転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた

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23.遺跡探索1

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 3日後、4人の少年・少女を含む9人の冒険者の集団が
探索し尽くされた遺跡にいた。
一日、移動に潰えていた。
道中は何事もなく、平穏無事に目的の遺跡に到着した。
「シエンナって、お嬢様だったんだな。
3人も護衛が付いてくるとは思わなかった」
ヴェルがからかい気味にシエンナに話しかけた。

「ヴェル、静かにしろ。
ここは探索し尽くされたとはいえ、
魔物や魔獣はいまだに徘徊しいている。
注意が足らん」
厳しい叱責が、ヴェルの兄のロジェからとんだ。
そして更に姉のキャロリーヌから、皆に注意が促された。
「魔術院でそれなりに実地も経験しているでしょうが、
今回の探索は、些細なミスがガチで死に繋がります。
ヴェルのように注意力散漫では、魔物に付け入られます。
集中しましょう」
兄と姉に叱責を受け、項垂れるヴェル。
他の三人は、神妙な面持ちで頷いた。

 一旦、小休止となったために誠一は、
見覚えのあるこの遺跡を見渡した。
確かバッシュが初期に攻略していた遺跡だったはず。
バッシュは何故か何度も何度もこの遺跡を攻略していた。
左程、深くない最深部までに設置してある宝箱に
収められた価値のないアイテムを飽きることなく、
収集していたはず。
ゲームでは、初期の冒険者用の遺跡扱いであったが、
確かに何度も攻略して、入手していた。
 誠一は、そんなことを思い出しながら、
ふと、アイテムが何度も復活することが
この世界ではどう解釈されているか気になり、
キャロリーヌに尋ねた。
「まあ、どこぞの馬鹿者と違い、色々とアル君は考えていますね。
諸説ありますが、遺跡が遺跡たらんとするには、
養分が必要だそうです。
そう、人を誘い込むため、遺跡が生成していると
聞き及んでいます。
そして、それらを養分として少しずつ遺跡は
成長しているらしいです。
噂に聞く天空都市、果てなき迷宮、海底神殿、
夢幻登楼、そして、移動要塞あたりが
有名どころですね。あくまでも噂ですけど。
ここの遺跡の様に全然、成長しない遺跡も沢山ありますけど」
豊かな胸の前で両手を組みながら、
ジェスチャーを交えて、説明をキャロリーヌがした。
キャロリーヌが両手を動かす度に揺れる胸に
どうしても目線が向かってしまう誠一であった。

「真面目な話を聞いているのに視線は、
どこにむかっていますか、変態さん。
ロジェさんでなく、キャロリーヌさんに
尋ねた意図は、そこでしたか」
納得顔のリシェーヌであった。
そして、その言葉に反応して、両腕で隠しきれない胸を
大袈裟に隠そうとするキャロリーヌだった。

「いやいやいや、違いますから。
そんなんじゃないですから。
誤解です。キャロリーヌさん」
必死の弁解を試みる誠一であった。
実際のところは、興味深々であった。

「まあ、アル君は、まだ、ちょっとそう言ったことに
興味を持つには、早いかな。
同学年に可愛い子がいるし、恋しようね」
そう諭されたが、21歳の誠一は、同学年の少女に
興味を持つより、全然、健全じゃないかーと心の中で
叫んでいた。

 遺跡内部は、崩れかけのような所があまりなく、
ある程度、整地されている道が続いていた。
その上、黄土色の壁が薄明りを灯していた。

「ロジェさん、宝箱を開ける順番で
最深部の秘宝が変わることなんて、ありますか?」
誠一は、バッシュが何度も繰り返し、
攻略していたことが気にかかっていたため、
ロジェにそう言った事例があるか尋ねた。
「俺の経験ではないな。話にも聞いたことがない。
経験を積むために何度も踏破するってのは、偶に聞く」
ロジェと誠一は、そのことについて、意見を
交わしていたが、突然、リシェーヌによって、遮られた。

「静かに。前方の右側の壁に魔物が潜んでいます」

二人の冒険者とシエンナの護衛が一斉に
リシェーヌが指差す場所を注視した。
そして、誰もが懐疑的な目を向けていた。
この遺跡のガイドブックには、土や石に
擬態する魔物の発生情報はなかった。
しかし、リシェーヌの真剣な眼差しは
無視できるものではなかった。

「リシェーヌには何か感じられるってことね。
じゃ、ちょっと、牽制してみるかな」
キャロリーヌが小石を拾って、そこへ投擲した。
何も起きなかった。
一同、ほっとしたようために緊張を解いた。

皆が歩みを開始しようとした時、
誠一はそこへ魔術を放った。
「ファイヤー」
火球が壁に当たった。
本来なら、土くれの壁のため、燃え上がることは
無い筈だが、火球の当たった壁は、派手に燃え上がり、
煙が凄まじい速度で遺跡に広がった。
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