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5章 魔導戦闘列車エルダートレイン
光の神リュミエール。
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「ずるいのです」
お姫様抱っこされているレオナを見てクニャラが呟く。もちろん手は巫女ちゃんの首に巻き付かれたままである。
すでに舌をだしてグロッキーな巫女ちゃんを助けてあげると、巫女ちゃんはポツリポツリと事情を話す。
まず、ジャムラと言うのは偽名でシャルラと言うのが本当の名前だと言うこと。
クニャラ達が所属する小人族は地下に王国がありシャルラは次期女王で結婚相手の貴族が気にくわないので地上に逃げたそうなのだ。
地上に出た瞬間、シャルラは天啓を受けた、最初の頃はあまり聞こえなく正確さに欠けていたのだが、それでも言う通りにすれば未来が開けたのだと言う。
「つまり、シーファ達を人身御供にしたのはシャルラ?」
サラがそう言うと太陽の華の面々が一斉にシャルラに詰め寄る。ついでにクニャラも大魔人のようにお怒りだ。
「ち、違うのだよ!」
シャルラは腕をブンブンと振り杖を高々とあげるクニャラから逃げる。
ゴブリンの時はまだ予言が正確なものではなく、それでいて自分限定で『ゴブリン退治に行っても死なない』程度だったのだそうだ。
だからこそ神を疑わなかった。
だけど、俺が戦ったときの戦闘報告を聞き、シャーロンが人身御供になるところだったことを聞いたシャルラは神を疑うようになったとのだ言う。
そして、神との繋がりを切った。
そこから途切れ途切れの記憶で、よく分からないのだと言う。
つまりその時点で脳改造されたと言うわけだ。
「……神様は信用できないのだよ」
「どういう意味ですか」
スヴィニヤーがイラついた表情でシャルラを睨む。その威圧は人間ごときが神を語るなと言わんばかりである。
「いや、俺もその意見には賛成だ」
「ケンタ様!」
「理由があるんだろ犬」
シンミアは俺の言葉の真意を問いただそうと頭をペシペシ叩く。スヴィニヤーは俺が賛同したことに怒りを隠せない。
同胞を侮辱されるのを許さないようだ。
「まず君たちの仲間の神を侮辱してるわけじゃないと言うのは分かって欲しい」
「ケンタ様、矛盾していますよ」
神を侮辱しておいて侮辱してないとは確かに矛盾をしている。だが、それは前提条件が間違えているからなのだ。
「二人は生き残っている神を光の神をリュミエールだと思っているんだろ?」
「そうです、それ以外に誰がいると言うのですか」
「女神様は……。あいつは精霊龍デルス・マグラだ、この世界はすでに乗っ取られているんだよ」
「そんな馬鹿な……」
「俺は元々精霊龍デルス・マグラの人間だ。負けた神が、勝った神がいる世界を支配できるわけがないし、その世界から人を呼べるわけがない」
例え呼べたとしても、俺はあちらの世界で働かないという理由でこちらの世界に追いやられたのだ。だからこの世界を助けるために来たのとは違う。
「……」
「精霊龍デルス・マグラは俺たちに勝たせる気がない。勝たせる気ならドラゴンライダーをこちらに寄越せば良い、それも歴戦の勇者を」
「それじゃ、なんのためにケンタ様をこの世界に呼んだのですか」
「基本的には意味は無い。暇潰しのデキレースのエッセンスな感じだったのだろうね」
国取りゲームのように複数プレイで領地を大量にゲットしてからゲームをするように、デルス・マグラは安全に娯楽を楽しみたいのだろう。
「そんな馬鹿な」
「それなら、なぜ六神ではなく五神しか復活させないのか」
「それはリュミエール様が生きているから……」
スヴィニヤーは自分で言った言葉が確信がないものであることに気がつき語尾が弱くなる。
「君たちが住んでいた場所にいた神は俺があちらの世界で会った神だ。つまりリュミエールじゃない」
「グッ、ではリュミエール様はどこにいるのですか!」
「確証はないけど巫女のシャルラがそうなんじゃないかと思う」
「そんなわけ、確かに光の力を感じますが、リュミエール様の力はこんなものじゃありません」
「うん、だとしても君たちも本当の力はそんなものじゃないんだろ? そしてリュミエールは羽を引き裂かれたといっていた。力を奪われた可能性もあるんじゃないか?」
それにシャルラは人間だ。神が転生して力を失った可能性もある。
「……無くはないです」
「だからデキレースの為に敷かれたレールを歩くんじゃなくて女神様、精霊龍デルス・マグラの度肝を抜く形で戦いの準備をしないと勝てないと思う。それには光の神リュミエールの復活が先決だね」
「待つのだよ」
「なにか疑問でも?」
俺の話にシャルラが待ったをかける。もちろん自分自身に関する話だ。腑に落ちないこともあるだろう。
「私がその光の神と言うことは敬われて当然なのだよね?」
「……まあ、そうだね」
「なら働かなくて良いのだよね?」
その言葉にみんなズッこける。シャルラにとって世界の命運よりも働かないことが優先なのだ。
「ダメに決まってるのです!」
「ぐえ~なのだよ」
空気を読めない発言にシャルラの首を絞めるクニャラが背中をこちらに向けると背中に白い羽が見えた。
だが俺の方へと逃げてくるシャルラを追いかけるために背中が反対を向き見えなくなる。
「おい、そこの青い髪のやつ背中をよく見せてみろ」
シンミアの乱暴な言葉にクニャラは驚きシャルラを追うのをやめる。
「ごめん、この子口は悪いけど良い子だから、クニャラ悪いけど背中見せてくれ」
「いいのですよ」
戸惑いながらも背中を見せるクニャラの背中には千切れた羽の残骸が三対あった。
シンミアが下に降りてクニャラの前に跪く。同じくスヴィニヤーも。
シンミアが降りたせいかクニャラの背中の羽の残骸は見えなくなった。
「どういうことだシンミア」
「こいつがリュミエール様だ、そっちのピンク頭は力を内封してるだけだ」
「ご記憶はございますかリュミエール様」
跪くスヴィニヤーが頭をあげてクニャラに敬語を使う。あの人間をなんとも思わないスヴィニヤーがこんなことを冗談でやるとは思えない。
クニャラが光の神リュミエールの生まれ変わりなのだ。
「クニャラはクニャラなのです」
「ええと、と言うことはシャルラは神じゃないから楽はできないと言うことなのかな?」
俺の側でシャルラが空気を読めない発言をしてスヴィニヤーをイラつかせる。
「と言うか殺して力をリュミエール様に返していただかないといけませんね」
スヴィニヤーが手を大きく振り上げると腕に緑色の風がまとわりつく。
「ダメなのです! シャルラ姐は殺させないのです」
「くにゃら~」
シャルラの前に立ち大きく手を広げ庇うクニャラにシャルラは足元にすがり付き泣く。
俺もスヴィニヤーの腕を取り、その拳を振らせないようにした。
「焦るなスヴィニヤー、俺みたいに背負えば力使えるんじゃない?」
俺がそう言うとシャルラは急いでクニャラの背中に乗る。
自分の存在価値を示さないと殺されるからだろう。
クニャラの背中に乗るとシャルラの存在が不安定になり六枚の光の羽根へと姿を変えた。
『これはなんなのだよ!』
シャルラが羽になった瞬間、クニャラのレベルが限界を突破して185になった、貯まっていた経験値が解放されたのだ。
そして地面が大きく鳴動して、城があった場所から黒色の巨大な物体が顔を表す。
それはこの世界にあるはずのない存在、魔導戦闘列車エルダートレインだった。
お姫様抱っこされているレオナを見てクニャラが呟く。もちろん手は巫女ちゃんの首に巻き付かれたままである。
すでに舌をだしてグロッキーな巫女ちゃんを助けてあげると、巫女ちゃんはポツリポツリと事情を話す。
まず、ジャムラと言うのは偽名でシャルラと言うのが本当の名前だと言うこと。
クニャラ達が所属する小人族は地下に王国がありシャルラは次期女王で結婚相手の貴族が気にくわないので地上に逃げたそうなのだ。
地上に出た瞬間、シャルラは天啓を受けた、最初の頃はあまり聞こえなく正確さに欠けていたのだが、それでも言う通りにすれば未来が開けたのだと言う。
「つまり、シーファ達を人身御供にしたのはシャルラ?」
サラがそう言うと太陽の華の面々が一斉にシャルラに詰め寄る。ついでにクニャラも大魔人のようにお怒りだ。
「ち、違うのだよ!」
シャルラは腕をブンブンと振り杖を高々とあげるクニャラから逃げる。
ゴブリンの時はまだ予言が正確なものではなく、それでいて自分限定で『ゴブリン退治に行っても死なない』程度だったのだそうだ。
だからこそ神を疑わなかった。
だけど、俺が戦ったときの戦闘報告を聞き、シャーロンが人身御供になるところだったことを聞いたシャルラは神を疑うようになったとのだ言う。
そして、神との繋がりを切った。
そこから途切れ途切れの記憶で、よく分からないのだと言う。
つまりその時点で脳改造されたと言うわけだ。
「……神様は信用できないのだよ」
「どういう意味ですか」
スヴィニヤーがイラついた表情でシャルラを睨む。その威圧は人間ごときが神を語るなと言わんばかりである。
「いや、俺もその意見には賛成だ」
「ケンタ様!」
「理由があるんだろ犬」
シンミアは俺の言葉の真意を問いただそうと頭をペシペシ叩く。スヴィニヤーは俺が賛同したことに怒りを隠せない。
同胞を侮辱されるのを許さないようだ。
「まず君たちの仲間の神を侮辱してるわけじゃないと言うのは分かって欲しい」
「ケンタ様、矛盾していますよ」
神を侮辱しておいて侮辱してないとは確かに矛盾をしている。だが、それは前提条件が間違えているからなのだ。
「二人は生き残っている神を光の神をリュミエールだと思っているんだろ?」
「そうです、それ以外に誰がいると言うのですか」
「女神様は……。あいつは精霊龍デルス・マグラだ、この世界はすでに乗っ取られているんだよ」
「そんな馬鹿な……」
「俺は元々精霊龍デルス・マグラの人間だ。負けた神が、勝った神がいる世界を支配できるわけがないし、その世界から人を呼べるわけがない」
例え呼べたとしても、俺はあちらの世界で働かないという理由でこちらの世界に追いやられたのだ。だからこの世界を助けるために来たのとは違う。
「……」
「精霊龍デルス・マグラは俺たちに勝たせる気がない。勝たせる気ならドラゴンライダーをこちらに寄越せば良い、それも歴戦の勇者を」
「それじゃ、なんのためにケンタ様をこの世界に呼んだのですか」
「基本的には意味は無い。暇潰しのデキレースのエッセンスな感じだったのだろうね」
国取りゲームのように複数プレイで領地を大量にゲットしてからゲームをするように、デルス・マグラは安全に娯楽を楽しみたいのだろう。
「そんな馬鹿な」
「それなら、なぜ六神ではなく五神しか復活させないのか」
「それはリュミエール様が生きているから……」
スヴィニヤーは自分で言った言葉が確信がないものであることに気がつき語尾が弱くなる。
「君たちが住んでいた場所にいた神は俺があちらの世界で会った神だ。つまりリュミエールじゃない」
「グッ、ではリュミエール様はどこにいるのですか!」
「確証はないけど巫女のシャルラがそうなんじゃないかと思う」
「そんなわけ、確かに光の力を感じますが、リュミエール様の力はこんなものじゃありません」
「うん、だとしても君たちも本当の力はそんなものじゃないんだろ? そしてリュミエールは羽を引き裂かれたといっていた。力を奪われた可能性もあるんじゃないか?」
それにシャルラは人間だ。神が転生して力を失った可能性もある。
「……無くはないです」
「だからデキレースの為に敷かれたレールを歩くんじゃなくて女神様、精霊龍デルス・マグラの度肝を抜く形で戦いの準備をしないと勝てないと思う。それには光の神リュミエールの復活が先決だね」
「待つのだよ」
「なにか疑問でも?」
俺の話にシャルラが待ったをかける。もちろん自分自身に関する話だ。腑に落ちないこともあるだろう。
「私がその光の神と言うことは敬われて当然なのだよね?」
「……まあ、そうだね」
「なら働かなくて良いのだよね?」
その言葉にみんなズッこける。シャルラにとって世界の命運よりも働かないことが優先なのだ。
「ダメに決まってるのです!」
「ぐえ~なのだよ」
空気を読めない発言にシャルラの首を絞めるクニャラが背中をこちらに向けると背中に白い羽が見えた。
だが俺の方へと逃げてくるシャルラを追いかけるために背中が反対を向き見えなくなる。
「おい、そこの青い髪のやつ背中をよく見せてみろ」
シンミアの乱暴な言葉にクニャラは驚きシャルラを追うのをやめる。
「ごめん、この子口は悪いけど良い子だから、クニャラ悪いけど背中見せてくれ」
「いいのですよ」
戸惑いながらも背中を見せるクニャラの背中には千切れた羽の残骸が三対あった。
シンミアが下に降りてクニャラの前に跪く。同じくスヴィニヤーも。
シンミアが降りたせいかクニャラの背中の羽の残骸は見えなくなった。
「どういうことだシンミア」
「こいつがリュミエール様だ、そっちのピンク頭は力を内封してるだけだ」
「ご記憶はございますかリュミエール様」
跪くスヴィニヤーが頭をあげてクニャラに敬語を使う。あの人間をなんとも思わないスヴィニヤーがこんなことを冗談でやるとは思えない。
クニャラが光の神リュミエールの生まれ変わりなのだ。
「クニャラはクニャラなのです」
「ええと、と言うことはシャルラは神じゃないから楽はできないと言うことなのかな?」
俺の側でシャルラが空気を読めない発言をしてスヴィニヤーをイラつかせる。
「と言うか殺して力をリュミエール様に返していただかないといけませんね」
スヴィニヤーが手を大きく振り上げると腕に緑色の風がまとわりつく。
「ダメなのです! シャルラ姐は殺させないのです」
「くにゃら~」
シャルラの前に立ち大きく手を広げ庇うクニャラにシャルラは足元にすがり付き泣く。
俺もスヴィニヤーの腕を取り、その拳を振らせないようにした。
「焦るなスヴィニヤー、俺みたいに背負えば力使えるんじゃない?」
俺がそう言うとシャルラは急いでクニャラの背中に乗る。
自分の存在価値を示さないと殺されるからだろう。
クニャラの背中に乗るとシャルラの存在が不安定になり六枚の光の羽根へと姿を変えた。
『これはなんなのだよ!』
シャルラが羽になった瞬間、クニャラのレベルが限界を突破して185になった、貯まっていた経験値が解放されたのだ。
そして地面が大きく鳴動して、城があった場所から黒色の巨大な物体が顔を表す。
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