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婚約破棄だ!

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!貴様には失望したわ!令嬢でありながら、アルカに対する執拗なイジメは目に余る!貴様とは金輪際、関わりたくない!よって!貴様との婚約を破棄する!」
「え?」

学園の卒業式の終わりに、急に愛称で呼ばれ振り返ると、話した事は無い侯爵家の子息が居た。

と言うのも、最近私は学園に通ってなかったから。


いきなり婚約破棄を告げた彼は、テッド・エボルタ…彼の斜め後ろにいるのが、恐らくアルカという女性だと思われますけれど…

思われると言ったのは、こちらも話した事は無いから……。

2人の更に後ろに、
宰相のご子息 ルーイ・ニュクス
騎士団長のご子息 アルバス・バトラー
が居て……

それから、わたくしの弟……
3の クリスト・フォレストが居た。

「えっと……、どなたかと、間違えておりませんか?」

そう言うと、周りからクスクスと嘲笑する声が響く……わたくし、何か変な事言いましたかしら?

卒業式直後で、ここには学園の生徒しかいなく…(教師陣は既に退出した後)
その生徒も、下位の貴族が主だった。

本来なら、貴族なら誰もが知っている筈のミーシェを知っている者が、何故かこの場に1人も居なかった……否、知っている筈の第3王子クリストは、ミーシェに気付かなかった。

「惚けるな!!貴様の様な卑劣で愚かな女など!1人しか居るまい!」
「そうですよ!いい加減にしなさい!ここで貴方がした所業を言ってもいいのですよ?!」
「本当、最低だよ!アルカは、いつも辛い目に合ってたのに!健気にも耐えてたんだぞっ」

クリストまで、何を言っているのでしょうか?わたくしが、学園に居なかったのは知っているでしょうに…

「……クリスト?何を言ってますの?」
「貴様!クリスト王子を呼び捨てなど!何を考えている!?」

なぜ、怒られるのでしょうか?
弟を呼び捨てにして、何がいけないのでしょうか?

訳が分からず聞き返す。

「弟を呼び捨てにして、何が悪いの?」
「なっ!!貴様っ!なにを血迷ったことを!」
「僕の姉は隣国に嫁いでいる!お前……王族に嘘を着くとは、いい度胸だよね!?」
「こんな女……さっさと国外追放にすべきです」

眼鏡を押し上げ、わたくしをギロっと睨み、国外追放などと言う。

彼らは、わたくしが何者か分からないのでしょうか?クリストも、何を言ってるのかしら?自分の姉の顔も忘れたと言うの?

「??なぜ、わたくしが国外追放なのですか?」
「貴様!先程の話を……!」
「アルカと言う女性は、存じ上げません」
「なっ!言うに事欠いて……!知らないだと?!」
「わたくしは、ここ最近学園に通ってませんから」
「嘘をつくな!!」

嘘ではありませんのに……
どうしたらいいのでしょうか……

チラッと周りを見ると、ニヤニヤとした顔でわたくし達を見ている人達。
彼らは伯爵以下のご子息やご令嬢ですわね。

高位のご子息達なら、私の存在を知っているはずですもの。


わたくしは、ここ、フォレスト王国の第1王女で ミッシェル・フォレストです。

でも今は、ミッシェル・ロッドフォード…2年ほど前、隣国の王太子に見初められ婚約者になってから、伯爵家の養女になりました。

我が国では、他国に嫁ぐ王族は、王族籍から抜けるのが法律で決まっているからです。

隣国アクアフォードの王太子 セレスト・アクアフォード殿下と婚約し、隣国の歴史やマナーを学ぶため、学園をお休みしていたのです。

王国を上げて、お祝いをしたのが2年前…
そして今日、卒業と同時に隣国に嫁ぐのですけれど……

私は、この方とも婚約していたのでしょうか?目の前の男性を見つめますが、顔合わせなどしたでしょうか?……記憶にないのですけれど……?

お父様にも確認した方が良いのでしょうか?

「アルカを平民と馬鹿にし、更に先日は階段から突き落としたそうだな!階段下に倒れていたアルカをアルバスが見つけ、保健室に駆け込んだから大事には至らなかったが、一歩間違えたら死んでいたぞ!」
「存じ上げ……」
「言い訳は結構!貴様の様な女だと知っていれば、婚約などしなかったのだがな!」
「ですから……」
「貴様の様な性悪女は、この国から出ていけ!」
「……なんの権限があって……」
「僕は王族だよ?この事は父上にも報告するからね!」

……どうしたらいいのかしら?
まさか、クリストもわたくしの話を聞かないなんて……

周りも助けては下さらないようですし……

「わたくし……」
「全く、いつまで騒いでいる?夜会が始まる時刻だぞ」
「兄上!!」
「お兄様!」
 
わたくしとクリストの兄であり、王太子のアルベルト・フォレストが卒業式の会場に入って来た。

傍らには、アルバスの姉 ミネルバ・バトラーとルーイの妹 ローザ・ニュクスがいた。

「貴様!王太子殿下……っ!」

テッドがまた何かを言おうとしたけれど、お兄様に一瞥され黙った。

「姉上?どうしてこちらに?」
「ローザ、何をしている?」

アルバスとルーイに声をかけられた2人は、ニコッと微笑み……

ミネルバは、俯きながら弟であるアルバスにつかつかと歩み寄り、右手を振り上げた。
振り上げた手をギュッと握り、アルバスの頭に勢いよく振り下ろす。

「こっの!愚弟!貴様は、何をやっている!!この御方に、よもや暴言など吐いておらぬであろうな!」
「いってぇ!何をするんだ!?姉上!」

「お兄様?……何をしているんですの?まさか、お兄様ともあろうお方が、この御方をご存知ない……なんて言わないですわよね?」

魔王が降臨するんじゃないかと思う程に、黒く悪い笑みを浮かべ、ルーイに詰め寄るローザ。

2人は私の側近で、共に今日隣国に旅立つ2人でもある。……が、知らないですわよね、きっと。

「クリスト、お前は何をしているんだ、情けない。まさかお前は、私や父上の話を聞いてなかったのか?ミーシェの事を、何も知らないとは言わないよな?」
「あ、兄上?」

お兄様は厳しい目をクリストに向けた。
まさか、そんな目で見られるとは思ってなかったのか、クリストはしどろもどろになっていた。

アルベルトが来た事で、会場の空気は先程までのものと違い、重苦しいものに変わっていました。

そんな時です、テッド様が大きな声を上げたのは……

「王太子殿下!」
「なんだ?」

お兄様は、なんの感情も込めず、冷たい目でテッド様を見た。

たったそれだけで、勢いを無くしたテッド様だったが……アルカに袖を引っ張られ勇気づけられたのか、再び勢いを取り戻し、わたくしを指さしたのです。

「この女は、私の婚約者でありながら、アルカを苛め、殺人未遂までしたのです!よって、王家介入の元、処分を望みます!」

!!

王家介入って……我が国でそんな事をしたら……! 

貴族は、両家の話し合いで解決するのが仕来り……王家介入とは、両家の話し合いで解決しない場合と、不当な扱いを受けた者が訴える場合のみ採用される制度。
 
何も知らないのでしょうか?

王家が介入した場合、必ず王家直属の影(裏)と文官(表)で調査をする。処分が妥当であれば、即座に執行され、そうでなければ、訴え出た者が裁かれる。

王家介入は、無実を訴える者にとって……最後の砦と言われている。
当然ですわね…最高の調査員によって、徹底的に調べ上げられるのですから。

わたくしは無罪ですから……確実に、テッド様が裁かれる事になる。

「王家介入?ほぅ……お前は、それで良いのだな?ルーイ、アルバス、クリスト…、お前達も同じ意見だと?」
「「「「はい!あの悪女に処分を!」」」」
「お前達が間違えていれば、処分されるのはお前達だぞ」
「……え?」
「それに、クリスト…お前は良くもまぁ、姉に処分などと言えるものだな」
「え?」

やはり、クリストは、わたくしに気が付いて無かったようです。
とても驚いた顔をして、お兄様を見てわたくしを見ています。

「わたくしは、言いましたわ。クリスト、貴方を弟だと」
「え?」

他の方々も、驚いた顔をして、わたしくしを見ています。周りの方々も…… 

「愚弟……貴様、本当に気が付いて無かったのか?!」
「お兄様……だから、お父様にも呆られるのですわ」

ミネルバとローザの言葉を聞き、自分達のしたことに気がついた2人とクリストは、血の気を失い真っ青になった。

だが、テッドとアルカは未だに気が付かないのか、わたくしを悪し様に言い続ける。

わたしくしに気が付いた3人が止めに入りますが、わたくしを断罪する自分に酔っているのか止まらないテッド様。
アルカも、テッドに寄り添い、涙ながらにわたくしを悪に仕立て上げる。

ですが、既に周りは2人に冷たい視線を送っている。……のに、気付かない。

いつ止まるのかしら?

そんな感じで白けた目を向けていたら、会場に入ってくる人物がいた。

コツ……コツ…コツ

「ミーシェ嬢、こちらでしたか……夜会に現れないので、何かあったのかと心配しました」

……っ!!

「セレスト殿下?!どうして、こちらに?」
「どうしてって……私の大切な婚約者を、夜会で見つけられなかったので、探しに来たのですよ?」
「婚約者?」

紺色の髪に海色の瞳をした男性が、そこに居た。……あっ、アルカさんの瞳が、うっとりしてますわ。

「そうだよ。ミッシェル・フォレスト…いや、ミーシェは私の婚約者で、今日妻になるのだよ」
「この女は、私の婚約者では……」
「……この男は、何を言っているのかな?アルベルト殿?」
「っ!申し訳ありません!テッドは何か勘違いをしているのだとっ……!」

セレスト様はわたくしの肩を抱き、額にキスをする。そして、この後に及んでまだ何か言おうとするテッドに、セレストは怒気を含んだ声で問いかけた。

お兄様がセレストの怒気を感じ取り、謝罪をするが、セレストは怒りを収めない。
それどころか、更に瞳を剣呑とさせ告げる。

「私が、何も知らないと、思わない事だ」
「セレスト様」
「ミーシェは、連れて行く。アルベルト殿、この者達の処分は、任せる……。そこのお前!無知は罪だ、悔い改めるんだな」

「せ……セレストさま」
「行くぞ、ミーシェ。私の愛しい婚約者殿」

そう言ってセレストは、わたくしを抱き上げ会場を出て行く。





わたくし達が出ていった後……

「あ、兄上……僕はし、知らなくて……!だ、だから……!」
「だから、なんだ?」
「っ!」
「セレスト殿も言っていただろう。無知は罪だと。この事は、当然国王陛下に伝える。よいな?」
「はい……」
「だいたい、なぜ気付かなかったのだ……確かに、2年前から伯爵家に移っていたとは言え、お前の姉だぞ?!」
「だって、姉上は隣国に嫁いだって……」
「馬鹿が、婚約したのだ!我が国と隣国の法律は知っていよう?!直ぐには嫁げないし、婚約しても隣国には行けんのだ!」
「姉上は!もっと、華やかで……」

姉に対して、言い訳ばかり募る弟に、アルベルトがとうとうキレた。

「愚か者!!化粧が変わったくらいで気付かぬわけがなかろう!フレッドとて気付いておるわ!」
「フレッド兄上が?」
「お前には、陛下の沙汰が降りるまで部屋で謹慎することを命ずる!だがしかし、王族でいられると思わぬ事だ!」


アルベルトが弟にキレている間、ミネルバやローザもそれぞれに言った。

「愚弟、貴様は廃嫡となる事を心得よ」
「は?なんで!この程度で……!」
「この程度だと?王女殿下……いや、隣国の王妃になられる方に、無礼を働いたのだぞ?!殺されても、文句は言えんのだ!」
「っ!!」

「お兄様もですわよ?お父様から、話がいくと思いますわ。全く、なんで、こんな女に落ちるのですか…呆れますわ」
「……すまない」
「王都追放は、免れないと思いますわよ?覚悟なさいませ」
「あぁ」

3人は項垂れた。
だが、自分のした事を理解し、覚悟を決めていた。

だがテッドは……

「は?婚約者じゃない?!そんな筈はない!あいつは!俺の婚約者だ!そうだろ?!アルカ!!」
「ええ!その筈です!なのに、なんでセレスト様と?!おかしいわ!」

アルカと二人、訳の分からない事を叫びアルベルトの言葉を聞こうとしなかった……

「仕方ない……お前達、この2人を連れて行け!頭を冷やさせるしかあるまい」
「「はっ!」」




夜会の会場では、セレスト・アクアフォードとミッシェル・ロッドフォードの婚儀の報告がなされ、2人はそのまま隣国に旅立って行ったのだった。


おわり。




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みんなの感想(4件)

sagadai
2021.07.21 sagadai

馬鹿女は転生者かなにか?そして馬鹿2人は処刑かな?あほ3人が勘当だとしたら、主犯はもっと重いはず。

紫宛
2021.07.21 紫宛

この作品を手に取って頂きありがとうございます(*ᴗˬᴗ)⁾
そうですね。
最後の場面で「そんな筈はない」と叫んでる時点で転生者ですね。
そして、主犯たるテッドとアルカは処刑では無いです。物語としては書いてませんが、鉱山送りか罪人を収容?する島に流刑という形になります。

解除
ささまろ
2021.02.19 ささまろ

結構ふわっとした、緩いお話でしたが、
メインの方々は凝っていて読んでいて面白かったです。

欲を言えばテッドがなぜ勘違いしていたのか気になるところ。

あと、テッドたちの処分も

紫宛
2021.02.19 紫宛

この作品を読んで頂きありがとうございます(ᴗ͈ˬᴗ͈⸝⸝)

テッドが勘違いした明確な理由は確かに書いてませんでしたね。アルカが関係していると、軽く緩く触れているだけでしたから…。

解除
とっと
2021.02.19 とっと

お花畑な集団爆笑オチ?ありがとう(*;゚;艸;゚;)ヤバイ

身内事情とか諸々…情報に疎い…(高位貴族)常識知らずなお馬鹿さん達が卒業前に(自ら)振るいにかけて排除への道進むんだからw

国の未来に(使えない人材と争いの種回避)貢献?デスヨ。

尊い?自己犠牲?デスヨ( ´Д`)=3

紫宛
2021.02.19 紫宛

この作品を読んで頂きありがとうございます(ᴗ͈ˬᴗ͈⸝⸝)

楽しんで頂けたなら、嬉しいかぎりです!

解除

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