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激怒のルリィ

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ある王国で、一通の手紙を読んでいた王妃は、急に大声を上げた。

「なぁんですってぇ!!!!」

その大声に、執事や侍女が、衛兵が何事かと駆け付けてくる。その中に国王の姿をあり、王妃は国王の元に憤然と近寄った。

王妃の怒りように、侍女達は国王が何かをしたのかと恐慄いた。

「あ、な、た!!これは、どういう事です?!」

王妃が、国王の前で1枚の紙をピラピラと揺らした。その紙を見て、国王が「これが、どうかしたのかい?」と言った。

「どうかしたのか?ですってぇ……!」

王妃は国王の胸倉を掴み、ガクガクと揺らしている。衛兵は、止めるべきか悩んだが、王が嬉しそうなので止めた。

「久しぶりに、妹から手紙が来たと思ったら……『君がルリィの妹か、似てないね』よ!?私たちは、姉妹なのに良く似てるねって言われてたのよ?!挙句、何が!『君が困ってたら1度だけ助けてあげるよ。仕方なくね』よ!えっらそうに!」

いや、実際偉いですよ、大国の国王陛下ですから、っと皆は思ったが口には出さなかった。
今口に出せば、とばっちりを受けると分かっていたからだ。ルリィ様は、妹であるリリィ様を溺愛しているのは周知の事実ですから。

陛下がリリィ様に嫉妬するぐらいに……

「わたくし、ちょっとリリィの元に行ってきますわ!」
「は?なんで?呼べばいいじゃないか!何も行かなくても…」
「……」

ルリィは、国王を一瞥すると、「貴方なんて知りません!」そう言って部屋の奥に下がっていった。

「…ちょっ待って!僕も行くから!」
「陛下?!お待ち下さいっ!」
「やだ、ルリィが行くなら僕も行くから!お前たち準備して」

そうして、お忍びで隣国に旅立ったのは、リリィの姉ルリィと、その旦那ジェスト、護衛数名だった。

「待ってて、リリィ。お姉ちゃんが直ぐに助けてあげるから!」

そこで知った事実に、ルリィは大激怒して皆を巻き込んで、ある作戦を立てることにしたのだった。
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