87 / 179
後悔
しおりを挟む
「一癖も二癖もある人間の集まりですから、ここは。
どんなに信用していても警戒を解いてはいけませんよ。
織多さんがどのような経緯で私に隔意を
もったのかはわかりませんけどね」
と加賀見が普段と変わらない態度で言った。
「ええっえええっと、、、それはですね。
色々です。そのぉ加賀見さんがロベリオさんとか
尾賀さんとかと色々と陰でこそこそしてたみたいな。
加賀見さん、忘れていませんよね?
そういうのはしませんと言ったことを」
言い終えた織多さんは、じーっと
加賀見の瞳を見つめた。
おそらく療養中に副船長の指示で
自分のエロ行為以外にも色々と
録画されていた映像を見せられたのだろう。
加賀見は何も言えず、頭を下げるだけだった。
「はぁぁーもう、何も弁明の余地なしってことですか?」
「いえ、最後の一線は超えていませんので」
加賀見は真摯な表情で頭を下げてそれだけ言った。
「いえいえ、ちょっと待ってください。
いや、うーんうーん。
それはいやまあそうなんですけど、
でもでも変ですよ絶対に。
部屋で尾賀さんに縛られて、無理やり、
ロベリオさんの足で、あれっ?
次は、野外で服を着たまま、
尾賀さんの脅迫で、、、あれっ?」
織多さんはなぜか加賀見の真摯な姿を見て、
混乱してしまったようだった。
「不可抗力なことにあらがったのですが、
力及ばずだったのです、すみません」
と真剣な面持ちで答えた。
「いや、騙されませんよ。
加賀見さんはああいったプレイが
好みなんですよね。
最後までするよりも
そういうの好みなんですよね。
Mってやつですね。Mですよね」
と何とか自分を言い聞かせようとする織多さんだった。
「いや、誤解ですよ。
ここで証明してみせましょうか?」
と言ってニヤリとして、加賀見は
織多さんに近づいた。
「わかりました。
この件は、母船に戻るまで保留としておきます。
加賀見さん、そんなことすると、
また、サバイバルスーツを汚しますよ。
流石に今回は困るでしょう」
と織多さんが言った。
ぎょっとする加賀見。
あの件は確か内密になっていたはず。
元宮が車両内の監視モニターも
上手く処理していたはず。
「織多さん、つかぬこと尋ねますが、
それをなぜ知っているんですか?」
「事務局というか、多分、船内の方々は
みんな知っていると思います。
サバイバルスーツを着たままで
そのぉ、逝った人って」
加賀見は、ここに来て最大の疲労を感じていた。
元宮、許すまじ、そんな思いに支配されていた。
そして、契約上の関係だけであったのに
短い付き合いの彼を信頼し過ぎたことを後悔した。
どんなに信用していても警戒を解いてはいけませんよ。
織多さんがどのような経緯で私に隔意を
もったのかはわかりませんけどね」
と加賀見が普段と変わらない態度で言った。
「ええっえええっと、、、それはですね。
色々です。そのぉ加賀見さんがロベリオさんとか
尾賀さんとかと色々と陰でこそこそしてたみたいな。
加賀見さん、忘れていませんよね?
そういうのはしませんと言ったことを」
言い終えた織多さんは、じーっと
加賀見の瞳を見つめた。
おそらく療養中に副船長の指示で
自分のエロ行為以外にも色々と
録画されていた映像を見せられたのだろう。
加賀見は何も言えず、頭を下げるだけだった。
「はぁぁーもう、何も弁明の余地なしってことですか?」
「いえ、最後の一線は超えていませんので」
加賀見は真摯な表情で頭を下げてそれだけ言った。
「いえいえ、ちょっと待ってください。
いや、うーんうーん。
それはいやまあそうなんですけど、
でもでも変ですよ絶対に。
部屋で尾賀さんに縛られて、無理やり、
ロベリオさんの足で、あれっ?
次は、野外で服を着たまま、
尾賀さんの脅迫で、、、あれっ?」
織多さんはなぜか加賀見の真摯な姿を見て、
混乱してしまったようだった。
「不可抗力なことにあらがったのですが、
力及ばずだったのです、すみません」
と真剣な面持ちで答えた。
「いや、騙されませんよ。
加賀見さんはああいったプレイが
好みなんですよね。
最後までするよりも
そういうの好みなんですよね。
Mってやつですね。Mですよね」
と何とか自分を言い聞かせようとする織多さんだった。
「いや、誤解ですよ。
ここで証明してみせましょうか?」
と言ってニヤリとして、加賀見は
織多さんに近づいた。
「わかりました。
この件は、母船に戻るまで保留としておきます。
加賀見さん、そんなことすると、
また、サバイバルスーツを汚しますよ。
流石に今回は困るでしょう」
と織多さんが言った。
ぎょっとする加賀見。
あの件は確か内密になっていたはず。
元宮が車両内の監視モニターも
上手く処理していたはず。
「織多さん、つかぬこと尋ねますが、
それをなぜ知っているんですか?」
「事務局というか、多分、船内の方々は
みんな知っていると思います。
サバイバルスーツを着たままで
そのぉ、逝った人って」
加賀見は、ここに来て最大の疲労を感じていた。
元宮、許すまじ、そんな思いに支配されていた。
そして、契約上の関係だけであったのに
短い付き合いの彼を信頼し過ぎたことを後悔した。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ちょいダン? ~仕事帰り、ちょいとダンジョンに寄っていかない?~
テツみン
SF
東京、大手町の地下に突如現れたダンジョン。通称、『ちょいダン』。そこは、仕事帰りに『ちょい』と冒険を楽しむ場所。
大手町周辺の企業で働く若手サラリーマンたちが『ダンジョン』という娯楽を手に入れ、新たなライフスタイルを生み出していく――
これは、そんな日々を綴った物語。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる