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第二章 真の勇者は異世界人
盗賊の襲撃
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私達は二日ほど野宿しつつ街道を南下してチバケイン神国への街道に入った。
しばらく街道を歩いていると街道沿いに複数の赤い光点が現れた。
両端の森のなかに25人が4つの部隊に別れて隠れている。
私達を取り囲む算段なのだろう。
「ミリアス、マリア。前方に盗賊らしき集団がいるわ戦闘準備してね」
「お姉様、先制攻撃しちゃ駄目なんですか」
「敢えて囲まれてみましょうか」
「何故です」
「まあ、貧困とかで仕方なく犯罪を犯しているものを殺すのは、後味悪いでしょ」
パワーアップしたお陰でマップの情報量が増えた。
相手が殺人を犯したとか、罪を犯したとかがわかる。
全てが丸見えである。
マリアの年齢が分かったのはそのためだ。
「「いやいや、殺しましょうよ」」
二人が声を揃えて私の意見を否定する。
二人は王族である、国に弓を引く者は誰であろうと極刑なのである。
まあ、二人の意見は分からないでもない。
盗賊は経済活動を破壊させる行為で、国に戦争を仕掛ける事と同義であり基本は死刑である。
故に盗賊は戦争犯罪者として扱われる。
とは言え、一応司法はあるので、裁判を受けさせた後に死を選ぶか戦争奴隷かを選ばせるそうだ。
戦争はここ数百年全くないが、古来からの名残りでそのまま盗賊に適用されるのだ。
「まあ、相手の口上くらい聞きましょうよ、善人な訳がないけど善人が居たかもとか思いたくないじゃない?」
「お姉様がそう言うなら、従いますけど」
マリアが渋々ながらも納得する。
私達は気がつかない体を装いそのまま直進した。
完全に囲める位置取りになると、前方の道を5人の粗野な男達が通せんぼをしてきた。
「ここから先は通行止めだぜ」
ヘラヘラ笑いながら剣をちらつかせ私達を威圧する男達。見た目は不潔そのもの。体臭がここまで臭ってきそう。
後ろや左右からも各々武器をもった男達がゾロゾロと出てくる。
ずいぶん動きが散漫だ。こちらが子供だと思って油断しているのだろう。
「お頭! 小僧の方はどうします?」
「おう、商品にならねぇからお前の好きにしろい」
「さすがお頭が、話がわかりやすや」
その男は、下卑た笑いをニヤつかせミリアスに手を伸ばす。
だがその手はミリアスに届くことはなかった。
「下賎な盗賊風情が俺にさわるな!」
そう言うや否や、ミリアスはその男を一刀の元に切り捨てた。
それが合図となり一斉にミリアスに襲いかかる盗賊。
これは食うに困ってと言うより職業盗賊ね。とても食うに困ってと言う感じじゃないわね。
なら折角だ神代魔法の試し撃ちにでもさせてもらおう。
神代魔法、風の三文字
「エアル バレル マハオ」
その魔法は盗賊24人を一瞬で粉々に切り裂いた。
いや切り裂いたというのは語弊がある、一瞬で血煙になったのである。
三文字でこれだけの威力だと、最終奥義の十文字だとどれだけの威力があると言うのだろうか。
「お姉様、すごいです!」
「マイラ姐、ヤバイなこれ」
二人は驚愕の表情で血溜まりを見る。
24人を一瞬で殺したけど、この魔法は範囲100mの敵属性を全て殺すので実際はもっとすごい技なのだ。
つまり、距離制限が数十メートルの現代魔法より神代魔法のが使いかってが良い距離無制限の魔法もあるしね!
まあ、そうはいっても今の技は相手が弱すぎたせいで血煙になっちゃったんだけどね。
残党が居ないかマップを確認してみると200m先の森のなかに赤い光点が二つと緑色の光点があった。
赤色は盗賊で緑色は貴族の娘?
なるほど、マップの情報では移動中の馬車が襲われて誘拐され、それを手引きした者が護衛の中にいたということね。
「近くに盗賊のアジトがあって、そこに囚われている人が居るんだけど、助けようと思う」
「良いよ」
「行きましょう」
二人も救出に賛成してくれたので、さっそく盗賊のアジトへと向かうことにしたのだった。
しばらく街道を歩いていると街道沿いに複数の赤い光点が現れた。
両端の森のなかに25人が4つの部隊に別れて隠れている。
私達を取り囲む算段なのだろう。
「ミリアス、マリア。前方に盗賊らしき集団がいるわ戦闘準備してね」
「お姉様、先制攻撃しちゃ駄目なんですか」
「敢えて囲まれてみましょうか」
「何故です」
「まあ、貧困とかで仕方なく犯罪を犯しているものを殺すのは、後味悪いでしょ」
パワーアップしたお陰でマップの情報量が増えた。
相手が殺人を犯したとか、罪を犯したとかがわかる。
全てが丸見えである。
マリアの年齢が分かったのはそのためだ。
「「いやいや、殺しましょうよ」」
二人が声を揃えて私の意見を否定する。
二人は王族である、国に弓を引く者は誰であろうと極刑なのである。
まあ、二人の意見は分からないでもない。
盗賊は経済活動を破壊させる行為で、国に戦争を仕掛ける事と同義であり基本は死刑である。
故に盗賊は戦争犯罪者として扱われる。
とは言え、一応司法はあるので、裁判を受けさせた後に死を選ぶか戦争奴隷かを選ばせるそうだ。
戦争はここ数百年全くないが、古来からの名残りでそのまま盗賊に適用されるのだ。
「まあ、相手の口上くらい聞きましょうよ、善人な訳がないけど善人が居たかもとか思いたくないじゃない?」
「お姉様がそう言うなら、従いますけど」
マリアが渋々ながらも納得する。
私達は気がつかない体を装いそのまま直進した。
完全に囲める位置取りになると、前方の道を5人の粗野な男達が通せんぼをしてきた。
「ここから先は通行止めだぜ」
ヘラヘラ笑いながら剣をちらつかせ私達を威圧する男達。見た目は不潔そのもの。体臭がここまで臭ってきそう。
後ろや左右からも各々武器をもった男達がゾロゾロと出てくる。
ずいぶん動きが散漫だ。こちらが子供だと思って油断しているのだろう。
「お頭! 小僧の方はどうします?」
「おう、商品にならねぇからお前の好きにしろい」
「さすがお頭が、話がわかりやすや」
その男は、下卑た笑いをニヤつかせミリアスに手を伸ばす。
だがその手はミリアスに届くことはなかった。
「下賎な盗賊風情が俺にさわるな!」
そう言うや否や、ミリアスはその男を一刀の元に切り捨てた。
それが合図となり一斉にミリアスに襲いかかる盗賊。
これは食うに困ってと言うより職業盗賊ね。とても食うに困ってと言う感じじゃないわね。
なら折角だ神代魔法の試し撃ちにでもさせてもらおう。
神代魔法、風の三文字
「エアル バレル マハオ」
その魔法は盗賊24人を一瞬で粉々に切り裂いた。
いや切り裂いたというのは語弊がある、一瞬で血煙になったのである。
三文字でこれだけの威力だと、最終奥義の十文字だとどれだけの威力があると言うのだろうか。
「お姉様、すごいです!」
「マイラ姐、ヤバイなこれ」
二人は驚愕の表情で血溜まりを見る。
24人を一瞬で殺したけど、この魔法は範囲100mの敵属性を全て殺すので実際はもっとすごい技なのだ。
つまり、距離制限が数十メートルの現代魔法より神代魔法のが使いかってが良い距離無制限の魔法もあるしね!
まあ、そうはいっても今の技は相手が弱すぎたせいで血煙になっちゃったんだけどね。
残党が居ないかマップを確認してみると200m先の森のなかに赤い光点が二つと緑色の光点があった。
赤色は盗賊で緑色は貴族の娘?
なるほど、マップの情報では移動中の馬車が襲われて誘拐され、それを手引きした者が護衛の中にいたということね。
「近くに盗賊のアジトがあって、そこに囚われている人が居るんだけど、助けようと思う」
「良いよ」
「行きましょう」
二人も救出に賛成してくれたので、さっそく盗賊のアジトへと向かうことにしたのだった。
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