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婚約破棄(アイナ)
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今回のアイナ・トラント伯爵令嬢ですが、かなりのお馬鹿ぶりで書いてます。不快に思われるかも知れませんが、ご了承下さい(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
※ご都合主義です。
----
ふっふっふ!
今日は、待ちに待ったソレイユ様と、ルーナが婚約破棄する場面です!なぜ知っているか?って?
それはですね~
実は私アイナには予知夢があるんです!
わたしぃ、見ちゃったんです。
夢で……
※※※※※
「ルーナ・アドラス!貴方、ソレイユ・ララン様の権威を笠に着て好き放題していると聞きました!ソレイユ様も、とても心に痛めていると!ですから、ソレイユ様との婚約を破棄させて頂きますわ!ソレイユ様も、私の方が素晴らしい女性だと言ってましたから」
「なぜ、アイナ様が?婚約破棄を破棄するならば、ソレイユ様が立ち会うのが普通ではなくて?」
「ソレイユ様は、私に全てを委ねて下さったのよ?みっともなく、ソレイユ様に縋らないで頂戴」
「ですが!」
「いい加減にして!衛兵!ルーナ・アドラスを連れて行きなさい!ソレイユ様の心も、民の心も分からぬ愚か者よ。何れ陛下から何か沙汰があるでしょう。それまで牢屋で、反省でもしていなさい?」
※※※※※
何度かソレイユ様の夢を見る事はありましたの。夢の中では、とても強くてお優しくて、いつも私に微笑み、守って下さいました。だから夢を見る度に、行動を起こしてきましたのよ?
でも、現実のソレイユ様は、少し素っ気なくて……シャイなんですわね、きっと!でも、きっと、今回の婚約破棄で私の所に来て下さるはずですわ!
会場に着いて、ルーナを探せばすぐに見つけられました!だって、たった1人で突っ立ってるんだもの!
とうとう、ソレイユ様に見捨てられたのね!
それもそうよね!だってルーナは、性悪で我儘で、傲慢で人を人として思わない、腐った人でしたもの(夢の中で)
ふふふ、とうとうソレイユ様が私の元に来て下さるのね!嬉しい!
ずっと幼い頃から夢で見ていたソレイユ様…
最初は誰か分からなかったけれど、今ならばハッキリと分かりますわ!私の運命の人!
ルーナの正面まで歩き、彼女を指さし宣言した。
「ルーナ・アドラス!貴方とソレイユ・ラランとの婚約を破棄します!」
顎を引いて胸を張り、腰に手を置いて言ってやったわ!
惚けた顔をしていますが、内心は焦っているのでしょうね!
だって、夢では私に楯突いてきたもの!
「ルーナ様はソレイユ様の権威を笠に着て好き放題していると聞きます!そんな方がソレイユ様の婚約者だなんて、この国の恥ですわ!」
私の言葉に、周りの貴族がザワザワと騒ぎ出す。ふふん、周りの皆様も事実を知って、騒いでますわ……知らないのは罪ですのよ?これを機に、しっかりと知って下さいませ!
「婚約破棄?ですか……」
やぁっと、口を開いたかと思えば、頬に手を添えて首を傾げ、とぼけるルーナ。
挙句に「ソレイユ様が、仰ったのですか?」ですって!
夢の中のように、現実が受け止められないんですわね!きっと!
「ソレイユ様も、そう思ってますわ!私には分かります!」
そう言った瞬間に、ルーナの表情が厳しいものに変わりました。あぁ、夢の中のように私を馬鹿にしてますのね?
本当に性悪ですわね!!
「ソレイユ様は、私に全てを委ねているのですわ!今の貴方は、ソレイユ様に縋るみっともない女でしてよ!」
この瞬間、ざわめきが止まりシーンと静まった。
あら?どうしたのかしら?
皆さん?私を称えて下さって良いのよ?悪の権現たる女を断罪するのですから!
「何を騒いでますの?」
そこに、天色の髪をアップにした、この国の王女殿下がいらした。
ソレイユ様の妹君ですわ!
ゆくゆくは、私の妹ですわね!
「まぁ!ルーナお義姉様!どうしたんですの?!」
お義姉様!!あぁ!なんて素敵な響きなのかしら?!あんな可愛い妹が出来るなんて!わたし、とても嬉しいですわ!!
【アイナの脳では、「ルーナお義姉様をアイナお義姉様」と聞こえていた】
素晴らしいですわ!名実ともに有名な姉妹になれますわね!
【アイナが脳内で、シエルのお義姉様呼びに悶えている間、ルーナはシエルに事情説明をしていた】
ソレイユ様と私とシエル様の3人で優雅にお茶を……ふふふ
アイナ本人は、断罪している途中であるにも関わらず(成功してるとは言わない)既に頭の中は違う事でいっぱいだった。
「何を馬鹿げたことを…」
「え?」
天使なシエル様の口から低く、まるで男性の様な声が聞こえた。
「嘘をつくのなら、もっとマシな嘘をつきなさい」
……気の所為のようだった、いつもの可憐な声に戻っている。
そうよね!シエル様の口から男性の声が聞こえるなんてある筈がありませんもの!
そんな事よりも!嘘?嘘じゃないわ!
だって昨日も、お話しましたもの!
「嘘じゃないわ!昨日会って、お話しましたもの!」
ソレイユ様は、それはもう素敵な笑顔で……「また来たのかい?困った子猫ちゃんだね。さぁ、今日はルーナの相手で忙しいから、帰りなさい?」と、言ってくださったもの!
【この言葉をシエルが聞いたら、お腹を抱えて笑い出すだろう】
「昨日は!私とお義姉様とお兄様と3人で!お茶をしてましたわ。全く!出鱈目もいい加減になさいませ!」
知ってるわ。
でも、そんな中、私を思って私に逢いに来てくれたのよ?ほんの数秒でしたが、至福な時間でしたわぁ。
【ソレイユにとっては、ルーナを思って、早々に追い出したかっただけなのだが…】
「貴方の頭は飾りですの?!耳はちゃんと付いてます?私たちの言葉を聞き取れないなら、耳もお飾りなのかしらね!?」
と、辛辣な事を言うシエル。
「な、何よっ」
どうして、そんな酷い事を言うの?
私が何したって言うのよ?!
「何を騒いでいる?」
「ソレイユ様…」
「ソレイユ様ぁ!」
「遅いですわ!お兄様!」
ソレイユ様だわ!
やっぱり!私を助けてくださるのね!
夢の中では、登場しませんでしたけどっ…私の危機に駆けつけてくださるなんてっ!
私、とても嬉しいですわぁ
ポーッとソレイユ様に見惚れていると、彼はルーナの横に立ち私を睨み付けてきた。
へ?なんで?
どうして?ソレイユさまぁ?
「また君か…いい加減にしてくれないか!俺はルーナと婚約を破棄する気は全く無い!俺はルーナを愛してるのでな!」
あいしている?
だれとだれが?
それいゆさまとるーなが?
違う!違う!ちがぁう!
「ソレイユ様は!私と結婚するって決まってるの!わたし、知ってるんだからぁ!私には予知夢があるの!ソレイユ様は、その女に騙されてるの!私が救ってあげるの!ちょっ!離しなさいよっ!たすけて!ソレイユさまぁ!」
よく分からない内に、大きな男の人に両手を掴まれて会場を連れ出された。
連れて行かれた場所は、少しシンプルだけれど、豪華な部屋……
あぁ!そう!そうなのね!
私は納得した。
ソレイユ様は、私の為にこの部屋を用意して下さったのね!
【アイナは伯爵家とは言え、あまり裕福では無い。故に、ここが貴族用の牢だと認識出来ないでいた】
翌日、また大きな男性に左右の腕を掴まれて、書斎?みたいな部屋に連れてこられた。
目の前には、ソレイユさま!
あぁ、やっぱりソレイユ様は私の味方なのね!あの時は、ルーナが何かしたんだわ!じゃないと、ソレイユ様が私にあんな酷いことを言うはずが無いもの!
シエル様もいるわ
キラキラとした瞳でソレイユを見つめるが、ソレイユの瞳は冷たく厳しい物だった。
だが、アイナの目には、自分を優しげに見つめる2人が映っていた。
「アイナ・トラントよ。此度の騒動に対する処罰を申し伝える」
「へ?」
しょばつ?
しょばつってなんですの?
「トラント伯爵よ」
「はっ、アイナ……」
「お父さま?」
どうなさったの?お父様……何だか顔色が良くないですわ。
「私はお前を可愛がり過ぎたようだ……まさかこの様な事態を引き起こすとは…」
「なに、を言ってますの?」
「アイナは、我がトラント伯爵家から勘当する!」
かんどう?なぜ?
私は、ソレイユ様のお嫁さんになりますのよ?
「なぜ?ソレイユ様のお嫁さんは?」
「なぜ貴様を、俺の妻に迎えねばならん。俺が愛してるのは、婚約者のルーナだと言ってるだろ」
「君は、王太子の婚約者に言われのない罪を着せ暴言を吐いた。犯した罪の重さを知れ」
そう言って、偉い人?は私に何かを言うけれど、耳に入って来なかった。
「あぁぁぁぁ!あぁぁぁ、あぁぁ!」
私はよく分からなくなった。
だっておかしいでしょ?私は予知夢があるのよ?私には分かるの。ソレイユ様は私と結婚する事で幸せになるの。そう決まってるの!
ああああああああぁぁぁ!
なのに、なんでぇ邪魔するのよぉ!
私とソレイユ様の幸せをぉ!
「連れて行け!」
違う声が聞こえた。
静かで、とても心に響く涼やかな声が……
「……俺の姉上を傷付けた事は、絶対許さないから」
シエル様の横を通り過ぎる時に、また声が聞こえた、冷たく凍るような声。
強く睨まれて……
なぜ私が……
こ、ん、な、め、に、?
い、いやぁあああ!
ああああああああぁぁぁ!
「たすけて、たすけてぇ!ソレイユ様ぁ!夢の中じゃ、あんなに愛を囁いてくれたじゃないですかぁ!あれは、嘘でしたの?!」
「「「「夢?」」」」
皆さんが、私を見るけれど、その目が、何故か、残念な物を見るような目で……お父様まで?
それから私は、気が付いたら何も無い部屋にいたの。ベッドと傍らに机だけの質素な部屋。起きて外に出たら、何も無かったの。
数人の女性が居て、私を見ても無視するの。
なんで?ねぇ、構ってよ……
どうして無視するの?
ねぇ、そうだ!
予知夢の力、見せてあげるわ。
ねぇ……
ねぇ……
ねぇ……
わたしは、だあれ?
~完~
※ご都合主義です。
----
ふっふっふ!
今日は、待ちに待ったソレイユ様と、ルーナが婚約破棄する場面です!なぜ知っているか?って?
それはですね~
実は私アイナには予知夢があるんです!
わたしぃ、見ちゃったんです。
夢で……
※※※※※
「ルーナ・アドラス!貴方、ソレイユ・ララン様の権威を笠に着て好き放題していると聞きました!ソレイユ様も、とても心に痛めていると!ですから、ソレイユ様との婚約を破棄させて頂きますわ!ソレイユ様も、私の方が素晴らしい女性だと言ってましたから」
「なぜ、アイナ様が?婚約破棄を破棄するならば、ソレイユ様が立ち会うのが普通ではなくて?」
「ソレイユ様は、私に全てを委ねて下さったのよ?みっともなく、ソレイユ様に縋らないで頂戴」
「ですが!」
「いい加減にして!衛兵!ルーナ・アドラスを連れて行きなさい!ソレイユ様の心も、民の心も分からぬ愚か者よ。何れ陛下から何か沙汰があるでしょう。それまで牢屋で、反省でもしていなさい?」
※※※※※
何度かソレイユ様の夢を見る事はありましたの。夢の中では、とても強くてお優しくて、いつも私に微笑み、守って下さいました。だから夢を見る度に、行動を起こしてきましたのよ?
でも、現実のソレイユ様は、少し素っ気なくて……シャイなんですわね、きっと!でも、きっと、今回の婚約破棄で私の所に来て下さるはずですわ!
会場に着いて、ルーナを探せばすぐに見つけられました!だって、たった1人で突っ立ってるんだもの!
とうとう、ソレイユ様に見捨てられたのね!
それもそうよね!だってルーナは、性悪で我儘で、傲慢で人を人として思わない、腐った人でしたもの(夢の中で)
ふふふ、とうとうソレイユ様が私の元に来て下さるのね!嬉しい!
ずっと幼い頃から夢で見ていたソレイユ様…
最初は誰か分からなかったけれど、今ならばハッキリと分かりますわ!私の運命の人!
ルーナの正面まで歩き、彼女を指さし宣言した。
「ルーナ・アドラス!貴方とソレイユ・ラランとの婚約を破棄します!」
顎を引いて胸を張り、腰に手を置いて言ってやったわ!
惚けた顔をしていますが、内心は焦っているのでしょうね!
だって、夢では私に楯突いてきたもの!
「ルーナ様はソレイユ様の権威を笠に着て好き放題していると聞きます!そんな方がソレイユ様の婚約者だなんて、この国の恥ですわ!」
私の言葉に、周りの貴族がザワザワと騒ぎ出す。ふふん、周りの皆様も事実を知って、騒いでますわ……知らないのは罪ですのよ?これを機に、しっかりと知って下さいませ!
「婚約破棄?ですか……」
やぁっと、口を開いたかと思えば、頬に手を添えて首を傾げ、とぼけるルーナ。
挙句に「ソレイユ様が、仰ったのですか?」ですって!
夢の中のように、現実が受け止められないんですわね!きっと!
「ソレイユ様も、そう思ってますわ!私には分かります!」
そう言った瞬間に、ルーナの表情が厳しいものに変わりました。あぁ、夢の中のように私を馬鹿にしてますのね?
本当に性悪ですわね!!
「ソレイユ様は、私に全てを委ねているのですわ!今の貴方は、ソレイユ様に縋るみっともない女でしてよ!」
この瞬間、ざわめきが止まりシーンと静まった。
あら?どうしたのかしら?
皆さん?私を称えて下さって良いのよ?悪の権現たる女を断罪するのですから!
「何を騒いでますの?」
そこに、天色の髪をアップにした、この国の王女殿下がいらした。
ソレイユ様の妹君ですわ!
ゆくゆくは、私の妹ですわね!
「まぁ!ルーナお義姉様!どうしたんですの?!」
お義姉様!!あぁ!なんて素敵な響きなのかしら?!あんな可愛い妹が出来るなんて!わたし、とても嬉しいですわ!!
【アイナの脳では、「ルーナお義姉様をアイナお義姉様」と聞こえていた】
素晴らしいですわ!名実ともに有名な姉妹になれますわね!
【アイナが脳内で、シエルのお義姉様呼びに悶えている間、ルーナはシエルに事情説明をしていた】
ソレイユ様と私とシエル様の3人で優雅にお茶を……ふふふ
アイナ本人は、断罪している途中であるにも関わらず(成功してるとは言わない)既に頭の中は違う事でいっぱいだった。
「何を馬鹿げたことを…」
「え?」
天使なシエル様の口から低く、まるで男性の様な声が聞こえた。
「嘘をつくのなら、もっとマシな嘘をつきなさい」
……気の所為のようだった、いつもの可憐な声に戻っている。
そうよね!シエル様の口から男性の声が聞こえるなんてある筈がありませんもの!
そんな事よりも!嘘?嘘じゃないわ!
だって昨日も、お話しましたもの!
「嘘じゃないわ!昨日会って、お話しましたもの!」
ソレイユ様は、それはもう素敵な笑顔で……「また来たのかい?困った子猫ちゃんだね。さぁ、今日はルーナの相手で忙しいから、帰りなさい?」と、言ってくださったもの!
【この言葉をシエルが聞いたら、お腹を抱えて笑い出すだろう】
「昨日は!私とお義姉様とお兄様と3人で!お茶をしてましたわ。全く!出鱈目もいい加減になさいませ!」
知ってるわ。
でも、そんな中、私を思って私に逢いに来てくれたのよ?ほんの数秒でしたが、至福な時間でしたわぁ。
【ソレイユにとっては、ルーナを思って、早々に追い出したかっただけなのだが…】
「貴方の頭は飾りですの?!耳はちゃんと付いてます?私たちの言葉を聞き取れないなら、耳もお飾りなのかしらね!?」
と、辛辣な事を言うシエル。
「な、何よっ」
どうして、そんな酷い事を言うの?
私が何したって言うのよ?!
「何を騒いでいる?」
「ソレイユ様…」
「ソレイユ様ぁ!」
「遅いですわ!お兄様!」
ソレイユ様だわ!
やっぱり!私を助けてくださるのね!
夢の中では、登場しませんでしたけどっ…私の危機に駆けつけてくださるなんてっ!
私、とても嬉しいですわぁ
ポーッとソレイユ様に見惚れていると、彼はルーナの横に立ち私を睨み付けてきた。
へ?なんで?
どうして?ソレイユさまぁ?
「また君か…いい加減にしてくれないか!俺はルーナと婚約を破棄する気は全く無い!俺はルーナを愛してるのでな!」
あいしている?
だれとだれが?
それいゆさまとるーなが?
違う!違う!ちがぁう!
「ソレイユ様は!私と結婚するって決まってるの!わたし、知ってるんだからぁ!私には予知夢があるの!ソレイユ様は、その女に騙されてるの!私が救ってあげるの!ちょっ!離しなさいよっ!たすけて!ソレイユさまぁ!」
よく分からない内に、大きな男の人に両手を掴まれて会場を連れ出された。
連れて行かれた場所は、少しシンプルだけれど、豪華な部屋……
あぁ!そう!そうなのね!
私は納得した。
ソレイユ様は、私の為にこの部屋を用意して下さったのね!
【アイナは伯爵家とは言え、あまり裕福では無い。故に、ここが貴族用の牢だと認識出来ないでいた】
翌日、また大きな男性に左右の腕を掴まれて、書斎?みたいな部屋に連れてこられた。
目の前には、ソレイユさま!
あぁ、やっぱりソレイユ様は私の味方なのね!あの時は、ルーナが何かしたんだわ!じゃないと、ソレイユ様が私にあんな酷いことを言うはずが無いもの!
シエル様もいるわ
キラキラとした瞳でソレイユを見つめるが、ソレイユの瞳は冷たく厳しい物だった。
だが、アイナの目には、自分を優しげに見つめる2人が映っていた。
「アイナ・トラントよ。此度の騒動に対する処罰を申し伝える」
「へ?」
しょばつ?
しょばつってなんですの?
「トラント伯爵よ」
「はっ、アイナ……」
「お父さま?」
どうなさったの?お父様……何だか顔色が良くないですわ。
「私はお前を可愛がり過ぎたようだ……まさかこの様な事態を引き起こすとは…」
「なに、を言ってますの?」
「アイナは、我がトラント伯爵家から勘当する!」
かんどう?なぜ?
私は、ソレイユ様のお嫁さんになりますのよ?
「なぜ?ソレイユ様のお嫁さんは?」
「なぜ貴様を、俺の妻に迎えねばならん。俺が愛してるのは、婚約者のルーナだと言ってるだろ」
「君は、王太子の婚約者に言われのない罪を着せ暴言を吐いた。犯した罪の重さを知れ」
そう言って、偉い人?は私に何かを言うけれど、耳に入って来なかった。
「あぁぁぁぁ!あぁぁぁ、あぁぁ!」
私はよく分からなくなった。
だっておかしいでしょ?私は予知夢があるのよ?私には分かるの。ソレイユ様は私と結婚する事で幸せになるの。そう決まってるの!
ああああああああぁぁぁ!
なのに、なんでぇ邪魔するのよぉ!
私とソレイユ様の幸せをぉ!
「連れて行け!」
違う声が聞こえた。
静かで、とても心に響く涼やかな声が……
「……俺の姉上を傷付けた事は、絶対許さないから」
シエル様の横を通り過ぎる時に、また声が聞こえた、冷たく凍るような声。
強く睨まれて……
なぜ私が……
こ、ん、な、め、に、?
い、いやぁあああ!
ああああああああぁぁぁ!
「たすけて、たすけてぇ!ソレイユ様ぁ!夢の中じゃ、あんなに愛を囁いてくれたじゃないですかぁ!あれは、嘘でしたの?!」
「「「「夢?」」」」
皆さんが、私を見るけれど、その目が、何故か、残念な物を見るような目で……お父様まで?
それから私は、気が付いたら何も無い部屋にいたの。ベッドと傍らに机だけの質素な部屋。起きて外に出たら、何も無かったの。
数人の女性が居て、私を見ても無視するの。
なんで?ねぇ、構ってよ……
どうして無視するの?
ねぇ、そうだ!
予知夢の力、見せてあげるわ。
ねぇ……
ねぇ……
ねぇ……
わたしは、だあれ?
~完~
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