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暗黙の了承
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「やあ、カーリン。調子はどうかな?」
とカーリンは上司に珍しく話しかけられた。
「はっ、只今、システムに介入していた
人物の特定がほぼ完了し、証拠となるデータを
纏めているところです」
とカーリンは答えた。
「そんなことより、先ほど、ある探索チームから
救援信号が送られてきた。
どうもシステムの誤反応が原因のようだよ。
このような履歴が残ると、帰還後の
忙しいときにつまらない業務が増えて、
副船長以下、色々と煩わされると思わないかな?」
とその上司は心底、困ったような表情で
カーリンに状況を説明した。
カーリンは、根っからのエンジニア気質なのか、
彼の説明に真っ当な受け答えをしてしまった。
「では、至急、状況の確認を
そのチームにいたします。
その上で、誤反応であれば、
システムの問題点を抽出して、
暫定でも処置を講じます。
その後、報告書を提出後に削除いたします。
よろしいでしょうか?」
とカーリンは真面目に答えた。
上司は暗い表情になり、カーリンを見つめている。
その状況を横で見ていたロベリオが腹を
抱えながら笑い出した。
そして、二人をまじまじと見て、更にげらげらと笑った。
「見事に噛み合っていないよ。面白過ぎるわー。
つまりあれでしょ!実際に救援信号を
受け付けてしまったから、全くなかったことに
しろってことでしょ。
よく言う都合の悪いことは、闇に葬れってやつだよ。
ってか、あんたが救援信号を
受信しなよいうに細工をしたけど、
どこぞの探索者がそれをかいくぐったんでしょうよ。
カーリン、やるなら、この男の指示を
受けてにしないと、駄目だよ。
後々に責任を負わされるよ」
と言って、これ見よがしに中指を立てた。
「むぐぐうっ。ロベリオ、
よくもそこまで邪推できるな。
部署が違うとはいえ、ただでは済まさんぞ」
と男は低い声で凄んで見せた。
「ぷぷっ、あんたねぇ、責任を
取りたくないって言うのもあるでしょうけど、
本当は、対応する自信がないんでしょ。
カーリンに断られたら、どうするつもり?」
とあきれたようにロベリオは言った。
「そもそも君には聞いていない。
カーリン、どうだ、やってくれるか?
副船長まで煩わされて、困っているんだ。
私も別件に時間が取られて、
対応が困難なんだよ」
とカーリンの上司は、懇願した。
「はあ、構いませんが」
と二人の会話に毒気を抜かれて、
カーリンは気の抜けた返事を返した。
「うむ、よろしく頼むよ。
救援信号を送ってきたのは、
尾賀、元宮、加賀見、織多の
4名で構成させるチームだ」
と僅かな情報を伝えて、上司は去っていった。
「まーた、あの連中かー
本当にかがみぃは、笑いと問題を
起こすよね。まーでもこれで最後かな」
とロベリオがカーリンに話しかけた。
「仕方ないわよ。
今回の実験は、犠牲者がでるのが
前提との説明だったし。
それに如何に理不尽なことであろうとも
探索側に協力はできないでしょう。
笹野宮たちのように処理されたらと
思うと、恐ろしくて」
とカーリンが不安そうに答えた。
探索車両で加賀見は、十分とは
言えない睡眠時間であったが、起床した。
尾賀との交代であった。
寝覚めのコーヒーを飲み、食事を取り、
尾賀のところに向かった。
「あと何キロほどかな」
加賀見は、呟いた。
そのつぶやきは、ここから、母船までのことか、
それとも探索車両の走行できる距離のことか、
呟いた加賀見自身も分からなかった。
とカーリンは上司に珍しく話しかけられた。
「はっ、只今、システムに介入していた
人物の特定がほぼ完了し、証拠となるデータを
纏めているところです」
とカーリンは答えた。
「そんなことより、先ほど、ある探索チームから
救援信号が送られてきた。
どうもシステムの誤反応が原因のようだよ。
このような履歴が残ると、帰還後の
忙しいときにつまらない業務が増えて、
副船長以下、色々と煩わされると思わないかな?」
とその上司は心底、困ったような表情で
カーリンに状況を説明した。
カーリンは、根っからのエンジニア気質なのか、
彼の説明に真っ当な受け答えをしてしまった。
「では、至急、状況の確認を
そのチームにいたします。
その上で、誤反応であれば、
システムの問題点を抽出して、
暫定でも処置を講じます。
その後、報告書を提出後に削除いたします。
よろしいでしょうか?」
とカーリンは真面目に答えた。
上司は暗い表情になり、カーリンを見つめている。
その状況を横で見ていたロベリオが腹を
抱えながら笑い出した。
そして、二人をまじまじと見て、更にげらげらと笑った。
「見事に噛み合っていないよ。面白過ぎるわー。
つまりあれでしょ!実際に救援信号を
受け付けてしまったから、全くなかったことに
しろってことでしょ。
よく言う都合の悪いことは、闇に葬れってやつだよ。
ってか、あんたが救援信号を
受信しなよいうに細工をしたけど、
どこぞの探索者がそれをかいくぐったんでしょうよ。
カーリン、やるなら、この男の指示を
受けてにしないと、駄目だよ。
後々に責任を負わされるよ」
と言って、これ見よがしに中指を立てた。
「むぐぐうっ。ロベリオ、
よくもそこまで邪推できるな。
部署が違うとはいえ、ただでは済まさんぞ」
と男は低い声で凄んで見せた。
「ぷぷっ、あんたねぇ、責任を
取りたくないって言うのもあるでしょうけど、
本当は、対応する自信がないんでしょ。
カーリンに断られたら、どうするつもり?」
とあきれたようにロベリオは言った。
「そもそも君には聞いていない。
カーリン、どうだ、やってくれるか?
副船長まで煩わされて、困っているんだ。
私も別件に時間が取られて、
対応が困難なんだよ」
とカーリンの上司は、懇願した。
「はあ、構いませんが」
と二人の会話に毒気を抜かれて、
カーリンは気の抜けた返事を返した。
「うむ、よろしく頼むよ。
救援信号を送ってきたのは、
尾賀、元宮、加賀見、織多の
4名で構成させるチームだ」
と僅かな情報を伝えて、上司は去っていった。
「まーた、あの連中かー
本当にかがみぃは、笑いと問題を
起こすよね。まーでもこれで最後かな」
とロベリオがカーリンに話しかけた。
「仕方ないわよ。
今回の実験は、犠牲者がでるのが
前提との説明だったし。
それに如何に理不尽なことであろうとも
探索側に協力はできないでしょう。
笹野宮たちのように処理されたらと
思うと、恐ろしくて」
とカーリンが不安そうに答えた。
探索車両で加賀見は、十分とは
言えない睡眠時間であったが、起床した。
尾賀との交代であった。
寝覚めのコーヒーを飲み、食事を取り、
尾賀のところに向かった。
「あと何キロほどかな」
加賀見は、呟いた。
そのつぶやきは、ここから、母船までのことか、
それとも探索車両の走行できる距離のことか、
呟いた加賀見自身も分からなかった。
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