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1.ゲーム開始
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VRゲームとして、初の試みであるAIを
作成キャラクターに搭載した新感覚ゲーム
「森の国編 ヴェルトゥール王国戦記」
がロメック社より販売された。
キャラクター作成後、プレイヤーにできることは、
キー入力や音声入力により指示のみで後は、
初期設定を元に構成された性格・能力、
そしてプレイヤーの指示により、各キャラクターが独自に
成長していくゲームであった。
ログインせずともキャラクターは、行動しており、
経験値を得て、成長し、能力やスキルを
伸ばしていくシステムであった。
そのため、キャラクターは、プレイヤーの思い通りに
成長しないことが往々にしてあり、
プレイヤーをもだえさせることが多々、あった。
しかし、常に操作を必要とするVRMMO全盛期の時代において、
お気楽な育成ゲームとして、一定のユーザーを獲得していた。
電車と自転車で片道1時間半の通学時間の
暇つぶしに大学3年生の鈴木誠一は、
スマートフォンから、このゲームにアクセスしていた。
朝の通学は、ほぼ毎日、座ることができ、
席を確保すると、まず、ステータスのチェックから開始した。
「くっそー、こいつ、さぼっていやがった。
ムカつく。指示通りにうごいてないじゃん。
仕方ないな。講義時間中の指示を出しておくか」
暗殺者として、育成したキャラクター“バッシュ”は、
昨日、指示した内容を行っておらず、宿屋で
気持ち良さそうに寝ていた。
まずは、こいつを起こすために、起きろとキー入力した。
バッシュは、眠そうであるが、起き上がった。
そして、バッシュは、着替え始めた。
多分、朝食を取りに行くのだろう。
バッシュは、それなりにレベルは高いが、
どうも誠一の指示通りに動かないように
成長してしまっていた。
思うようにいかないことにいらつく誠一であったが、
所詮は無料ゲームでの暇つぶしのため、適当に指示を書き込んだ。
レベルアップのため、依頼を積極的に
受ける様に指示を出し、誠一はゲーム画面を
閉じるとバックを膝上に抱えて、到着駅まで睡眠を
取ることにした。
文化系の3年ともなると授業はほとんどなく、
あっても1コマ2コマ程度であった。
誠一は、講義が終わると学生食堂で食事を取り、
帰宅するつもりであった。
今日は、親しい仲間が誰も来ておらず、
カレーを注文し、テーブルに一人で陣取った。
そして、カレーを食べながら、暇つぶしにゲームを開けた。
「ぶっ」
誠一は、スマートフォンの画面に広がる惨劇に咽てしまった。
画面に映っているは、どこかの屋敷の邸内であった。
映し出される大広間には屋敷の人間と思わしき死体が
多数、転がっていた。
そして、その中央に左手で若い女性の首を
掴みつぶそうとしているバッシュがいた。
そのリアルな光景に誠一は、言葉を失っていた。
ゲームとはいえ、自分の育成したキャラクターが
こんな惨状を引き起こしていると露にも思っていなかった
誠一であった。
この光景から、逃れたい一心で誠一は、バッシュに指示した。
「この場から、さっさと去れ」
そう書き込むとすぐさま、ゲーム画面を閉じた。
帰りの電車では、ゲーム画面を開けることはなかった。
作成キャラクターに搭載した新感覚ゲーム
「森の国編 ヴェルトゥール王国戦記」
がロメック社より販売された。
キャラクター作成後、プレイヤーにできることは、
キー入力や音声入力により指示のみで後は、
初期設定を元に構成された性格・能力、
そしてプレイヤーの指示により、各キャラクターが独自に
成長していくゲームであった。
ログインせずともキャラクターは、行動しており、
経験値を得て、成長し、能力やスキルを
伸ばしていくシステムであった。
そのため、キャラクターは、プレイヤーの思い通りに
成長しないことが往々にしてあり、
プレイヤーをもだえさせることが多々、あった。
しかし、常に操作を必要とするVRMMO全盛期の時代において、
お気楽な育成ゲームとして、一定のユーザーを獲得していた。
電車と自転車で片道1時間半の通学時間の
暇つぶしに大学3年生の鈴木誠一は、
スマートフォンから、このゲームにアクセスしていた。
朝の通学は、ほぼ毎日、座ることができ、
席を確保すると、まず、ステータスのチェックから開始した。
「くっそー、こいつ、さぼっていやがった。
ムカつく。指示通りにうごいてないじゃん。
仕方ないな。講義時間中の指示を出しておくか」
暗殺者として、育成したキャラクター“バッシュ”は、
昨日、指示した内容を行っておらず、宿屋で
気持ち良さそうに寝ていた。
まずは、こいつを起こすために、起きろとキー入力した。
バッシュは、眠そうであるが、起き上がった。
そして、バッシュは、着替え始めた。
多分、朝食を取りに行くのだろう。
バッシュは、それなりにレベルは高いが、
どうも誠一の指示通りに動かないように
成長してしまっていた。
思うようにいかないことにいらつく誠一であったが、
所詮は無料ゲームでの暇つぶしのため、適当に指示を書き込んだ。
レベルアップのため、依頼を積極的に
受ける様に指示を出し、誠一はゲーム画面を
閉じるとバックを膝上に抱えて、到着駅まで睡眠を
取ることにした。
文化系の3年ともなると授業はほとんどなく、
あっても1コマ2コマ程度であった。
誠一は、講義が終わると学生食堂で食事を取り、
帰宅するつもりであった。
今日は、親しい仲間が誰も来ておらず、
カレーを注文し、テーブルに一人で陣取った。
そして、カレーを食べながら、暇つぶしにゲームを開けた。
「ぶっ」
誠一は、スマートフォンの画面に広がる惨劇に咽てしまった。
画面に映っているは、どこかの屋敷の邸内であった。
映し出される大広間には屋敷の人間と思わしき死体が
多数、転がっていた。
そして、その中央に左手で若い女性の首を
掴みつぶそうとしているバッシュがいた。
そのリアルな光景に誠一は、言葉を失っていた。
ゲームとはいえ、自分の育成したキャラクターが
こんな惨状を引き起こしていると露にも思っていなかった
誠一であった。
この光景から、逃れたい一心で誠一は、バッシュに指示した。
「この場から、さっさと去れ」
そう書き込むとすぐさま、ゲーム画面を閉じた。
帰りの電車では、ゲーム画面を開けることはなかった。
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