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開門
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おろおろして、周囲を見渡す織多さんだったが、
最後にすがるように加賀見に視線を向けた。
加賀見は、その視線を受け止めず、顔を逸らした。
そして、織多さんの手を取り、
副船長の元まで誘導した。
泣きそうな顔で加賀見を
見つめる織多さんだったが、
加賀見はその顔をなるべく見ないようにした。
恐らくこのアーカイブはこの航海における
最高機密のものなのであろう。
触れてしまった以上、そのことが発覚すれば、
様々な制約を受けることになるのは、
容易に想像できた。
そして、ロベリオの言う通り、
強い後ろ盾がなければ、殺されるかもしれなかった。
加賀見は、死にたくなかった。
そのための努力を惜しむつもりはなかった。
織多さんの手を副船長のズボンに引っ張った。
織多さんなら、簡単に振りほどけるはずだったが、
何の反発もせずにされるがままだった。
「ううっ、うう、加賀見さん、ううっ」
その声と顔を管理センターから
モニターしていたカーリンは、醜悪な表情で
暗い笑いを発していた。
ロベリオは嗜虐的な表情で
加賀見と織多さんを見つめていた。
スーツと下着が下ろされ、
下半身を晒す副船長だった。
そして、震えながら、その晒されたモノに
向かって手を伸ばす織多さん。
「ふう、仕方ありません。
そういった趣味はありませんが、
背に腹は代えられませんね」
織多さんの手を払うと、
加賀見は徐に粗末なモノを掴み、
しごきはじめた。
「えっ、加賀見さん?」
「気にしないでください。
後ほど、織多さんに特別報酬を請求しますので。
それより、私のバックから、水を出してください。
それとロベリオさん、即効性の精力剤を
出して下さい、あるのでしょう!」
織多さんは、加賀見の言われた通りに
水の入ったボトルを出してきた。
ロベリオは、心底つまらなそうに
二人を見つめ、無言で、織多さんに薬を手渡した。
「つまらない結末。
かがみぃは、役者としても演出家としても二流だね」
薬を含まされた副船長は、身体中が脈動し、
ビクンビクンと震え、逸物をそそり立たせた。
ビニール越しに軽くしごくと、
凄まじい勢いで精液が迸り、モニターに付着した。
扉は開いた。
一体、このモニターは、何度、何人の人間に
汚されたのだろうか、そう思って、加賀見はぞっとした。
最後の扉は、真っ黒であった。
「一体、何のつもりで扉に
塗装をしたんですかね?」
若干、落ち着きを取り戻した織多さんが
加賀見に尋ねた。
「そんなの決まっているじゃん。
このアーカイブを開けようとする不届き者へ
畏怖を感じさせて思いと留ませるためだよ」
加賀見の代わりにロベリオが答えた。
いわゆるこけおどしであった。
「まあ、気にしなければ、
特に何ともありませんよ、織多さん。
心理的圧迫を加えて、開錠を
思い留まらせるためでしょうね。
まあ、やらないよりまし程度の効果しかありませんよ」
加賀見は、説明を補足した。
「さてと、最後はコレを起こさないと、
活動状態での脳波認証があるからねぇ」
バイザー越しでも臭いそうなほどの量を
放出した副船長はぐったりとしていた。
この人、おきるのだろうか、副船長を見て、
加賀見は心配になってしまった。
ロベリオは新しい薬を出し、副船長に含ませた。
副船長が起きる気配はなかった。
しかし、そんなことはお構いなしにロベリオは、
認証するための器具を副船長に取り付けた。
「カーリン、よろしく」
先程から、一言も発せず、黙々と
ロベリオの指示で作業するカーリンだった。
表情も声も聞こえないためか、妙に加賀見を
不安にさせていた。
「レム睡眠状態を強制的に
引き起こしているんですね。
それで、起きているときと同じというように
誤認させようとしているんですか!」
「うーん、流石というか着眼点が
オリタはいつもいいよね。
まーでも偏桃体や海馬の大脳辺縁系だけだと
不安だから、身体が起きていると
脳が錯覚するような薬だよ。
まあ、後遺症はあるかもね」
瞼が開いて、眼球が高速で動いていた。
まるで人型の異形種の目のようであった。
認証が完了し、扉は開き、加賀見たちの目の前に
アーカイブに保管されているモノが映った。
最後にすがるように加賀見に視線を向けた。
加賀見は、その視線を受け止めず、顔を逸らした。
そして、織多さんの手を取り、
副船長の元まで誘導した。
泣きそうな顔で加賀見を
見つめる織多さんだったが、
加賀見はその顔をなるべく見ないようにした。
恐らくこのアーカイブはこの航海における
最高機密のものなのであろう。
触れてしまった以上、そのことが発覚すれば、
様々な制約を受けることになるのは、
容易に想像できた。
そして、ロベリオの言う通り、
強い後ろ盾がなければ、殺されるかもしれなかった。
加賀見は、死にたくなかった。
そのための努力を惜しむつもりはなかった。
織多さんの手を副船長のズボンに引っ張った。
織多さんなら、簡単に振りほどけるはずだったが、
何の反発もせずにされるがままだった。
「ううっ、うう、加賀見さん、ううっ」
その声と顔を管理センターから
モニターしていたカーリンは、醜悪な表情で
暗い笑いを発していた。
ロベリオは嗜虐的な表情で
加賀見と織多さんを見つめていた。
スーツと下着が下ろされ、
下半身を晒す副船長だった。
そして、震えながら、その晒されたモノに
向かって手を伸ばす織多さん。
「ふう、仕方ありません。
そういった趣味はありませんが、
背に腹は代えられませんね」
織多さんの手を払うと、
加賀見は徐に粗末なモノを掴み、
しごきはじめた。
「えっ、加賀見さん?」
「気にしないでください。
後ほど、織多さんに特別報酬を請求しますので。
それより、私のバックから、水を出してください。
それとロベリオさん、即効性の精力剤を
出して下さい、あるのでしょう!」
織多さんは、加賀見の言われた通りに
水の入ったボトルを出してきた。
ロベリオは、心底つまらなそうに
二人を見つめ、無言で、織多さんに薬を手渡した。
「つまらない結末。
かがみぃは、役者としても演出家としても二流だね」
薬を含まされた副船長は、身体中が脈動し、
ビクンビクンと震え、逸物をそそり立たせた。
ビニール越しに軽くしごくと、
凄まじい勢いで精液が迸り、モニターに付着した。
扉は開いた。
一体、このモニターは、何度、何人の人間に
汚されたのだろうか、そう思って、加賀見はぞっとした。
最後の扉は、真っ黒であった。
「一体、何のつもりで扉に
塗装をしたんですかね?」
若干、落ち着きを取り戻した織多さんが
加賀見に尋ねた。
「そんなの決まっているじゃん。
このアーカイブを開けようとする不届き者へ
畏怖を感じさせて思いと留ませるためだよ」
加賀見の代わりにロベリオが答えた。
いわゆるこけおどしであった。
「まあ、気にしなければ、
特に何ともありませんよ、織多さん。
心理的圧迫を加えて、開錠を
思い留まらせるためでしょうね。
まあ、やらないよりまし程度の効果しかありませんよ」
加賀見は、説明を補足した。
「さてと、最後はコレを起こさないと、
活動状態での脳波認証があるからねぇ」
バイザー越しでも臭いそうなほどの量を
放出した副船長はぐったりとしていた。
この人、おきるのだろうか、副船長を見て、
加賀見は心配になってしまった。
ロベリオは新しい薬を出し、副船長に含ませた。
副船長が起きる気配はなかった。
しかし、そんなことはお構いなしにロベリオは、
認証するための器具を副船長に取り付けた。
「カーリン、よろしく」
先程から、一言も発せず、黙々と
ロベリオの指示で作業するカーリンだった。
表情も声も聞こえないためか、妙に加賀見を
不安にさせていた。
「レム睡眠状態を強制的に
引き起こしているんですね。
それで、起きているときと同じというように
誤認させようとしているんですか!」
「うーん、流石というか着眼点が
オリタはいつもいいよね。
まーでも偏桃体や海馬の大脳辺縁系だけだと
不安だから、身体が起きていると
脳が錯覚するような薬だよ。
まあ、後遺症はあるかもね」
瞼が開いて、眼球が高速で動いていた。
まるで人型の異形種の目のようであった。
認証が完了し、扉は開き、加賀見たちの目の前に
アーカイブに保管されているモノが映った。
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