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交渉

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 加賀見とロベリオは、空いている部屋に入ると唇を重ね、
お互いの身体を貪り合った。
それが一段落つくと、加賀見はロベリオに耳元で話しかけた。
「さて、ロベリオさん、先ほどの件は一体、
どういうつもりですか?
あなたの部下になった訳ではありませんし、
事務局にあのような権限はないかと」
囁きながらもロベリオの腰に手を回し、
彼女の秘部に手を這わせる加賀見だった。

「ぷっ、かがみぃ。真面目に
話し掛けるのはいいけどお、行動が伴ってないよ」
と加賀見に囁くロベリオだった。
そして、既に上半身、裸の加賀見の乳首を軽くつねった。

「くっ」

加賀見は痛みか気持ち良さか
分からないような声で短く呻いた。

ロベリオは加賀見の表情と声に興奮したのか、
ベッドに押し倒した。

ベッドの上の二人は裸でまぐわっていた。
二人の吐く吐息以外は物音、一つしなかった。
「うーん、かがみぃとは、変態的なプレイしか
してこなかったけど、案外、まともなことでも
興奮するんだね」
と顔を上気させて、ロベリオは答えた。
その直後、加賀見は無言で、逸物を
ロベリオの秘部に突き刺した。そして、激しく腰を振るった。

「ふっふっふぅ、はぁはぁ」
息が荒れる加賀見に対し、
ロベリオは、軽い吐息をつくだけだった。

限界が来たのか、加賀見は、ロベリオの両肩を
腕でガッチリと固定し、舌を絡ませ、間断なく腰を振るった。

「はぁはぁはぁぁ」
加賀見は放心状態に囚われていた。
ロベリオは微笑を浮かべて、
加賀見にしなだれかかっていた。

「かがみぃ、これが報酬ね。
まー地球に戻るまで何度か相手をしてあげるし、
戻ってもしてあげる。
お望みなら、カーリンもいいわ。
二人同時でもいいしね。
データのコピーを準備して」

やはりと加賀見は思った。
先ほどの過剰な対応は、あくまでも管理者への
パフォーマンスであった。
狙いは、おそらく現航海を請け負っている地域への
揺さぶりのための情報収集であろうと予想した。

「いやいや、一体、何のことですかね。
データは全て、藻屑となる予定ですよ」
と加賀見はしらばっくれた。

「ぎゃっ」
加賀見は叫んだ。
右内腿がどす黒くなっていた。
強烈な力でつねられたのだろう。

「織多から、既に情報は貰っているよ。
随分と古風なメディアを使用したみたいだけど、
既にデータは移してあるんでしょ」
にんまりとした表情でロベリオが答えた。
「まーそれも嘘だろうけど、
本命はシンプルに個人で持ち込んだ娯楽用のPCでしょ。
そこに独自のソフトで偽装しているよねぇ?
カーリンが頭を抱えるほどの出来だし、
相当なものだよ。
ちなみに言うと、織多は国の研究施設への
採用が確定しているよ。
管理者側についたと思った方が良いよ。
じゃないとメディアの話なんてわからないでしょ」
揺さぶりのためか、虚実が入交っていることを
加賀見は、看破したが、アレは身を守る上での
大切な武器であった。
おいそれと答えることが出来なかった。

「まあまあ、眉間に皺を寄せないで。
私とカーリンは、地域が違うじゃん。
もし、渡すなら、君とそうだねぇ、織多も
保護することを約束するよ」

加賀見は鼠径部に軽い刺激を感じながら考えていた。
管理者側とロベリオに与するのはどちらが安全かと。
既に利益を上げる以前に命の心配をする状況になっていた。
ロベリオが徐に加賀見の逸物の状態を
確認すると馬乗りになり、勃起したアレを
己の秘部に挿入した。
加賀見の上でなまめかしく動くロベリオを見て、
加賀見は気持ち良さのためか、思考がぼんやりとしてしまい、
何も考えられなくなってしまった。
最後に脳裏をよぎったのは、この数か月の給与と
超過残業、危険手当はとりっぱぐれないよな、
大丈夫だよなということだった。
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