、イライラしない。
始まりの洞窟の時のことを忘れたの?
考えなしに行動すれば、また、溶けるわよ」

シエンナの言葉でヴェルは一瞬で
頭に血がのぼってしまい、つい、語気を荒げてしまった。
「うっせーよ。その時の俺とは違う。
ぼっーと見てるだけでなんか変わるのかよ」

シエンナが言い返そうとするのを誠一が止めた。

「ヴェル、アレは倒してから戻る。
ほっておいてもいいけど、増殖されて、
ここの迷宮から這い出てこられても困るからね」

「はいはい、リーダー気取りの
アル様の言うことなので、
謹んでお受けしますよ。で?
どうすんのよ?」

ヴェルは、視線すら誠一と合わせずに
不貞腐れた表情で地面を見つめていた。

「シエンナ、ウォーターボールを
あのスライムたちに当てて。
スライムはそれを吸収すると思う。
天井からアレは落ちるでしょうね。
そしたら、ヴェル、最大出力のフレイムチャージで
スライムの核を突いて。ラムデールは周囲の警戒を」

ヴェルは唖然として、誠一を見つめた。
視線が合うと慌てて、顔を逸らした。

「ヴェル、心配するな。
補助魔術は充分にかけるし、
核に到達しやすいようにエアカッターで
スライムの体表を削ぐから」

「俺の魔術が途中で尽きたら、どうなる?」

「溶ける」
誠一は断言した。

「簡単に言ってくれるなよー」
ヴェルは絶叫した。
そして、その声が広場にこだました。

その声に反応するように天井のスライムは
動き出した。
天井から落下すると、ずるずると
誠一たちの方へ向かい始めた。

ロジェとキャロリーヌは事の成り行きを
見守っているようだった。

「おい、アルフレート。
動き出したぞ。どうする?」
ラムデールが誠一を促した。

「やるさ。丁度、勝手に落ちてくれたしね。
シエンナ、補助魔術の重ね掛け。
俺はヴェルの動きに合わせて、攻撃する」

「まじかよ。
無理難題な事ばかり言いやがってよぉ。
ぅううおー」
ヴェルはハルバートを振り下げ、
普段以上に詠唱に時間をかけた。
シエンナの補助魔法が展開されてた。

ヴェルの隣で誠一も魔術を展開していた。
「予定変更。俺が先行する。
ヴェル、核は頼んだ。
ぅううおーエアチャージぃー」

誠一はスライムに向かって突進した。
風が七面メイスの先端から広がり誠一を包んだ。
風と一体となり、スライムに襲いかかった。
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