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第3話 ディルグバーグ辺境伯
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辺境伯様の住む町は、何だか要塞?みたいな感じがします。
高い塀に囲まれた街……塀の各所には、監視する騎士の方が立っています。
街の中の建物も、景観よりも襲撃に備えたしっかりした造りになってるみたいです。
沿道には多くの人が集まっていて、私が乗った馬車を歓迎してるみたいです。一人の少女が、手に持ったバスケットから花を取り出すと放り投げた。投げた花は空を舞い、とても綺麗でした。
やはり、ディルグバーグ辺境伯様は王都で噂になってるような方では無さそうです。騎士の方と接した時にも思いましたが、こんなにも皆に慕われているのですから。
そんな素晴らしいお方に、私なんかを押し付ける形で結婚する事になって申し訳ないです。
屋敷の前、金の髪を靡かせて立つディルグバーグ辺境伯様がいた。多くの使用人を後ろに従えて……
馬車が彼の前に止まり、ドアが開かれる。
騎士の方が、降ろしに来てくれるのを待っていました。
でも誰も来なくて、代わりに……
ディルグバーグ辺境伯様が中に入ってきて、私の背に手を添えて抱き上げて下さいました。
ゆっくりと馬車を降りると、使用人の皆さんが顔を上げて「ようこそ、おいで下さいました。リシア様」と言って下さいました。
ユリア以外で、丁寧に扱ってもらった事がないので緊張してしまいました。
固まった私を見て、ディルグバーグ辺境伯様は「どうした?」と声を掛けて下さり、私は首を振って「何でもないです」と答えました。
それより、なぜ私は辺境伯様に抱え上げられてるんでしょうか?私の事情をご存知なのでしょうか?
「あの?…ディルグバーグ辺境伯様……」
「貴方は…歩けないと聞いた」
どうして……と続く言葉は、辺境伯様の言葉に遮られました。素っ気ないお言葉でしたが、私を抱く手は優しく壊れ物を扱う様に慎重でした。
その状態のまま屋敷に入り、応接間に通されるとソファにおろして下さいました。
そして、横に置いてあった毛布を私の膝にかけて下さいました。
(なんて優しい方なの……)
こんなお方が、血濡れの悪魔などと呼ばれているなんて……戦争から帰ってきた時の姿を言ってるのでしょうけど…
レオンハルト・ディルグバーグ辺境伯様は、戦争終結時に敵将の首を国に持ち帰って来ました。鎧に刻まれた多くの傷跡は、私達を守る為に必死で戦ってくれた証。なのに、お父様や多くの貴族は彼の事を非難しました。
血濡れの悪魔……殺人狂、殺しが趣味などと。国王陛下が彼を侮辱した者は処罰すると、お触れを出してからは表立って非難するものは居なくなりました。ですがお父様達は、影で彼を非難し続けました。
怪我をして社交界に出れなくなる前までは、お茶会などで令嬢達の話題にもよく上ってました。
ディルグバーグ辺境伯様は、私をジッと見つめてきた。見つめられると、何だか……落ち着きません。
「貴方の名前は、リシア・スタリオンで問題ないか?」
「はい、そうですわ」
「貴方は、俺との結婚に反対しなかったのか?」
「え?」
ディルグバーグ様は、私が結婚を反対すると思っていたそうです。自分の噂を知っているだろう?と……
私は……むしろ、私なんかを押し付けられたディルグバーグ様が嫌がると思ったのですが…
「ディルグバーグ様こそ、私なんかを押し付けられて迷惑してるんじゃありませんか?私に遠慮せずにはっきりと言って下さって構いませんよ」
「俺は迷惑なんてしてない」
ディルグバーグ様は、真剣な目と声でハッキリと「迷惑はしてない」と言って下さいましま。
「それから、俺の事はレオンでいい」
「レオン……様、ですか……?」
ディルグバーグ様は、愛称で呼ぶ許可を下さいました。
「それから……」
「はい?」
「私なんかと、言うな」
「っ?!」
「貴方は、素敵な女性だ。自分を必要以上に卑下する必要は無い」
「ですが……」
「貴方を護衛していた者達から、話は聞いている。自分の事は後回しに、騎士達に気を遣ってくれたそうだな。安い宿で泊まる事になっても文句1つ言わなかったとか」
それは……当たり前です。
私なんかが高い宿に泊まるなど、あってはならないのだから……
「……」
「貴方は……」
レオン様は言いかけて、口をつぐみました。
そして、立ち上がると私の元にやってきて抱き上げました。
「話は明日にしましょう、貴方には休息が必要です」
「え?」
「貴方が、俺との結婚に抵抗がないのなら良かった」
レオン様は、安堵したような笑顔を私に向けてくれる。
でも、私は……
「ごめんなさい、私は……」
「言ったはずだ。騎士から話は聞いている、と」
私が何か言う前に、レオン様は騎士から話を聞いていると言いました。それは……私が、スワード様に話した内容を言っているのでしょうか…
私なんかを娶る理由が、レオン様には無いのでは?と言った言葉を。
私なんかと結婚しても、レオン様には得られるものが何も無いと言った言葉を。
私なんかと結婚しても、子供は望めないから止めた方がと言った言葉を?
「私は……」
「俺は、貴方と結婚する。だが、貴方が本気で拒否するならば諦めよう」
そんなっ?!
私なんかが貴方を拒否するなんて……!私なんかには、勿体ないお方なのにっ!
「レオン様は、私には勿体ないぐらい素敵なお方です」
「そうか」
レオン様は嬉しそうに笑い、私を部屋に運んで下さいました。
「今は客室を使ってくれ。結婚したら、部屋は隣同士で寝室は一緒になる」
「は、はい」
案内された客室は、無駄なものが一切ない落ち着いた感じの部屋だった。
更に床はフローリングで、絨毯は敷かれて無かった。
「貴方の事を聞いて急遽外した」
私が思っていた事を言い当てられて、びっくりしてしまいました。
「貴方は、結構顔に出る」
「そ、そうですか……」
うう、恥ずかしいっ!
レオン様が言うには、私が車椅子で移動すると騎士に聞いてから直ぐに、メイドさん達に指示し絨毯を外し要らなさそうな家具も退かしたと。
「これなら、部屋の中の移動には困らないか?」
「はい、ありがとうございます」
「貴方の侍女も隣の部屋に用意しておいた。俺の屋敷の者に、貴方の世話での注意事項を聞かせてやって欲しい」
ユリアは、「はい、もちろんです」と答えた。ここに来るまで、緊張した顔が今は安らいでいます。
「それから……何か困ったら、このベルを2回鳴らすんだ。すると、セバスが駆け付ける」
1人の執事が前に出て、お辞儀をした。
この方は、先程屋敷の前でレオン様の後ろに控えていたお方…
「セバスです。リシア様にお仕え出来て光栄です。よろしくお願い致します」
「あ、私こそ、よろしくお願い致します」
「リシア様、私共に敬語は必要ありません」
あ……でも……
「貴方は、俺の妻になる。他の者に示しがつかないだろう?」
「は…い、そうですね。気を付けま…付けるわ」
「ああ」
レオン様は、私の頭を撫でて「よく出来ました」と言って部屋を出て行きました。
レオン様は、口数が少ないお方ですけれど、スキンシップは多いと思います。
なんの躊躇もなく、私に触れて下さるのがとても嬉しい。
それに、ここの使用人の皆さんも私なんかの相手を嫌がることなく、仕えて下さる。
とても、嬉しくて幸せな事です。
なのに……
まさか、妹と元婚約者が屋敷を訪ねて来るなんて……思ってませんでした。
高い塀に囲まれた街……塀の各所には、監視する騎士の方が立っています。
街の中の建物も、景観よりも襲撃に備えたしっかりした造りになってるみたいです。
沿道には多くの人が集まっていて、私が乗った馬車を歓迎してるみたいです。一人の少女が、手に持ったバスケットから花を取り出すと放り投げた。投げた花は空を舞い、とても綺麗でした。
やはり、ディルグバーグ辺境伯様は王都で噂になってるような方では無さそうです。騎士の方と接した時にも思いましたが、こんなにも皆に慕われているのですから。
そんな素晴らしいお方に、私なんかを押し付ける形で結婚する事になって申し訳ないです。
屋敷の前、金の髪を靡かせて立つディルグバーグ辺境伯様がいた。多くの使用人を後ろに従えて……
馬車が彼の前に止まり、ドアが開かれる。
騎士の方が、降ろしに来てくれるのを待っていました。
でも誰も来なくて、代わりに……
ディルグバーグ辺境伯様が中に入ってきて、私の背に手を添えて抱き上げて下さいました。
ゆっくりと馬車を降りると、使用人の皆さんが顔を上げて「ようこそ、おいで下さいました。リシア様」と言って下さいました。
ユリア以外で、丁寧に扱ってもらった事がないので緊張してしまいました。
固まった私を見て、ディルグバーグ辺境伯様は「どうした?」と声を掛けて下さり、私は首を振って「何でもないです」と答えました。
それより、なぜ私は辺境伯様に抱え上げられてるんでしょうか?私の事情をご存知なのでしょうか?
「あの?…ディルグバーグ辺境伯様……」
「貴方は…歩けないと聞いた」
どうして……と続く言葉は、辺境伯様の言葉に遮られました。素っ気ないお言葉でしたが、私を抱く手は優しく壊れ物を扱う様に慎重でした。
その状態のまま屋敷に入り、応接間に通されるとソファにおろして下さいました。
そして、横に置いてあった毛布を私の膝にかけて下さいました。
(なんて優しい方なの……)
こんなお方が、血濡れの悪魔などと呼ばれているなんて……戦争から帰ってきた時の姿を言ってるのでしょうけど…
レオンハルト・ディルグバーグ辺境伯様は、戦争終結時に敵将の首を国に持ち帰って来ました。鎧に刻まれた多くの傷跡は、私達を守る為に必死で戦ってくれた証。なのに、お父様や多くの貴族は彼の事を非難しました。
血濡れの悪魔……殺人狂、殺しが趣味などと。国王陛下が彼を侮辱した者は処罰すると、お触れを出してからは表立って非難するものは居なくなりました。ですがお父様達は、影で彼を非難し続けました。
怪我をして社交界に出れなくなる前までは、お茶会などで令嬢達の話題にもよく上ってました。
ディルグバーグ辺境伯様は、私をジッと見つめてきた。見つめられると、何だか……落ち着きません。
「貴方の名前は、リシア・スタリオンで問題ないか?」
「はい、そうですわ」
「貴方は、俺との結婚に反対しなかったのか?」
「え?」
ディルグバーグ様は、私が結婚を反対すると思っていたそうです。自分の噂を知っているだろう?と……
私は……むしろ、私なんかを押し付けられたディルグバーグ様が嫌がると思ったのですが…
「ディルグバーグ様こそ、私なんかを押し付けられて迷惑してるんじゃありませんか?私に遠慮せずにはっきりと言って下さって構いませんよ」
「俺は迷惑なんてしてない」
ディルグバーグ様は、真剣な目と声でハッキリと「迷惑はしてない」と言って下さいましま。
「それから、俺の事はレオンでいい」
「レオン……様、ですか……?」
ディルグバーグ様は、愛称で呼ぶ許可を下さいました。
「それから……」
「はい?」
「私なんかと、言うな」
「っ?!」
「貴方は、素敵な女性だ。自分を必要以上に卑下する必要は無い」
「ですが……」
「貴方を護衛していた者達から、話は聞いている。自分の事は後回しに、騎士達に気を遣ってくれたそうだな。安い宿で泊まる事になっても文句1つ言わなかったとか」
それは……当たり前です。
私なんかが高い宿に泊まるなど、あってはならないのだから……
「……」
「貴方は……」
レオン様は言いかけて、口をつぐみました。
そして、立ち上がると私の元にやってきて抱き上げました。
「話は明日にしましょう、貴方には休息が必要です」
「え?」
「貴方が、俺との結婚に抵抗がないのなら良かった」
レオン様は、安堵したような笑顔を私に向けてくれる。
でも、私は……
「ごめんなさい、私は……」
「言ったはずだ。騎士から話は聞いている、と」
私が何か言う前に、レオン様は騎士から話を聞いていると言いました。それは……私が、スワード様に話した内容を言っているのでしょうか…
私なんかを娶る理由が、レオン様には無いのでは?と言った言葉を。
私なんかと結婚しても、レオン様には得られるものが何も無いと言った言葉を。
私なんかと結婚しても、子供は望めないから止めた方がと言った言葉を?
「私は……」
「俺は、貴方と結婚する。だが、貴方が本気で拒否するならば諦めよう」
そんなっ?!
私なんかが貴方を拒否するなんて……!私なんかには、勿体ないお方なのにっ!
「レオン様は、私には勿体ないぐらい素敵なお方です」
「そうか」
レオン様は嬉しそうに笑い、私を部屋に運んで下さいました。
「今は客室を使ってくれ。結婚したら、部屋は隣同士で寝室は一緒になる」
「は、はい」
案内された客室は、無駄なものが一切ない落ち着いた感じの部屋だった。
更に床はフローリングで、絨毯は敷かれて無かった。
「貴方の事を聞いて急遽外した」
私が思っていた事を言い当てられて、びっくりしてしまいました。
「貴方は、結構顔に出る」
「そ、そうですか……」
うう、恥ずかしいっ!
レオン様が言うには、私が車椅子で移動すると騎士に聞いてから直ぐに、メイドさん達に指示し絨毯を外し要らなさそうな家具も退かしたと。
「これなら、部屋の中の移動には困らないか?」
「はい、ありがとうございます」
「貴方の侍女も隣の部屋に用意しておいた。俺の屋敷の者に、貴方の世話での注意事項を聞かせてやって欲しい」
ユリアは、「はい、もちろんです」と答えた。ここに来るまで、緊張した顔が今は安らいでいます。
「それから……何か困ったら、このベルを2回鳴らすんだ。すると、セバスが駆け付ける」
1人の執事が前に出て、お辞儀をした。
この方は、先程屋敷の前でレオン様の後ろに控えていたお方…
「セバスです。リシア様にお仕え出来て光栄です。よろしくお願い致します」
「あ、私こそ、よろしくお願い致します」
「リシア様、私共に敬語は必要ありません」
あ……でも……
「貴方は、俺の妻になる。他の者に示しがつかないだろう?」
「は…い、そうですね。気を付けま…付けるわ」
「ああ」
レオン様は、私の頭を撫でて「よく出来ました」と言って部屋を出て行きました。
レオン様は、口数が少ないお方ですけれど、スキンシップは多いと思います。
なんの躊躇もなく、私に触れて下さるのがとても嬉しい。
それに、ここの使用人の皆さんも私なんかの相手を嫌がることなく、仕えて下さる。
とても、嬉しくて幸せな事です。
なのに……
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