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いち
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しおりを挟むバラ園に入るとすぐに彼女が立っていたので、俺はバラの影に隠れて彼女の行動を静かに見ていた。
すると、今まで見たことはない、彼女の姿とそして彼女の本音を聞くことになった。
彼女はガッツポーズをしながら、心から俺との婚約破棄を喜んでいた。
『やった!やりましたわ!婚約をやっとのことで解消出来ましたわ!』
ガッツポーズをして、軽くジャンプをするメリア嬢。
ど、どういうことだ。彼女は先程まで婚約破棄はしたくないと泣いてはいなかったか?
『やった!本当に最高ですわ!!』
『やっとこれで好きなことができる!!』
メリア嬢は心からの喜びを出し、スキップをしながらバラ園を出ていった。
メリア嬢がバラ園を出ていったのを確認すると、俺は物陰から出てきた。
「これはどういうことだ。」
俺は状況を整理出来ないでいた。
俺の前にいた彼女は全て彼女の演技だったのか?
俺は彼女に【騙されていた】
そういうことなのか?
本当の彼女はどれなんだ。
しかし、なぜこんなことをするのだろう。
これは聞いてみなければいけないようだな。
俺は口の端をあげると、バラ園を出た。
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