転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた

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41.中等部前期授業2

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中等部でも魔術の研鑽は補助魔術が中心であったが、
誠一がファンタジーゲームや小説、漫画で
よく見る4大元素魔術や召喚魔術、占魔術、死霊魔術、
と言った魔術に加え、精霊魔術の基礎就学も始まっていた。

得手不得手に加え、生来、持って生まれた才能が
必要な分野もあったが、魔術師、賢者を
目指す上で知識として知っておく必要があった。

魔術に留まらず、現在、存在が確認されている
魔物の類の講義に加えて、薬学、政治学、算術等の
就学も始まり、訓練への割り当ての時間は
初等部に比べて、減っていた。
流石に中等部への進級時に学院長である
ファウスティノ・ソリベス・セドゥもその演説で
筋肉と気力を強調するだけでなく、
魔術師の真髄である博覧強記たることを説いていた。

「くっきつすぎる。久々に本気で勉強した気分だ。
中学以来だよ、こんなん」
中等部の学生が皆一様に蒼白い顔を
している理由が理解できた。
既にアルフレートの培った知識では、
足りなくなっているため、誠一も必死で
毎日、勉強していた。
玉石混合の公立の中学時代は、
トップクラスの成績であったが、玉の集まる高校時代は、
思うように上位に位置できず、不貞腐れて、
学ぶことを放棄しただけであって、勉強をする癖は
付いていた。
アルフレートの地頭の良さも相まって、
何とか授業に遅れずについていっていた。

 リシェーヌは、努力はしているだろうが、
十分に余力を残しているようであった。
効率よく学んでいるのだろうが、
主席を譲ることは一度たりともなかった。

 シエンナは、リシェーヌに及ばずとも各講義を
心底楽しそうに受講していた。
初等部時代は誠一の後塵を拝していたが、
今や誠一を始めとした他の学生と次席を
争うまでになっていた。

ヴェルは幽鬼のような様相を呈していたが、
何とか誠一、リシェーヌ、シエンナの助力で
何とかくらい付いていた。
時節、心底楽しそうに質問するシエンナを
恐ろし気に見ていた。

中等部の生活も数か月が過ぎ、
全員が怪我から復帰していた。
そして、長期連休まであと僅かであった。
「はぁはぁ、あと少しで長期連休だ」
講義を受けただけで、息の上がるヴェルであった。

誠一は、己の置かれている状況が
未だに分からず、元の世界へ戻る方策も見つからず、
一先ずこの世界で生きるために、必死で学んでいた。

「ヴェルは連休の大半が補講でなくなるでしょ。
あきらめて、毎日、学院に通いなさい」
現実を突きつけるシエンナであった。
「そうそう、ヴェルは無理そうだけど、
リシェーヌとアルは、うちの隊商の護衛をしない?
ロジェさんやキャロリーヌさんにも
頼むつもりだけど、どう?」
死んだような表情のヴェルであった。
流石に誠一は、見ていられず、フォローをした。

「シエンナ、日程はもう、決まっているのかい?
ヴェルもそれなりに戦力になるし、
上手く調整できない?」
なんだろう、ヴェルが小鹿のような瞳で
見つめてくる。

「うーんうーん、商機を逃すな、商機は生き物。
ヴェルの補講の日程は概ね把握しているから、
問題ないよ。
まっ、正直なところ、前回の遺跡探索のお詫びも
兼ねて、依頼しているからね。
リシェーヌは問題ないでしょ?」

「うっうん、司祭様にご許可が頂ければ、
同行したいな」
心ここに在らずの表情で答えたリシェーヌだった。

そんなリシェーヌの表情に気づいた誠一が尋ねた。
「リシェーヌ、何か気になることでも?」

「うーん、そろそろ、数か月経つけど、
実技試験の時のことが全く話題にならないし、
情報が出てこないんだよね。
罪を犯した講師たちのその後も判らないし。
それに最近、中級クラスの遺跡や迷宮の
ガイドマップの更新頻度が多くなってない?」

「確かに多いね。一通りの更新情報に
目を向けているけど、ここ数か月で
かなりの数に及んでいるわね」
誠一は、そのことで何が起きているか
おぼろげに理解した。
迷宮や遺跡が成長している。
つまりそれだけ犠牲者がいるということであろう。
人なのか動物なのか魔物なのか定かではないが、
兎に角、成長のためにそれらを吸収していることは
確かであった。

「あー、そんなことはお国の偉い人が考えるから、
俺らはこの課題を考えるのが先決だろ」

ヴェルの主張に二人の少女が妙に納得して、
話を打ち切り、課題を始めた。
ヴェルは二人の美人をチラ見していると
思いきや二人の課題の回答を覗き込んでいた。

誠一も決して余裕がある訳でなく、
課題を解き始めた。
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