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出逢
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しおりを挟むとうとう王太子に会う日になった。準備は厳しいお母様のお陰で完璧。あまり目立たない色のドレスを着て、それなりの身だしなみで行く。お母様は可愛くしなきゃ!!とか言ってたけど、そんなことして王太子の目に入ってしまうと思うと怖すぎるので全力で反対しといた。
お父様、お母様、そしてお兄様と一緒に行く。お兄様は私をエスコートするために来てくれた。
『お父様、私帰りたいのですが。』
「何を言うエレーヌ!これから陛下に挨拶をしに行くんだ。失礼のないようにだぞ。」
『はい、お父様。』
静かにため息をつきながらお父様に返事をする。その姿を見ながらお父様は頭に手を当て不安そうに見ている。
「本当に大丈夫か?」
見かねたアンベールが話しかけてくる。
『大丈夫ですよ、お兄様。公爵家に恥じないような立ち居振る舞いを心がけます。お兄様が今まで教えてくださったではありませんか。ご安心ください。』
「それならいい。今日は俺から離れるなよ。」
『はい。』
アンベールと腕を組み、国王陛下もとい王太子の元へと向かった。前にはお父様方が歩いている。
「お久しぶりです国王陛下。」
お父様の声と共にフォートリエ家全員が頭を下げる。
「頭を上げよ。」
国王陛下の声を聞くとゆっくりと頭を上げる。
「よく来たフォートリエ公爵家よ。今宵は無理な願いを聞き入れてくれた事感謝する。」
「いえ。国王陛下からのご要望でしたら叶える以外の選択肢はございません。」
「流石フォートリエ家当主だな。それよりフォートリエ公爵令嬢。そなたの名前を聞いてもよいか?」
国王陛下、王妃の視線がこちらに集まる。
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