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溜息で重くなっている靴を履く朝

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「はぁ~、行きたくないよう・・・」


はぁ~、と溜息が出る度に、溜息が靴の中に入っていく


その靴に足を入れたら、行かなくてはいけない
ならば靴を履きたくない・・・。



「靴を履かなければ、行かなくてすむのかな~?」



行けば行くほど、溜息が溜まっていくのだから
行かなければ、溜息が減るかもしれない・・・。




でも、一人暮らしの私を引き留めてくれる人は、誰もいない・・・。



「もう行かないと遅刻しちゃう!」



何かを振り切るように、靴を履き始めた時
「くつさん、何とかやってみて~!!」と
自分達では動けない、コーヒーカップ達が声を掛けた




あと一歩で、玄関の外に出ようとしている靴が
「やってみるけど、私だって、どんどん溜息で重くなって大変なのよ~」
と、言い終わった時に、バタンと家のドアが閉まってしまった




「あ~、あ~、行っちゃった・・・」
「今日は、溜息の出来事が起きなければい良いけど・・・」
「くつさん、すごく重そうだったね」
「うん・・・、ちゃんと帰ってこれるかな・・・」



それぞれの場所から心配しても、何もできないのだ



どうする事もできないと思っていた時、コーヒーカップが
「ねえ!何か考えようよ!!何かできることを考えようよ!!」
と、言い出したのです




「そりゃあ、何とかしたいわよ・・・」
「でも、動けないんだよ?どうやるの??」



再び、コーヒーカップが
「ねえ!さっきから黙って聞いてれば、できない理由ばかりじゃん!!
 どうして、できる理由を考えられないの?何かあるはずだよ!!」



みんなは、溜息で曇ってしまったかのような部屋を見渡すと・・・、



「そ、そうかも・・・」
「私たちにも、できる事があるかもしれない♪」




「さあ!みんなで帰ってくるまで考えよう!!」
リビングのテーブルの上にあるコーヒーカップは
まあるくなって相談ではなくて、洗面所や台所に声を掛けて




「ねえ、今のアイデア聞こえた~?聞こえる~???」



というやり取りを始めました!!



どうか・・・、これ以上溜息の出来事がありませんように・・・☆







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