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私達の愛の形 (後)
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ある日の事です。
ご子息のカウェル様が、部屋に来られました。とても嬉しそうに、私の手を取り連れて行きます。
「どこにいくのですか?」と、問うてもニコニコ微笑むだけで、何も教えてくれません。
そして、辿り着いた場所は…………
教会……?
中に入ると奥様が待っていて、「さぁ!行くわよ」と言って私の手を取りました。
右手をカウェル様が、左手を奥様が持ち2人がかりで教会の奥の部屋に連れて行かれました。
部屋の中に入り、私の目に飛び込んできたのは……ドレス。
純白の……ふんわりした綺麗なドレス。
ウェディングドレスだった……
「なぜ……?」
奥様が結婚式の時に着たドレスではありません。見た事のないドレスでした。
「さぁ、メルヴィア!このドレスを着てちょうだい。皆準備して!」
奥様が声を張り上げると、どこに居たのか公爵家の侍女が勢揃いで集まってきました。
訳が分からず、ぼーっとしてた私をテキパキと着替えさせ化粧を施していく侍女たち。
アクセサリーは、公爵様の瞳と同じ深い青色のサファイアのピアスを。ネックレスは、パールでした。
(こんな、最高級品……私には不釣り合いだわ)
姿見の前に立たされ、髪をセットしていく侍女を見ながら満足気に頷く奥様。
「奥様……これは?」
「メルヴィア!」
「はい」
「私の事は、カチュアと読んで!」
「……出来ません、奥様を呼び捨てるなど」
「ふふーん、これからは同じ立場になるのよ、メルヴィア」
どういう意味?
いや、ウェディングドレス着せられてるのだもの……誰かと結婚させられるのね。
独り身の私を哀れに思ったのかしら……
大きなお世話ね……
でも、旦那様を諦めるいい口実かもしれないわ。
「さ、行きましょ」
「行ってらっしゃいませ」
部屋を出る時、侍女が一斉に頭を下げる。
「行ってくるわ」
奥様が元気よく返事をして、カウェル様と私を再び連れて行く。
ヴェールを被り、教会の入り口に立つと隣に誰かが立った。
私の旦那様になる人?
誰なのかしら…………
チラッと見ようとしたけど、中から声が掛かって見ることは叶わなかった。
(誰か見ておきたかったわ……)
隣の人が私に腕を差し出す。
私はその方の腕に手を絡ませ、歩き出す。
一歩2歩と、静かにゆっくりと歩んでくれる。
(ああ、これがリオヴェル様だったなら……)
叶わぬ願いが脳裏を掠める。
司祭の前に辿り着き、周りの人が立ち上がって賛美歌を歌い始めた。
奥様の家族の方、旦那様の家族の方……お2人をよく知る友人……?
なぜ、皆……知ってる方々なの?
私の旦那様になる方の家族は……?
どういうこと?
司祭様が聖書を読み上げ、誓いの場が近づく。そして私は、相手の名前を聞いて驚き固まることになった。
なぜ……
なぜ……?
「リオヴェル殿、貴方はメルヴィア殿を妻とし常に愛し、敬い、助け、変わること無く、病める時も健やかなる時も死がふたりを……」
司祭様が……旦那様に誓約を……?
私が……旦那様と?
なぜ?だって、旦那様には、奥様が……
どういうこと?
なにが……
なぜ、なにが、どうなって……混乱が頭の中で渦を巻き私は……目が回りそうになる。
それを、隣の人が支えてくれる。
「誓いますか?」
司祭様が最後の言葉を言った。
「誓います」
隣の人が誓いを口にする。
バッと初めて顔を上げ、その人を見る。
やっぱり
旦那様……
なぜ……なの?
「メルヴィア殿……」
司祭様の声が遠くて聞き取れない。
声が……息が止まる。
長いこと、見つめてしまった。
「死がふたりを分かつ時まで、命の限り愛すことを誓いますか?」
……
「…………」
フルフル首を振る……
出来るはずがない……何を言ってるの?
旦那様には、愛する奥様が……
ゲスト席を見ると、奥様が親指を立ててニッコリと笑ってて……口を動かしていた。
『貴方も幸せになっていいの』と。
「メルヴィア」
旦那様が呼ぶ。
私も幸せに……?
目に涙が浮かぶ……。
「メルヴィア」
もう一度、私の名を呼ぶ。
「あ……私は……」
「良いのよ!幸せになれば!3人で一緒に幸せになりましょう?!メルヴィア」
奥様の声が……
3人で……?
『私は、リオヴェル様もカチュア様も大切です。3人一緒に、何時までも笑っていられたら幸せですのに……』
脳裏に過ぎるのは、学生時代に交わした何気ない言葉。
「私は、カチュアを愛してる」
「……」
「でもメルヴィア
私は君の事も、同じ位に愛してる」
……っ!
ああ、私も……本当に愛してるの……
愛してるのよ……
許されるのなら……愛したいの貴方のことを
「わたし……も」
リオヴェル様の目が優しく細められる。
「ちか…いま……す」
誓いの言葉を伝えれば、リオヴェル様が私の手を取り指輪を嵌めてくれる。
そして、リオヴェル様の薬指にあった指輪が台の上に乗せられてて……私はそれを、震える指で受け取り旦那様の薬指に嵌めた。
そして、リオヴェル様の手がヴェールに伸ばされる。
私は反射的に目を瞑り……再び開けた時には目の前にリオヴェル様の顔があって。
私の顔は真っ赤に染まってしまう。
リオヴェル様は、クスリと笑って私の頬に手を添え上を向かせる。
近付く顔、リオヴェル様の髪が頬にかかり唇にキスされた。
深く……長く。
「愛してる、メルヴィア」
あの後、私は、皆に、問い詰めたの。
どういう事なのかって……そしたら……
私が自殺しようとするずっと前から、準備してたんですって。
旦那様が結婚後、奥様に全て打ち明けていたんですって……私の事を。
奥様も、そんな気はしてたらしくて…
ずっと3人で居たから、どちらかを選ぶ事が出来なかったのですって……
私を助けてくださる前から、準備してたと聞いて驚きましたわ。
両家族、友人、国王、全てを説得するのに時間がかかったそうです。
私が自殺しようとしたあの時も、まだ説得中だったそうです。国王夫妻の説得のみだったと。
国王以外で、第2夫人を得ることは不可能でした。『愛人ではダメなのか?』と言われてたそうです。
でも2人とも、『それでは意味が無いの』と反論してたそうです。
私が自殺しようとして、私が残した手紙を読んで、考えを改めたそうです。王妃様に聞きました。
そして、陛下の許可がおり直ぐに結婚式を上げたそうです。旦那様も、奥様も無駄に行動力がありすぎます。
私は、少しだけ表情が顔に出るようになりました。笑顔が増えたね?とよく言われるからです。カウェル様も、私に懐いて下さいます。
最近は、奥様のお手伝いや、カウェル様のお相手をさせて頂いてます。
そうそう、私が今も尚、旦那様、奥様呼びをするので、とても不機嫌です……2人とも。
でも、呼び捨ては出来ません……慣れませんから。
でも何時か、リオヴェル様、カチュア様と呼べる日が来る……かも知れません。
旦那様を中心に、私達は左右に立ち、カウェルは旦那様が抱き上げ写真を撮りました。
皆が皆幸せな笑顔を浮かべてます。
これが、私達の愛の形。
これからも、第2夫人として、旦那様と奥様を支えて行きたく思います。
~完~
ご子息のカウェル様が、部屋に来られました。とても嬉しそうに、私の手を取り連れて行きます。
「どこにいくのですか?」と、問うてもニコニコ微笑むだけで、何も教えてくれません。
そして、辿り着いた場所は…………
教会……?
中に入ると奥様が待っていて、「さぁ!行くわよ」と言って私の手を取りました。
右手をカウェル様が、左手を奥様が持ち2人がかりで教会の奥の部屋に連れて行かれました。
部屋の中に入り、私の目に飛び込んできたのは……ドレス。
純白の……ふんわりした綺麗なドレス。
ウェディングドレスだった……
「なぜ……?」
奥様が結婚式の時に着たドレスではありません。見た事のないドレスでした。
「さぁ、メルヴィア!このドレスを着てちょうだい。皆準備して!」
奥様が声を張り上げると、どこに居たのか公爵家の侍女が勢揃いで集まってきました。
訳が分からず、ぼーっとしてた私をテキパキと着替えさせ化粧を施していく侍女たち。
アクセサリーは、公爵様の瞳と同じ深い青色のサファイアのピアスを。ネックレスは、パールでした。
(こんな、最高級品……私には不釣り合いだわ)
姿見の前に立たされ、髪をセットしていく侍女を見ながら満足気に頷く奥様。
「奥様……これは?」
「メルヴィア!」
「はい」
「私の事は、カチュアと読んで!」
「……出来ません、奥様を呼び捨てるなど」
「ふふーん、これからは同じ立場になるのよ、メルヴィア」
どういう意味?
いや、ウェディングドレス着せられてるのだもの……誰かと結婚させられるのね。
独り身の私を哀れに思ったのかしら……
大きなお世話ね……
でも、旦那様を諦めるいい口実かもしれないわ。
「さ、行きましょ」
「行ってらっしゃいませ」
部屋を出る時、侍女が一斉に頭を下げる。
「行ってくるわ」
奥様が元気よく返事をして、カウェル様と私を再び連れて行く。
ヴェールを被り、教会の入り口に立つと隣に誰かが立った。
私の旦那様になる人?
誰なのかしら…………
チラッと見ようとしたけど、中から声が掛かって見ることは叶わなかった。
(誰か見ておきたかったわ……)
隣の人が私に腕を差し出す。
私はその方の腕に手を絡ませ、歩き出す。
一歩2歩と、静かにゆっくりと歩んでくれる。
(ああ、これがリオヴェル様だったなら……)
叶わぬ願いが脳裏を掠める。
司祭の前に辿り着き、周りの人が立ち上がって賛美歌を歌い始めた。
奥様の家族の方、旦那様の家族の方……お2人をよく知る友人……?
なぜ、皆……知ってる方々なの?
私の旦那様になる方の家族は……?
どういうこと?
司祭様が聖書を読み上げ、誓いの場が近づく。そして私は、相手の名前を聞いて驚き固まることになった。
なぜ……
なぜ……?
「リオヴェル殿、貴方はメルヴィア殿を妻とし常に愛し、敬い、助け、変わること無く、病める時も健やかなる時も死がふたりを……」
司祭様が……旦那様に誓約を……?
私が……旦那様と?
なぜ?だって、旦那様には、奥様が……
どういうこと?
なにが……
なぜ、なにが、どうなって……混乱が頭の中で渦を巻き私は……目が回りそうになる。
それを、隣の人が支えてくれる。
「誓いますか?」
司祭様が最後の言葉を言った。
「誓います」
隣の人が誓いを口にする。
バッと初めて顔を上げ、その人を見る。
やっぱり
旦那様……
なぜ……なの?
「メルヴィア殿……」
司祭様の声が遠くて聞き取れない。
声が……息が止まる。
長いこと、見つめてしまった。
「死がふたりを分かつ時まで、命の限り愛すことを誓いますか?」
……
「…………」
フルフル首を振る……
出来るはずがない……何を言ってるの?
旦那様には、愛する奥様が……
ゲスト席を見ると、奥様が親指を立ててニッコリと笑ってて……口を動かしていた。
『貴方も幸せになっていいの』と。
「メルヴィア」
旦那様が呼ぶ。
私も幸せに……?
目に涙が浮かぶ……。
「メルヴィア」
もう一度、私の名を呼ぶ。
「あ……私は……」
「良いのよ!幸せになれば!3人で一緒に幸せになりましょう?!メルヴィア」
奥様の声が……
3人で……?
『私は、リオヴェル様もカチュア様も大切です。3人一緒に、何時までも笑っていられたら幸せですのに……』
脳裏に過ぎるのは、学生時代に交わした何気ない言葉。
「私は、カチュアを愛してる」
「……」
「でもメルヴィア
私は君の事も、同じ位に愛してる」
……っ!
ああ、私も……本当に愛してるの……
愛してるのよ……
許されるのなら……愛したいの貴方のことを
「わたし……も」
リオヴェル様の目が優しく細められる。
「ちか…いま……す」
誓いの言葉を伝えれば、リオヴェル様が私の手を取り指輪を嵌めてくれる。
そして、リオヴェル様の薬指にあった指輪が台の上に乗せられてて……私はそれを、震える指で受け取り旦那様の薬指に嵌めた。
そして、リオヴェル様の手がヴェールに伸ばされる。
私は反射的に目を瞑り……再び開けた時には目の前にリオヴェル様の顔があって。
私の顔は真っ赤に染まってしまう。
リオヴェル様は、クスリと笑って私の頬に手を添え上を向かせる。
近付く顔、リオヴェル様の髪が頬にかかり唇にキスされた。
深く……長く。
「愛してる、メルヴィア」
あの後、私は、皆に、問い詰めたの。
どういう事なのかって……そしたら……
私が自殺しようとするずっと前から、準備してたんですって。
旦那様が結婚後、奥様に全て打ち明けていたんですって……私の事を。
奥様も、そんな気はしてたらしくて…
ずっと3人で居たから、どちらかを選ぶ事が出来なかったのですって……
私を助けてくださる前から、準備してたと聞いて驚きましたわ。
両家族、友人、国王、全てを説得するのに時間がかかったそうです。
私が自殺しようとしたあの時も、まだ説得中だったそうです。国王夫妻の説得のみだったと。
国王以外で、第2夫人を得ることは不可能でした。『愛人ではダメなのか?』と言われてたそうです。
でも2人とも、『それでは意味が無いの』と反論してたそうです。
私が自殺しようとして、私が残した手紙を読んで、考えを改めたそうです。王妃様に聞きました。
そして、陛下の許可がおり直ぐに結婚式を上げたそうです。旦那様も、奥様も無駄に行動力がありすぎます。
私は、少しだけ表情が顔に出るようになりました。笑顔が増えたね?とよく言われるからです。カウェル様も、私に懐いて下さいます。
最近は、奥様のお手伝いや、カウェル様のお相手をさせて頂いてます。
そうそう、私が今も尚、旦那様、奥様呼びをするので、とても不機嫌です……2人とも。
でも、呼び捨ては出来ません……慣れませんから。
でも何時か、リオヴェル様、カチュア様と呼べる日が来る……かも知れません。
旦那様を中心に、私達は左右に立ち、カウェルは旦那様が抱き上げ写真を撮りました。
皆が皆幸せな笑顔を浮かべてます。
これが、私達の愛の形。
これからも、第2夫人として、旦那様と奥様を支えて行きたく思います。
~完~
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