異世界にもあった鬼畜な会社の鬼畜な業務異世界転移してきたのに変わらぬ社畜生活

ゆうた

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爆睡

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 加賀見は食後のコーヒーを飲むと、
また、センタールームに向かった。
食事中に笹野宮が亡くなっていたならば、
それはそれで録画を閲覧すればよいと考えていた。
加賀見は、どことなく彼の生死に冷めていると感じた。
彼がわざとらしく冒険映画の出演者のようなセリフと
行動をとるからであろう。
それもプロレベルでなく、大根役者と
言っていいレベルのため、どうも違和感があって
仕方がなかった。

モニターごしに彼はまだ、生きて寝ていた。
加賀見は、ある意味、この状況で寝られることに
感心していた。
時間にして1時間程度であったが、
どうやら異形種は発生していなようだった。

「加賀見さん、リアルタイムで見て行くんですか?
明日も続くかもしれませんよ?」
と後方から元宮が話かけてきた。

「そうですね。なるべく見て行こうかと思います。
閲覧禁止や改ざんされては、貴重な情報を
得られないかもしれませんから、
そうなる前になるべく見られるなら、見ておこうかと」
と言って、加賀見は、リアルタイムに
モニターしながら、食事の時間帯の録画を見ていた。

「結末がわからないから、リアルタイムの方が
興奮しますからねぇ。こんな娯楽が待っているとは
思いもしませんでした。
金重さんのリタイアのシーンなんて、
すごく驚きましたから。
笹野宮さんにはがんばって欲しいですが、
もう少し役者としてのスキルを向上させないと、
大成しませんよね」
と心配する素振りもなく、
この刑罰の成り行きを元宮は楽しんでした。

楽しむ?いかに犯罪者とはいえ、
殺されるのをモニターごしとはいえ、
加賀見には楽しめなかった。

「楽しむねぇ。娯楽として、都合の良い人材を
宛がったのだろうか」
独り言のように加賀見は言った。

「多分、そうですよ」
と元宮がしれっと言った。

「えっ」
加賀見はあまりにも当たり前のように
元宮が言ったことに驚いた。

「加賀見さんのように真面目にこの件を
考えている人もいると思いますが、
大半は娯楽として受け取ろうとしていますよ。
そうでないと、こんなところで、やってられません」
と元宮が真面目に言った。

加賀見は無言でモニターを見つめていた。
そして、元宮は、会話が途切れたため、
自分の席に戻っていった。

「娯楽ねぇ」
と呟き、自分が笹野宮の立場に
立たされなかったことにほっとしていた。
確かに一連の事柄があまりにも物事がスムーズに
進みすぎているとは感じていた。

 一時間半ほどで笹野宮は起きると、
また、酒をあおった。
周りを見渡し、彼はバックパックに
ある予備の小型モニターを起動させ、
船の位置を確認した。
そして、フラフラとふらふらと歩き出した。
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