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結婚式②
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事件は突然やって来るものだ。
それがイシフェルド帝国なら、尚のこと…
私は、いま、目の前で起こっている事に少し……いや大分?驚き、更には感動も感じています。目の前で、殿下や陛下の剣技を見る事が出来て。
「大丈夫よ、陛下と息子に任せておきなさい」
皇后へぃ……いえ、お義母様が私の肩を抱きながら、クレイド様の方を見て微笑んでいる。この状況で、微笑まれているのも凄いと思います。
剣と剣がぶつかり合うような金属音が至る所で聞こえ、クレイド様が身の丈ほどもある大剣を軽々と振り回し敵を倒している。陛下の剣は変わった形をしています。曲がっていて、曲刀と呼ばれる物だそうです。
まるで踊るように戦っていました。
(やっぱり凄い…)
無駄のない動き、次々と敵は現れるのに誰1人怪我を負わない………ある2人を除いて。
「どうして……私がこんな目に…ぅぐ」
「おいっ!早く助けろよっ。……くそっ、俺はブシード王国の王子だぞっ!この俺様にこんな事して、只で…むぐっ」
逃げ遅れた……いえ、誰1人助けようとしなかったために、取り残された2人が敵に捕まりました。
黒ずくめの屈強な男に囚われてるのにも関わらず、好き放題叫ぶから敵に殴られるんですよ、カルド様。捕まったなら大人しくしてて下さい。
なぜ、こんな事になっているのか……と言えば……
時間は1時間ほど前に遡る。
───
父と共にバージンロードを歩き、途中からクレイド様の手を取って神父様の前まで行った。
神父様が聖書を読み、誓いの言葉をお互いに言った。
「汝、クレイド・イシフェルドは、彼の者キサラ・ディオンドルを生涯愛し、守り、生き抜く事を誓いますか」
「誓おう」
「汝、キサラ・ディオンドルは、彼の者クレイド・イシフェルドを生涯愛し、守り、生き抜く事を誓いますか」
「誓います」
つ、次は誓いの……キスですよね…!
大丈夫、出来るわ!恥ずかしいけど……っ
クレイド様の手が、ベールに伸ばされる。
私は真っ赤な顔を隠すように俯いて……ベールが上げられる。
クレイド様の手は私の顎に添えられて、ゆっくりと上向かされ私は横に視線をずらした。
(クレイド様の顔を見れませんっ)
「俺を見てはくれぬのか?」
「恥ずか…しくて」
「こっちを向け、キサラ」
視線をクレイド様に戻すと、彼は口の端を上げて微かに笑い、私の唇に自身の唇を落とした。
ゆっくりと味わうように、長い長い口付け…
そこに聞こえる舌打ち……
(舌打ち?!)
舌打ちが聞こえた方に視線を向ければ、カルド様が憎々しげに私達を見ていた。
何であんなに不機嫌そうなのかは、分からないけれど……私が気に入らないのは、分かる。
私の注意が、カルド様に向けられたのがダメだったのだろう、クレイド様が微かに開いた私の口の中に素早く舌を差し入れた。
「んむ……」
口内を掻き混ぜるように動く舌。
足に力が入らなくなる頃、私はクレイド様から開放された。
潤んだ瞳でクレイド様を睨みつけると、彼は自身の唇を舌なめずりしてニヤッと笑った。
「俺以外の男を気にするからだ」
「なっ?!」
そして、イシフェルド帝国伝統の儀式…
剣の交換。
私の持つ短剣と、クレイド様の持つ短剣を交換し、それぞれの剣で指を切り血の交換を行う。
交換という言い方はおかしいかな?
聖水にそれぞれの血を垂らし、相手に飲ませるの。
普通に聖杯に口つけて飲めばいいと思うのに……クレイド様は自分の血の入った聖杯に口つけて、私に飲ませてきましたっ!
そして私に、同じようにするよう強要したんですっ!
すっごく、恥ずかしかったんですからっ!
因みに、ブシード王国も昔は剣の交換を行ってたんだけど、いつの間にか剣ではく指輪になり血の交換もしなくなったそうです。
……今になって思いますが、カルド様と誓いのキスをしなくて済んで、心底ホットしています。
そして、儀式が終わる頃に事件は起きました。
天井から、けたたましい音が響き渡りました。全身黒ずくめの人間が数人降りてきて、私達に襲いかかってきたんです。
もちろんそれだけじゃなく、入り口の方からも敵と思しき者達が乱入してきていました。
会場は、阿鼻叫喚……になることは無く、落ち着いて人々は避難していました。
騎士の方が迅速に誘導し、クレイド様と陛下……父様や兄様が敵と対峙していました。
私は皇后陛下に守られ、神父様と共に後方に待機しています。……クレイド様に続いて前に出ようとしたら、止められたんです。
今日は、守られていれば良いんだそうです。
でも、……この状況下でも、守られていない者達が2人……
「おいっ!誰か俺様を守れっ!」
「助けてくださぁい、あっ!クレイドさまぁ!助けてぇっ!」
カルド様は相変わらず命令口調で、メイシャはなんと、クレイド様に助けを求めました。
驚きです……メイシャは、カルド様の事が好きだったのでは?先程まで、カルド様と仲良くイチャイチャしていたではありませんか……
一方でカルド様と言えば……
「おい!キサラっ!何してる?!俺を守れ!お前の仕事だろうがっ」
え?違います。
私に命令しても、もう殿下の護衛ではありませんので助ける理由はありません。
「図々しいわねぇ、死なない程度に守ってあげるわよ」
と、私の傍を離れずにお義母様は言ってのけました。
そのお義母様ですが……
先程から、薙刀の扱いが上手いです。
薙刀は、槍に似た武器なのですが……ブシード王国には無い武器です。……そこはやはり、イシフェルド帝国と言うべきですね。
それで私達に近づく敵ですが、クレイド様と陛下が倒して下さっていますが、それでも抜けて来た者はお義母様によって切って捨てられています。
いざという時は、私も参戦しましょう。
流石に大立ち回りは出来ませんが、投擲位は出来ますよっ!
「動くなっ!!」
私が、参戦の準備で隠し武器を取り出そうとしたところで、黒ずくめの屈強な男が叫んだ。その声に、騎士やクレイド様達の視線が男に集中する。
「こいつらが、どうなってもいいのか?!!」
叫ぶ男の傍で、ボロボロになった男女が2人……いつの間に捕まったのでしょうか?
「カルド様とメイシャ様?」
「ふむ、やはり誰も助けなかったんだな」
クレイド様が小さく呟きますが、私には聞こえてますよ。私が聞こえてる事くらい承知なのでしょうね。彼は振り向き、笑ったのですから。
えっと、仮にも王子だし……助けないと。
父様や兄様は何して……
あっ、居ました。
避難した、招待客を守ってますね。2人とも動こうとしないですけど……良いんですか?!自国の王子ですよ?!
私と目が合った兄様が、微かに口を動かします。え?何でしょう?
﹣お し お き﹣?
﹣へ い か の き ょ か も あ る﹣?
隣で父様も同じように、口が動きます。口の動きが止まると二人は、満面の笑みで終わらせた。
お仕置?
陛下の許可もある?
えーー?!!
大怪我したらどうするんですか?!
「クレイド様、助けないのですか?」
「ん?なぜ助ける必要がある」
クレイド様が後ろに下がった時に、カルド様を助けないの?と聞いたら、逆に助ける必要があるのか?と聞き返されました。
一瞬の間の後、クレイド様や陛下達は、余裕な顔で近付いてくる男達を再び攻撃し始めました。
呆然とする、屈強な男。
同じく呆然とする、カルド様とメイシャ様。
「は?おい!なぜ、攻撃する?!俺達を見殺しにするつもりかっ!?」
「いやぁー、助けてぇ!」
そして、再び叫び出す2人。
その叫びに反応することなく、騎士も鎮圧の為に戦い始め……気が付けば、屈強な男1人が残されていた。
「それ以上、近付けばコイツらを殺すぞ?」
その言葉に、クレイド様は1度止まり考えますが、また歩きだしました。
「おいっ!本当に殺すぞっ!?良いのか!」
「構わぬ」
「は?」
「え?」
「はぁ?!」
クレイド様の言葉に、3人は同じ反応をする。
「構わぬと言った。そいつらがどうなろうと、俺には関係ない」
「はぁ?!俺は王子だぞ!!」
「だから何だ。俺の妃にあれだけの事をしておいて、助けて貰えると思ってる方が間違っている」
違うか?とクレイド様はカルド様に言いました。でも、カルド様は自分の非を認めないお方です。まぁ、私に関しては非があるとさえ思ってないと思います…だから……
「はぁ?!なんで、ここで!筋肉女が出てくるんだよっ!」
……彼にとって、私はその程度という事ですね。ちょっと悲しくなりますね……あんなのに、私の10年は注ぎ込まれていたかと思うと…。
・
・
・
その後、どうなったかと言えば…
クレイド様が、敵の首領と思しき屈強な男を倒し捕まえました。
カルド様は、いくつかの骨が折れてるとは思いますが死んではいません。
メイシャ様も、死んではいませんが……顔と胸に大きな傷が出来ていました。
胸元が大きく開いたドレスを来てくるからですよ……。
イシフェルド帝国の人達はみな、露出をしている者は戦える者、戦えない者は露出を避けてパーティに参加するのですよ…覚えておいた方が良いですよ?メイシャ様?
まぁ、傷が残ると聞きますから、もうパーティには参加しないかも知れませんね。
そう言えば、そのメイシャですが……
傷ができた責任を取ってと、クレイド様に言い寄っていました。
もちろん聞く耳を持たないクレイド様は、メイシャに触れることなく従者に命じ、ブシード王国に向かう馬車の中に放り込んでいましたよ。
父様と兄様が責任持って連れ帰るそうです。
これからも、こう言ったことが何度もあるかと思いますが……クレイド様の隣に立って戦える事を、誇りに思います。
軍人の家に生まれたことを、いま、凄く感謝しています。
あの時、カルド様に婚約破棄されて、クレイド様に会ったのは奇跡なんじゃないかって思うの。
だってそうじゃなかったら今頃、私は婚約破棄されて、誰にも愛されず一生を1人で生きていったでしょうから……ね。
──────
う~ん、結局長くなりました(*ᴗˬᴗ)⁾
次の話で完結になります。
クレイドとキサラのその後とブシード王国のその後を書いたお話になります。
よろしくお願いします。
それがイシフェルド帝国なら、尚のこと…
私は、いま、目の前で起こっている事に少し……いや大分?驚き、更には感動も感じています。目の前で、殿下や陛下の剣技を見る事が出来て。
「大丈夫よ、陛下と息子に任せておきなさい」
皇后へぃ……いえ、お義母様が私の肩を抱きながら、クレイド様の方を見て微笑んでいる。この状況で、微笑まれているのも凄いと思います。
剣と剣がぶつかり合うような金属音が至る所で聞こえ、クレイド様が身の丈ほどもある大剣を軽々と振り回し敵を倒している。陛下の剣は変わった形をしています。曲がっていて、曲刀と呼ばれる物だそうです。
まるで踊るように戦っていました。
(やっぱり凄い…)
無駄のない動き、次々と敵は現れるのに誰1人怪我を負わない………ある2人を除いて。
「どうして……私がこんな目に…ぅぐ」
「おいっ!早く助けろよっ。……くそっ、俺はブシード王国の王子だぞっ!この俺様にこんな事して、只で…むぐっ」
逃げ遅れた……いえ、誰1人助けようとしなかったために、取り残された2人が敵に捕まりました。
黒ずくめの屈強な男に囚われてるのにも関わらず、好き放題叫ぶから敵に殴られるんですよ、カルド様。捕まったなら大人しくしてて下さい。
なぜ、こんな事になっているのか……と言えば……
時間は1時間ほど前に遡る。
───
父と共にバージンロードを歩き、途中からクレイド様の手を取って神父様の前まで行った。
神父様が聖書を読み、誓いの言葉をお互いに言った。
「汝、クレイド・イシフェルドは、彼の者キサラ・ディオンドルを生涯愛し、守り、生き抜く事を誓いますか」
「誓おう」
「汝、キサラ・ディオンドルは、彼の者クレイド・イシフェルドを生涯愛し、守り、生き抜く事を誓いますか」
「誓います」
つ、次は誓いの……キスですよね…!
大丈夫、出来るわ!恥ずかしいけど……っ
クレイド様の手が、ベールに伸ばされる。
私は真っ赤な顔を隠すように俯いて……ベールが上げられる。
クレイド様の手は私の顎に添えられて、ゆっくりと上向かされ私は横に視線をずらした。
(クレイド様の顔を見れませんっ)
「俺を見てはくれぬのか?」
「恥ずか…しくて」
「こっちを向け、キサラ」
視線をクレイド様に戻すと、彼は口の端を上げて微かに笑い、私の唇に自身の唇を落とした。
ゆっくりと味わうように、長い長い口付け…
そこに聞こえる舌打ち……
(舌打ち?!)
舌打ちが聞こえた方に視線を向ければ、カルド様が憎々しげに私達を見ていた。
何であんなに不機嫌そうなのかは、分からないけれど……私が気に入らないのは、分かる。
私の注意が、カルド様に向けられたのがダメだったのだろう、クレイド様が微かに開いた私の口の中に素早く舌を差し入れた。
「んむ……」
口内を掻き混ぜるように動く舌。
足に力が入らなくなる頃、私はクレイド様から開放された。
潤んだ瞳でクレイド様を睨みつけると、彼は自身の唇を舌なめずりしてニヤッと笑った。
「俺以外の男を気にするからだ」
「なっ?!」
そして、イシフェルド帝国伝統の儀式…
剣の交換。
私の持つ短剣と、クレイド様の持つ短剣を交換し、それぞれの剣で指を切り血の交換を行う。
交換という言い方はおかしいかな?
聖水にそれぞれの血を垂らし、相手に飲ませるの。
普通に聖杯に口つけて飲めばいいと思うのに……クレイド様は自分の血の入った聖杯に口つけて、私に飲ませてきましたっ!
そして私に、同じようにするよう強要したんですっ!
すっごく、恥ずかしかったんですからっ!
因みに、ブシード王国も昔は剣の交換を行ってたんだけど、いつの間にか剣ではく指輪になり血の交換もしなくなったそうです。
……今になって思いますが、カルド様と誓いのキスをしなくて済んで、心底ホットしています。
そして、儀式が終わる頃に事件は起きました。
天井から、けたたましい音が響き渡りました。全身黒ずくめの人間が数人降りてきて、私達に襲いかかってきたんです。
もちろんそれだけじゃなく、入り口の方からも敵と思しき者達が乱入してきていました。
会場は、阿鼻叫喚……になることは無く、落ち着いて人々は避難していました。
騎士の方が迅速に誘導し、クレイド様と陛下……父様や兄様が敵と対峙していました。
私は皇后陛下に守られ、神父様と共に後方に待機しています。……クレイド様に続いて前に出ようとしたら、止められたんです。
今日は、守られていれば良いんだそうです。
でも、……この状況下でも、守られていない者達が2人……
「おいっ!誰か俺様を守れっ!」
「助けてくださぁい、あっ!クレイドさまぁ!助けてぇっ!」
カルド様は相変わらず命令口調で、メイシャはなんと、クレイド様に助けを求めました。
驚きです……メイシャは、カルド様の事が好きだったのでは?先程まで、カルド様と仲良くイチャイチャしていたではありませんか……
一方でカルド様と言えば……
「おい!キサラっ!何してる?!俺を守れ!お前の仕事だろうがっ」
え?違います。
私に命令しても、もう殿下の護衛ではありませんので助ける理由はありません。
「図々しいわねぇ、死なない程度に守ってあげるわよ」
と、私の傍を離れずにお義母様は言ってのけました。
そのお義母様ですが……
先程から、薙刀の扱いが上手いです。
薙刀は、槍に似た武器なのですが……ブシード王国には無い武器です。……そこはやはり、イシフェルド帝国と言うべきですね。
それで私達に近づく敵ですが、クレイド様と陛下が倒して下さっていますが、それでも抜けて来た者はお義母様によって切って捨てられています。
いざという時は、私も参戦しましょう。
流石に大立ち回りは出来ませんが、投擲位は出来ますよっ!
「動くなっ!!」
私が、参戦の準備で隠し武器を取り出そうとしたところで、黒ずくめの屈強な男が叫んだ。その声に、騎士やクレイド様達の視線が男に集中する。
「こいつらが、どうなってもいいのか?!!」
叫ぶ男の傍で、ボロボロになった男女が2人……いつの間に捕まったのでしょうか?
「カルド様とメイシャ様?」
「ふむ、やはり誰も助けなかったんだな」
クレイド様が小さく呟きますが、私には聞こえてますよ。私が聞こえてる事くらい承知なのでしょうね。彼は振り向き、笑ったのですから。
えっと、仮にも王子だし……助けないと。
父様や兄様は何して……
あっ、居ました。
避難した、招待客を守ってますね。2人とも動こうとしないですけど……良いんですか?!自国の王子ですよ?!
私と目が合った兄様が、微かに口を動かします。え?何でしょう?
﹣お し お き﹣?
﹣へ い か の き ょ か も あ る﹣?
隣で父様も同じように、口が動きます。口の動きが止まると二人は、満面の笑みで終わらせた。
お仕置?
陛下の許可もある?
えーー?!!
大怪我したらどうするんですか?!
「クレイド様、助けないのですか?」
「ん?なぜ助ける必要がある」
クレイド様が後ろに下がった時に、カルド様を助けないの?と聞いたら、逆に助ける必要があるのか?と聞き返されました。
一瞬の間の後、クレイド様や陛下達は、余裕な顔で近付いてくる男達を再び攻撃し始めました。
呆然とする、屈強な男。
同じく呆然とする、カルド様とメイシャ様。
「は?おい!なぜ、攻撃する?!俺達を見殺しにするつもりかっ!?」
「いやぁー、助けてぇ!」
そして、再び叫び出す2人。
その叫びに反応することなく、騎士も鎮圧の為に戦い始め……気が付けば、屈強な男1人が残されていた。
「それ以上、近付けばコイツらを殺すぞ?」
その言葉に、クレイド様は1度止まり考えますが、また歩きだしました。
「おいっ!本当に殺すぞっ!?良いのか!」
「構わぬ」
「は?」
「え?」
「はぁ?!」
クレイド様の言葉に、3人は同じ反応をする。
「構わぬと言った。そいつらがどうなろうと、俺には関係ない」
「はぁ?!俺は王子だぞ!!」
「だから何だ。俺の妃にあれだけの事をしておいて、助けて貰えると思ってる方が間違っている」
違うか?とクレイド様はカルド様に言いました。でも、カルド様は自分の非を認めないお方です。まぁ、私に関しては非があるとさえ思ってないと思います…だから……
「はぁ?!なんで、ここで!筋肉女が出てくるんだよっ!」
……彼にとって、私はその程度という事ですね。ちょっと悲しくなりますね……あんなのに、私の10年は注ぎ込まれていたかと思うと…。
・
・
・
その後、どうなったかと言えば…
クレイド様が、敵の首領と思しき屈強な男を倒し捕まえました。
カルド様は、いくつかの骨が折れてるとは思いますが死んではいません。
メイシャ様も、死んではいませんが……顔と胸に大きな傷が出来ていました。
胸元が大きく開いたドレスを来てくるからですよ……。
イシフェルド帝国の人達はみな、露出をしている者は戦える者、戦えない者は露出を避けてパーティに参加するのですよ…覚えておいた方が良いですよ?メイシャ様?
まぁ、傷が残ると聞きますから、もうパーティには参加しないかも知れませんね。
そう言えば、そのメイシャですが……
傷ができた責任を取ってと、クレイド様に言い寄っていました。
もちろん聞く耳を持たないクレイド様は、メイシャに触れることなく従者に命じ、ブシード王国に向かう馬車の中に放り込んでいましたよ。
父様と兄様が責任持って連れ帰るそうです。
これからも、こう言ったことが何度もあるかと思いますが……クレイド様の隣に立って戦える事を、誇りに思います。
軍人の家に生まれたことを、いま、凄く感謝しています。
あの時、カルド様に婚約破棄されて、クレイド様に会ったのは奇跡なんじゃないかって思うの。
だってそうじゃなかったら今頃、私は婚約破棄されて、誰にも愛されず一生を1人で生きていったでしょうから……ね。
──────
う~ん、結局長くなりました(*ᴗˬᴗ)⁾
次の話で完結になります。
クレイドとキサラのその後とブシード王国のその後を書いたお話になります。
よろしくお願いします。
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