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カタストロフィ編

38話 キスとか、あとロリ巨乳って素晴らしいよね。

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 俺と柚夏奈を除いた四人はエンドに呼ばれて宿の一室に集まっていた。

「どうして私たちだけ?太一くんがいないのは彼に聞かせられない話があるからなの?」
「ミユだったか?中々理解が早いな、その通りご主人様には話せんことがあってな、だがキミたちになら話す事もできるだろう」

「……察するに、恋バナとか?」

 美衣香の言葉にエンドは疑問の表情を浮かべる。

「コイバナ?そのコイバナなるものは知らぬが、ルールブレイカーについて話しておきたくてだな」

 柚夏奈には話さないのではなく今は俺と一緒にいるから、あえて呼んでいないと俺なら察することができる。でも、心優以外はそれに関しては察することはなかった。

「ルールブレイカーは代償がないとご主人様はそう理解しているようだが、実際にはレベル上昇に必要な数値を払っていると思われる」
「へー経験値消費型のスキルみたいな感じね」

「ミユちゃんこういう話は生き生きしてるね」

 満面の笑みの心優に美衣香がそう言う。

「でもそれだけなら別に主に話ても問題ないのでは?」
「そう、ペノーの言う通りだ。ご主人様は今その数値がマイナスの値を示しているはず、そして、このままマイナスにし続けると一生プラスにはならないだろう」

「マイナスになるリスクってあるの?」
「ミユ、マイナスの時の制限は複数ある、最もそれが何かは今のところ一つしか分からない」

「それは……何なんですか?」

 ペノーの不安そうな顔にエンドは内心、お前にとっては朗報になるだろうな、と思いつつその制限を口にする。

「異世界転移の制限だ」

「異世界転移の制限?」
「太一くんが帰れないってこと?」

「かつてカタストロフィと呼ばれた存在に、実際には異世界転移してきた者がいた……名をヤマタノオロチという」
「八本首の竜のこと?」

 心優の言葉にエンドは不思議そうに首を傾げた。

「ヤマタノオロチは人型で、私と同じような人族の見た目をしているぞ、そして、スキル【テンガイマキョウ】というものを使い強者を蹂躙していた存在だ。結果そのスキルの使用にはレベルの数値を使っていたため、いざ復讐に元の世界へ帰るとなった時に奴は帰ることができなくなっていたというわけだ」

「……そんなことが……」
「ゆえにご主人様はこの世界より帰ることはできない状態にあると思われる、だからミユとミイカ、二人は元の世界に早々に帰った方がいい」

「なんで!」
「どうしてそんなことをあなたに言われないといけないの、そもそもいつでもいいでしょ?私たちの帰るタイミングなんて」

 美衣香も心優も不満そうに視線を送る。だが、エンドは溜息とともに彼女らを説得し続ける。

「二人がこちらでご主人様の精神に深く絡まる棘になったらどうする?二人が帰ったときにはご主人様は追いかけることも叶わないのだぞ」
「その時は経験値を稼いで――」

「我のようなカタストロフィをこの姿にしてその能力を封じた今……マイナスの値はいくつになっているか不明だ、それこそ生涯をかけてもプラスにできないほどかもな」
「……」

 美衣香が悔しそうにエンドを睨み、勢い任せで重要な決意を口にする。

「私は太一くんがこの世界から帰れないなら一緒に残る!」
「……ミイちゃん」

 心優はその言葉に続けるほどの想いを俺に寄せてはいない。誰だって生まれ育った世界に帰りたいはずだ、その世界には色々自身の求めるものがあるけど、こっちの世界には求めるものが俺しかないのであれば選ぶのは求めるものが多い方を選ぶ。

「ミイカの気持ちは分かった、ミユにもなるべく早く決断してほしいのもだな」
「……分かってるわ」

 そうしてエンドが去った部屋にはミユとミイカとが残り、ペノーは俺のもとへ来て柚夏奈をエンドのもとへと誘導した。

 エンドの話を知らない俺は、この時のペノーの複雑な心境に少しだけ元気がないと思ってはいた。でも、そんな話の裏で柚夏奈とした約束が俺を深く考える思考を奪っていた。

 三人が俺の話を聞いている時、俺は柚夏奈と二人きりで今日までの不安や久しぶりの二人きりに互いにベットで見つめ合っていた。

「どうしたの?太一くん」
「柚夏奈こそどうしたの?一緒のベットにこうして寝転がるなんて、町で初めて寝た日以来じゃないか」

「ちょっと忘れたの?前に寝ぼけている太一くんのベットで一緒に寝たじゃない」
「あ……でもあの時以来ってことか」

 あ~カワイイな、元々の顔も覚えてるけど、ちょっと荒れてた肌が綺麗になって、目元がハッキリと両方二重になったくらいだから元々可愛かったんだな柚夏奈は。

「今私のことカワイイって思ってた?」
「おっともしかして顔に書いてた?俺のポーカーフェイスから心を読むとは……さては柚夏奈さん、俺との親密度がまた上がったのでは?」

「もう、そうやってまた誤魔化そうとする」
「はは……ごめん」

「私だって不安だったんだよ、突然いなくなって再会したら泣いてるんだもん」
「あれは……不意打ち過ぎたんだよ」

「太一くんは耐性アビリティで何でも我慢し過ぎなんだよ……甘えてよ、頼ってよ……私たちちゃんと夫婦になれるんだよ?だからしたいこと言って、私も言うから」

 ぐぬぬ、またまた言いたいことを先に言われてしまった。

 かなり大きな胸の前で俺の手を握ると、その大きな瞳を瞬きさせて俺を見つめてくる。

「太一くんに抱いて欲しいな」

 町で出産の手伝いをしたおかげで彼女の性知識がまともになった、だからこの言葉の意味は真っ直ぐ揺るぎない結論を俺に伝えてくる。

「帰れないかもって思うかもしれないけど、私はそれでもいいよ……太一くんさえいればいい、だから太一がしたいなら……していいよ」

 したいならしていいよ……そんな素晴らしい言葉がこの世にあったとは、なんて思いながらも緊張からか俺は目を閉じた。

 触れている柚夏奈は国民的美少女と言っても過言ではない、そんな彼女を俺が今から抱く……抱く?本当に?

 片目をゆっくり開けると柚夏奈はニコリと笑みを浮かべて俺を待っている。

 男だろ、好きな人がしたいならいいよと言っているならここで止まるわけにはいかない。

 でも帰れなくなる、家族は?ゲームは?趣味のチート探しは?平和な日々は?衣食住の不便なこの世界から帰れなくなってもいいのか?いや俺はいい、でも柚夏奈を……大切な人をこの世界に縛ってもいいのか?

 可能性に殺されるな、いつだったか呼んだラノベにそんなセリフがあったっけ。いやあれはノベルゲームだっけか?

「太一くん」
「……柚夏奈、俺は柚夏奈が大好きです」

「私も……大好きです」

 そうして重ねた唇は、まるで犯してはいけない領域に踏み入れている感覚と、震えるような鼓動の音で脳を完全にマヒさせていた。

 恥ずかしさもあって唇を離すと、次は柚夏奈の胸に手を置いてその大きすぎる感触を確かめるように指を沈めた。

「あっ」

 漏れた吐息は俺の中で反響して、目の前の光景を更に現実だと突き付けてきた。

 このまま俺たちは男女の関係になるんだ、今日ここで初めて。

「主~柚夏奈さ~ん」
「はひ!」

 あまりの驚きに柚夏奈は口を押えて俺は変な声を出してしまった。

「主?」
「ペ、ペノー!どどどうした!?」

「エンドさんが柚夏奈さんに話があるそうなんですが……今、まさかとは思いますが……え、えっちなことをいたそうと」
「してません!行きます!行けますよ!」

 慌てて出て行く柚夏奈さんは、脱ぐ前でよかったと思いつつ外へと出て行ってしまった。

 覇王状態の俺だけを置き去りにして、一人だったらもう我慢できない状況だったけど、ペノ―が入って来てくれて助かったような……そうでないような。

「主……見てください」
「……ぶっ!」

 俺が息をぶちまけた理由は、ペノーがわざわざ上着を捲って自身の胸を露出させてみせてきたからで。

「ペ、ペノー!」
「どうですか?私の胸にも主はドキドキしますか?」

 ドドドドキドキするでしょうが!だって幼女の胸じゃないもの!それは大きくなる前の心優の胸より大きいもの!

 耐性がなければ間違いなくハァハァ言ってたに違いない状況、だけど俺は柚夏奈の胸で耐性を得ているのだ、だから……どう……じない……わけがない!

「揉んでもよいか?(ど、どうして悪代官風)」
「主!……粗末なものですが!」

 うむ苦しゅうない……いかん手が勝手に。

 ムニュっと胸を掴むと丁度いい手触りに俺は、「ふむ」と感心してしまう。

「いかがでしょうか……んっ」
「……結構なお手前で」

 はぁ……とうとうロリコンに踏み込んでしまった……でも。

「悪くない」
「悪くないですか!うれしいです!主!」

 ペノーたんマジ天使!ってヤバい!引き返せないかもしれないぜよ!。

 柚夏奈と突然に離されてミアやエンドに八つ当たりしていた俺はかなり腐ってしまったようだ。以前は妹としか思えなかったペノーをこんなにも異性として意識してしまうとは。

「いつのまにこんなに大きくなったんだい?」
「ドワーフの女の子は七・八歳くらいでこのサイズになりまして、あと一年もしないうちに倍くらいの大きさにはなります!」

 マジか!それは期待大だな!小さいのに胸が大きい娘で天然キャラだったら絶対カワイイよな~。

 俺の偏見がさく裂している間も、ペノーの胸をゆっくり揉み続けていて、彼女は耳も頬も真っ赤にしながら悶えていた。

 柚夏奈さんが戻って来るまでの間だけ、この娘とイチャイチャしてもいいですか?

 そんなことを考えつつ、彼女を後ろから抱き締めた、その時、見覚えのある線がベットの上で点と点とを結んで円を成す。

「嘘……だろ!」

 そうして俺とペノーは光に包まれた。
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