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作業中

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火力を調整し、異形種の体液を
焼却する加賀見。
なぜ異形種が現れないのか疑問に
思いつつも無言で作業を行っていた。
傍で織多さんがリュックを背負い、
薙刀を武器として周囲を警戒していた。

「ふう、意外と早く終わりそうですね」
と加賀見が漏らすと、織多さんは、
「そうですね。かなり早く終わりそうですね。
異形種も現れませんし」
と言った。

「しかし、なぜ異形種は現れないのでしょうね。
怒り狂って襲ってきても
おかしくないはずなのですが」
と加賀見が疑問を発した。

「恐らくですが、車両に付着している
体液が乾いてしまったからでしょうね。
そこら辺を確認する前に作業に
入っちゃいましたからねー。
それと、残っていてもあまりに
少量の体液だから、コストパフォーマンスを
考えて無視したのかもしれませんね。
いずれにしても理由がわかりませんから、
油断禁物ですっ。
あまり、きょろきょろせずに加賀見さんは
作業に集中してください」
と織多さんが意見を述べた。

加賀見は、織多さんの指摘が最もだと思い、
作業態度を改めたが、織多さんがこちら側を
向いていないにも関わらず、指摘されたことに
驚いていた。

作業開始から約60分で粗方の焼却が済み、
一旦、探索車両に帰投することとした。
「一旦、休憩を挟んで、仕上げを行います。
一旦、ドアを開放してください」
と加賀見が尾賀に伝えた。返信が来ない。
その代わりに探索車両の駆動音がうなり始めた。

そのまま、車両は動きだした。
そして、その姿は地平線の彼方に消えて行った。

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