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第5話 宿屋到着
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他愛もない話をしながら歩き続け、日も沈みかけた頃に我々は街へ辿り着いた。
城塞のような高い壁があり、その一部が門として開放されていた。
門の脇で街への入門チェックが行われていて、数人が列を作っていた。
「いやーよかったー! 間に合ったー!」
テシアが両手を上げて万歳状態で言う。
「結構ギリギリだったな。朝にフォクシーが起こしてくれなかったら、完璧に今日は野宿だったな」
「そうですね。フォクシーがいなかったら、きっと僕たちはまだ道のりの半分くらいのところに居たかもしれません」
道中、ゴブリンやらコボルトやらの雑魚敵の集団に度々襲われ、その度に我のパンチで楽々捻じ伏せて先を急いだのだった。我としては小さいものの魔石が手に入ったので良しとする。
その時に袖ユニットに収納したら驚かれた。マジックバッグは実在するが、相当値段の高い物であり、冒険者とてなかなか手の出ないものらしい。出会って間もなくに見せていたとは思ったのだが、普通に袖に出し入れしていたと思われたらしい。
我々も列の最後尾に並ぶ。
「お、ホムンクルスか、珍しいな」
最後尾の横に立っていた初老の衛兵が我と目が合うなり声を掛けてきた。
ウィルに胴体をひょいと掴まれ、衛兵の前に晒し者にされる。
「はい。この子はお話もできるんですよ!」
「えっ?」
衛兵は我の狐耳の先から尻尾の先の隅々まで確認して、首を傾げた。
「名前は?」
「……フォクシー。世話になる」
「おおー喋った。ちょっと不愛想な奴だな」
「………………」
一般的に知られているホムンクルスは喋らないのか? 我のように喋る個体は発見されていないのだろうか?
「ふむ、身分証というか所属証というかー、そういうものは無さそうだな。しばらく前にホムンクルスからも入門税を徴収することに決まったんだが、払えるか? 銀貨8枚だ」
衛兵に言われて、お金を持っていないことを思い出す。
頭だけをクルリ180度回転させてウィルの方を向くと、門番が思わずギョっとしていた。
「金は無い。払えるか?」
「はいはーい! じゃあ、今回は私が出すね!」
「すまない」
テシアが布袋から銀貨を取り出し、銀貨を浮遊ハンドに手渡してくれた。
「受付で渡してくれ。よし、それでは……こほん。問題を起こさぬように」
列が進んだので、衛兵はいつものセリフを言い、どうぞとジェスチャーしてくれた。
頭を正面に戻すと、ウィルはまた我を背負った。
順調に列が進む。後ろを見ると誰も来ないので、我々が最後のようだ。
我々の番になり、受付へと歩み出る。
「冒険者3人とホムンクルス1人です」
ウィルたちは冒険者登録証を見せ、我はテシアから渡された銀貨を差し出す。
「はいよ。確かに」
衛兵は一応登録証を手に取って水晶玉にかざして偽造ではないか確認しているようだ。我から銀貨を受け取るときに一瞬だけ手が触れたが、一瞬だけぱあっと晴れた顔でこちらを見た気がする。ウィルの同族か。
確認と徴収が終わると、登録証の返却と入門許可証が渡された。
「入門許可証は街を出るまで無くさないこと。出門時は返却するように。それでは……こほん。問題を起こさぬように」
衛兵がどうぞとジェスチャーしたので、我らは門をくぐり抜けて街へ入る。
我らが街へ入るのを見届けて、衛兵が声を上げる。
「よぉし! これで全員だ! 門を閉めろ!!」
ガコガコンと大きな音がして機械的な働きで門が閉鎖され、巨大な閂がされた。
ここまでの道中で3人に聞いたのだが、この街は東西南北の各々に強固な門があり、夜になると魔物が外を徘徊する為、完全封鎖されるのだという。魔物の軍勢の侵入を防止するため、朝日が昇るまでは非常時を除いて絶対に開門されない。
もし街の門が封鎖されてから街に着いた場合は、壁外で朝日を待つか、門の開いている時間を目指して到着するようにするのが、この街の常識らしい。
一応、強大な魔物が接近した場合には衛兵が壁の上から援護射撃をしたり、縄梯子を垂らしてくれたりするらしいが、基本は推奨されないらしい。
魔物は夜行性の者が多く、人の多い場所に向かう性質があるとのことだ。
「フォクシー、ここがマーレの街です。街道の中継拠点の街、といったところですかね」
「昔の冒険者が切り開いた拠点に人が集まって街になったって話だよ」
「お前ら、そんなことより! 早く『なごやか亭』に行くぞ!」
「そうでしたね!」
3人は思い出したように駆け出すのだった。
走る3人を見てなのか、我を見てなのか、視線が刺さるような気がする。
門からの大通りをしばらく直進すると、木造の大きな建物が見えてきた。年季が入った建物だが、とても落ち着いている雰囲気がある。
ルシェが勢いよく入口のドアをあけ放つ。
入ってすぐ食堂になっていて、テーブルが数卓有って、どこも冒険者や商人らしい人々で埋まっていた。その奥にカウンターがあり、その脇から2階へ続く階段がある。どうやら2階が宿泊施設らしい。
ドアを開けた瞬間、食堂の雑音がピタリと止み視線がこちらに集まった気がする。
奥に進むと、カウンターで店主らしきお爺さんが出迎えた。
ルシェが歩み出て言う。
「爺さん、部屋は空いてるか? 3人とホムンクルス1人だ」
「おお、戻ったか。丁度1部屋空いた所じゃわい。男女(?)相部屋で良いか?」
爺さんはテシアを見た後に我を見て、小首を傾げた気がする。
「やったー! 間に合ったー!」
テシアは万歳しながらその場でクルクル回った。
「4人分で1泊が金貨1枚と銀貨5枚、1週間分先払いで銀貨5枚分割引してやるぞ」
「うーん、明日冒険者ギルドに行くとして、しばらくは遠出しなくても食っていけるだろう。よし、1週間分先払いだ!」
ルシェは少し考えてから金貨と銀貨を取り出して店主に渡した。
「1週間くらいは街でのんびりできそうですね。まあ、足り無さそうなら近場で稼げば良いでしょう」
「しばらく遠出やだー!」
テシアは駄々っ子な性格なのだろうか。
ルシェに部屋の鍵を渡しながら、店主が言う。
「いつも通り朝飯付きだ。1階の酒場は昼と夜の営業じゃ。宿泊者割引してやるから使っとくれよ」
「宿泊者割引なんて始めたのか?!」
「1週間連続で泊まってくれたら、こちらも御の字じゃからのう。ふぉふぉふぉ」
「これでまたお金が浮きそうね」
「安宿なんかに負けておられんからのう」
爺さんはその立派な髭を撫でながら言った。
「ごゆっくり」
とりあえず荷物を置くために2階の部屋へ上がる。部屋は20室程度あり、この辺では大きな部類の宿屋兼食堂らしい。
「ここだな」
ルシェが解錠してドアを開けると、部屋の四隅にベッドが4つ並んでいて、中央にテーブルと椅子があった。あまり大きい部屋とは言えないが、4人で寝泊まりするだけなら十分な広さだろう。冒険者向けに荷物置き場も完備されていたりする。
「私ここー!」
テシアは声を上げながらベッドにダイブして突っ伏した。ローブが捲れようがなにしようがお構いなしだ。
「じゃあ俺はこっち」
「僕はここで。フォクシーはあちらで良いです?」
「ああ」
我が答えると、ウィルは我が使う予定のベッドまで歩いて行き、我の胴体を掴むとゆっくりと降ろしてくれた。
ルシェもウィルも自身のベッドに腰を落ち着けて荷物を降ろして整理を始めた。
「おなかペコペコだけど、まずはお風呂行きたい!」
突っ伏していたテシアが顔を上げて声を張り上げる。
「だな。風呂の後のラガーは最高だからな!」
「まあ、仕方ないでしょう。僕も今回は前より汗を掻いた気がしますし」
「我を背負っていたからだろうが」
冷静にツッコんでみるが、ウィルは涼しい顔で聞き流した。
「じゃあ、今から1時間後を目安にここで集合しますか」
ウィルは言いながら鞄から着替えを取り出すと、我を肩車で背負って風呂に向かおうとした。
「ちょ、ちょっと待ってよ、ウィル! フォクシーって女の子じゃないの?!」
素っ頓狂な声を上げたテシアに気付かされ、我は思索する。記憶にも知識の中に我自身に関するものはない。
着ている服のような物はどちらかというと女性物のような気はする。部屋の片隅に姿見が有ったので、ウィルに降ろしてもらってからそばに行って覗き込む。
「これが我か」
初めて見る自分の姿に関心しながら驚愕する。本当にコケシに浮遊パーツが付いた生き物(?)だったのだから。
確かに狐耳と尻尾、もふもふハンドと足がある。だがその愛らしさを打ち消すほど、目付きが悪い。表情筋も触ってみた感じでは無いようで、無表情で不愛想この上ない。
穿いているスカートのような物を捲り上げて見ると、コケシの底面に相当する部分が球面になっていて、そこにカバーというかスパッツというか形容し難い物があった。スパッツモドキを降ろしてみると──。
「フォクシー! ダメー!」
興味深げにこちらを見ていたウィルとルシェの視線を遮るように、テシアが両手を広げて間に立ち塞がった。
スパッツモドキを更に降ろしてみると、リボンのワンポイントが付いた白い下着が見えたので、慌ててズリ上げる。
「我は女性型……なのか?」
正面からではわかりにくかったが、姿見に背中を向けて立って、頭だけを180度回転させて見ると、腰のあたりにリボンのような造形が見て取れた。
「これで男の子はないでしょ?!」
「「「確かに」」」
テシアの言葉に我とルシェとウィルは同時に頷いた。
「だから、フォクシーちゃんは私と一緒にお風呂に入ります」
そばに来たテシアが我の胴体をヒョイッと持ち上げて抱き締める。
ウィルは少し不服そうな顔をしていたが、顔を真っ赤にしたテシアにキレられて諦めた。
城塞のような高い壁があり、その一部が門として開放されていた。
門の脇で街への入門チェックが行われていて、数人が列を作っていた。
「いやーよかったー! 間に合ったー!」
テシアが両手を上げて万歳状態で言う。
「結構ギリギリだったな。朝にフォクシーが起こしてくれなかったら、完璧に今日は野宿だったな」
「そうですね。フォクシーがいなかったら、きっと僕たちはまだ道のりの半分くらいのところに居たかもしれません」
道中、ゴブリンやらコボルトやらの雑魚敵の集団に度々襲われ、その度に我のパンチで楽々捻じ伏せて先を急いだのだった。我としては小さいものの魔石が手に入ったので良しとする。
その時に袖ユニットに収納したら驚かれた。マジックバッグは実在するが、相当値段の高い物であり、冒険者とてなかなか手の出ないものらしい。出会って間もなくに見せていたとは思ったのだが、普通に袖に出し入れしていたと思われたらしい。
我々も列の最後尾に並ぶ。
「お、ホムンクルスか、珍しいな」
最後尾の横に立っていた初老の衛兵が我と目が合うなり声を掛けてきた。
ウィルに胴体をひょいと掴まれ、衛兵の前に晒し者にされる。
「はい。この子はお話もできるんですよ!」
「えっ?」
衛兵は我の狐耳の先から尻尾の先の隅々まで確認して、首を傾げた。
「名前は?」
「……フォクシー。世話になる」
「おおー喋った。ちょっと不愛想な奴だな」
「………………」
一般的に知られているホムンクルスは喋らないのか? 我のように喋る個体は発見されていないのだろうか?
「ふむ、身分証というか所属証というかー、そういうものは無さそうだな。しばらく前にホムンクルスからも入門税を徴収することに決まったんだが、払えるか? 銀貨8枚だ」
衛兵に言われて、お金を持っていないことを思い出す。
頭だけをクルリ180度回転させてウィルの方を向くと、門番が思わずギョっとしていた。
「金は無い。払えるか?」
「はいはーい! じゃあ、今回は私が出すね!」
「すまない」
テシアが布袋から銀貨を取り出し、銀貨を浮遊ハンドに手渡してくれた。
「受付で渡してくれ。よし、それでは……こほん。問題を起こさぬように」
列が進んだので、衛兵はいつものセリフを言い、どうぞとジェスチャーしてくれた。
頭を正面に戻すと、ウィルはまた我を背負った。
順調に列が進む。後ろを見ると誰も来ないので、我々が最後のようだ。
我々の番になり、受付へと歩み出る。
「冒険者3人とホムンクルス1人です」
ウィルたちは冒険者登録証を見せ、我はテシアから渡された銀貨を差し出す。
「はいよ。確かに」
衛兵は一応登録証を手に取って水晶玉にかざして偽造ではないか確認しているようだ。我から銀貨を受け取るときに一瞬だけ手が触れたが、一瞬だけぱあっと晴れた顔でこちらを見た気がする。ウィルの同族か。
確認と徴収が終わると、登録証の返却と入門許可証が渡された。
「入門許可証は街を出るまで無くさないこと。出門時は返却するように。それでは……こほん。問題を起こさぬように」
衛兵がどうぞとジェスチャーしたので、我らは門をくぐり抜けて街へ入る。
我らが街へ入るのを見届けて、衛兵が声を上げる。
「よぉし! これで全員だ! 門を閉めろ!!」
ガコガコンと大きな音がして機械的な働きで門が閉鎖され、巨大な閂がされた。
ここまでの道中で3人に聞いたのだが、この街は東西南北の各々に強固な門があり、夜になると魔物が外を徘徊する為、完全封鎖されるのだという。魔物の軍勢の侵入を防止するため、朝日が昇るまでは非常時を除いて絶対に開門されない。
もし街の門が封鎖されてから街に着いた場合は、壁外で朝日を待つか、門の開いている時間を目指して到着するようにするのが、この街の常識らしい。
一応、強大な魔物が接近した場合には衛兵が壁の上から援護射撃をしたり、縄梯子を垂らしてくれたりするらしいが、基本は推奨されないらしい。
魔物は夜行性の者が多く、人の多い場所に向かう性質があるとのことだ。
「フォクシー、ここがマーレの街です。街道の中継拠点の街、といったところですかね」
「昔の冒険者が切り開いた拠点に人が集まって街になったって話だよ」
「お前ら、そんなことより! 早く『なごやか亭』に行くぞ!」
「そうでしたね!」
3人は思い出したように駆け出すのだった。
走る3人を見てなのか、我を見てなのか、視線が刺さるような気がする。
門からの大通りをしばらく直進すると、木造の大きな建物が見えてきた。年季が入った建物だが、とても落ち着いている雰囲気がある。
ルシェが勢いよく入口のドアをあけ放つ。
入ってすぐ食堂になっていて、テーブルが数卓有って、どこも冒険者や商人らしい人々で埋まっていた。その奥にカウンターがあり、その脇から2階へ続く階段がある。どうやら2階が宿泊施設らしい。
ドアを開けた瞬間、食堂の雑音がピタリと止み視線がこちらに集まった気がする。
奥に進むと、カウンターで店主らしきお爺さんが出迎えた。
ルシェが歩み出て言う。
「爺さん、部屋は空いてるか? 3人とホムンクルス1人だ」
「おお、戻ったか。丁度1部屋空いた所じゃわい。男女(?)相部屋で良いか?」
爺さんはテシアを見た後に我を見て、小首を傾げた気がする。
「やったー! 間に合ったー!」
テシアは万歳しながらその場でクルクル回った。
「4人分で1泊が金貨1枚と銀貨5枚、1週間分先払いで銀貨5枚分割引してやるぞ」
「うーん、明日冒険者ギルドに行くとして、しばらくは遠出しなくても食っていけるだろう。よし、1週間分先払いだ!」
ルシェは少し考えてから金貨と銀貨を取り出して店主に渡した。
「1週間くらいは街でのんびりできそうですね。まあ、足り無さそうなら近場で稼げば良いでしょう」
「しばらく遠出やだー!」
テシアは駄々っ子な性格なのだろうか。
ルシェに部屋の鍵を渡しながら、店主が言う。
「いつも通り朝飯付きだ。1階の酒場は昼と夜の営業じゃ。宿泊者割引してやるから使っとくれよ」
「宿泊者割引なんて始めたのか?!」
「1週間連続で泊まってくれたら、こちらも御の字じゃからのう。ふぉふぉふぉ」
「これでまたお金が浮きそうね」
「安宿なんかに負けておられんからのう」
爺さんはその立派な髭を撫でながら言った。
「ごゆっくり」
とりあえず荷物を置くために2階の部屋へ上がる。部屋は20室程度あり、この辺では大きな部類の宿屋兼食堂らしい。
「ここだな」
ルシェが解錠してドアを開けると、部屋の四隅にベッドが4つ並んでいて、中央にテーブルと椅子があった。あまり大きい部屋とは言えないが、4人で寝泊まりするだけなら十分な広さだろう。冒険者向けに荷物置き場も完備されていたりする。
「私ここー!」
テシアは声を上げながらベッドにダイブして突っ伏した。ローブが捲れようがなにしようがお構いなしだ。
「じゃあ俺はこっち」
「僕はここで。フォクシーはあちらで良いです?」
「ああ」
我が答えると、ウィルは我が使う予定のベッドまで歩いて行き、我の胴体を掴むとゆっくりと降ろしてくれた。
ルシェもウィルも自身のベッドに腰を落ち着けて荷物を降ろして整理を始めた。
「おなかペコペコだけど、まずはお風呂行きたい!」
突っ伏していたテシアが顔を上げて声を張り上げる。
「だな。風呂の後のラガーは最高だからな!」
「まあ、仕方ないでしょう。僕も今回は前より汗を掻いた気がしますし」
「我を背負っていたからだろうが」
冷静にツッコんでみるが、ウィルは涼しい顔で聞き流した。
「じゃあ、今から1時間後を目安にここで集合しますか」
ウィルは言いながら鞄から着替えを取り出すと、我を肩車で背負って風呂に向かおうとした。
「ちょ、ちょっと待ってよ、ウィル! フォクシーって女の子じゃないの?!」
素っ頓狂な声を上げたテシアに気付かされ、我は思索する。記憶にも知識の中に我自身に関するものはない。
着ている服のような物はどちらかというと女性物のような気はする。部屋の片隅に姿見が有ったので、ウィルに降ろしてもらってからそばに行って覗き込む。
「これが我か」
初めて見る自分の姿に関心しながら驚愕する。本当にコケシに浮遊パーツが付いた生き物(?)だったのだから。
確かに狐耳と尻尾、もふもふハンドと足がある。だがその愛らしさを打ち消すほど、目付きが悪い。表情筋も触ってみた感じでは無いようで、無表情で不愛想この上ない。
穿いているスカートのような物を捲り上げて見ると、コケシの底面に相当する部分が球面になっていて、そこにカバーというかスパッツというか形容し難い物があった。スパッツモドキを降ろしてみると──。
「フォクシー! ダメー!」
興味深げにこちらを見ていたウィルとルシェの視線を遮るように、テシアが両手を広げて間に立ち塞がった。
スパッツモドキを更に降ろしてみると、リボンのワンポイントが付いた白い下着が見えたので、慌ててズリ上げる。
「我は女性型……なのか?」
正面からではわかりにくかったが、姿見に背中を向けて立って、頭だけを180度回転させて見ると、腰のあたりにリボンのような造形が見て取れた。
「これで男の子はないでしょ?!」
「「「確かに」」」
テシアの言葉に我とルシェとウィルは同時に頷いた。
「だから、フォクシーちゃんは私と一緒にお風呂に入ります」
そばに来たテシアが我の胴体をヒョイッと持ち上げて抱き締める。
ウィルは少し不服そうな顔をしていたが、顔を真っ赤にしたテシアにキレられて諦めた。
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