転生ヒロインの恋

出逢

7

「王太子に興味ないどころか、嫌いときたか。」
『な！レアンドル様、それでは私が不敬で罰せられてしまいます。私はただ好きではないと言っただけです。』
「いや、それは嫌いと一緒だから。」
『ですから、リュカ様レアンドル様それでは私の立場が危ういんですよ。』
「大丈夫だよ。今は俺たちしかいないし。」

ま、それならいいんだけど。ストーリー始まってないのにヒロインが不敬で死ぬとかまじで絶対ダメ。

『まぁそういうことですので、私が王太子様とどうこうすることなんてありませんので、ご安心ください。』

ご安心くださいってどういうことだ？何かミスった？まぁいっか。

「そうか。エレーヌ嬢は本当におかしな人なんだな。」
『いや、ご令嬢全員が王太子と婚約したいって思っていること自体おかしいですよ。人を好きになるのは自由なんですから、王太子様に興味がない方もいるんですよ。』
「そうか。面白い意見だな。」
『普通のことですよ。王族ならまだしも貴族なら多少の自由があってもおかしくはないでしょう？』
「王族には自由がないのか？」
『それは存じあげません。王族は国を治める必要があります。そのためには多少の縛りがあるのは仕方ないのでしょう。私は反対ですが。』

レアンドル様がなんでここまで婚約に関して興味を示しているのかさっぱりだけど、自分の思っていることを全部話した。この世界には合わない琴弓の時の世界では当たり前の考え。自由恋愛。この世界にこの考え方が広まればいいんだけど。