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第2笑
来て早々トラブルです。
しおりを挟む前回のあらすじ
カイルとリリスのデート編!!
カイルがリリスの耳に直接
イヤリングをつけてあげてました!
いいね!!
奏夜 「いやー、まさか冗談で言ったのに本当にやるとは!!」
カイル 「冗談だったのか!?」
リリス 「緊張で心臓が口から出そうだった……。」
そして安定のチャラい奴が
出てきました。ちなみに名前は
モブすぎてつけるのがめんどいんで
あれにしました。
そして、カイルの活躍。
か、かっこいい……。
オーウェン 「カイルがやった炎の攻撃って、魔法?」
カイル 「いや、能力の炎操作だよ。一応魔法石は持ってるから魔法も使えるけどね。」
奏夜 「剣技も速かったなぁ~。一瞬だった。」
奏心 「凄かったー!!」
リリス 「カイルは色んな剣術や武術を習得しているから強いよー。」
奏夜 「……カイルだけは敵にまわさない方がいいな。」
ルシア 「それであの後どうしたの?」
カイル 「昔よく遊んだ場所で懐かしい話をして帰ったよ。」
奏心 「え。」
奏夜 「え。」
リリス 「え?」
カイル 「……何か駄目だったのか?」
奏心 「まさか、ハグやキスもしてないの?」
奏心がリリスに壁ドンする。
リリス 「え!?えぇ!?だ、駄目なの!?」
でした。
----------------------------------------
とある場所にて……
??? 「首尾はどうだい?」
傲慢そうな男は
サラッと髪をかきあげ、
家来と思われる人物に聞く。
家来 「はっ。順調でございます。
その言葉を聞き、男は
ニヤッと笑う。
??? 「もうすぐで僕が勝つ!」
その言葉を聞いて家来は
気まずそうに男に言う。
家来 「……失礼ながら、実は悪い報告もございます。」
男は顔を歪ませて聞く。
??? 「……何だ、申してみよ。」
家来 「……例の実験が失敗しました。」
男はイライラしながら家来に
怒鳴りつける。
??? 「何故だ!!何故失敗した!?」
家来は肩をびくつかせながら
恐る恐る言う。
家来 「…例の実験に必要なアレが何故か効力を無くしました。そして、供給源も……。」
??? 「ちっ!!手駒を増やせぬでないか!!」
家来 「……すみません。」
??? 「……まぁ、いい。元々アイツらを使わなくても勝てるからな。」
家来 「はい。それ以外の準備は万端でございます。」
??? 「ようやく忌々しいアイツが殺せる!」
目をギラギラと輝かせながら男は言う。
それを見て敬礼する家来。
そして家来は言う。
家来 「はい。全ては貴方様の意のままに、ジョゼフ王子。」
男は満足そうに家来を見下ろした。
----------------------------------------
翌日、家のリビングにて……
奏夜 「一応、昼まで自由時間だけど誰も出かけないのか?」
奏夜はぐるっと周りを見る。
奏心 「……お金が使えなーい。」
リリス 「昨日買い物しちゃったしね。」
オーウェン 「特にする事がない。」
ルシア 「うーん……ないかな。」
奏夜 「あー……そっか。じゃあ、シルヴィオ行く?」
奏心 「そうだね。他に意見ある?」
奏心の言葉に皆首を振る。
ふぁ~あっと大きなあくびをして
奏夜が椅子から立ち上がる。
奏夜 「そんじゃあ、行きますか!」
奏夜達は家から出てカイルのいる
転送装置まで行った。
奏夜 「はよー、カイル。」
カイル 「おはよう、みんな。…シルヴィオに行く?」
奏夜 「そうそう。OK?」
カイル 「じゃあ、魔法陣の上に乗って。」
5人は魔法陣の上に乗った。
カイルはニッコリ笑う。
カイル 「それじゃあ、気をつけて。」
魔法陣が光りだして目を瞑る。
そして、再び目をあけると……
奏夜 「……え、牢獄?」
奏夜達は牢獄の中にいた。
外にいる門番が奏夜達に言う。
門番 「……シルヴィオに何の御用で?」
門番の態度は冷たく素っ気ない。
奏夜 「あー……観光です。」
門番 「……今のシルヴィオの状況はわかっているのか?」
奏夜 「わかってますよ。けど、どうしてもシルヴィオに行かないといけないんですよ。」
門番はため息を吐いた。
門番 「……死んでも自己責任だぞ。」
門番は牢獄の扉を開けて奏夜達を
外に出した。
奏夜 「あの、門番さん。シルヴィオの転送装置は牢獄の形をしているのは何故ですか?」
奏夜がニコニコしながら門番に聞く。
それを見てあからさまに嫌そうな顔を
して質問に答える門番。
門番 「……元々はこういう作りではない。内乱が始まってからこういう風になった。」
なるほど、敵が今来たら
大変なことになるもんな。
1人で納得した奏夜は
ありがとうございます、と
わざと爽やかな笑顔で言い
出口に向かう。
やはりここの転送装置の場所も
オリアナやソフィアのように
地下にあるらしい。
また、息も絶え絶えに廊下を
歩き、階段を登って出口の扉を
開けて妖精の国シルヴィオにつく。
奏夜 「な、なんじゃこりゃ……。」
奏夜は口をあんぐりと開けている。
他の4人も驚きで固まっている。
何故こんなリアクションを
しているかというと、
国全体が綺麗な淡い緑色の光に
包まれているからだ。
神秘的な光景に感動していたのだ。
奏心 「綺麗……。」
リリス 「これって…。」
オーウェン 「精霊だな。」
ルシア 「精霊?」
オーウェン 「ああ。妖精とは違って精霊は姿が見えない。けど、こうやって彼らが発する光は見える。」
奏夜 「へぇー。よく知ってんな。」
オーウェン 「師匠に教えてもらったから。」
それにしても、と奏夜は
周りを見渡す。本の通りシルヴィオは
国の中央にドデカい木が立っていて
その周りを囲むように街がぐるっとある。
また、街の周りも木々が囲っている。
中央の木のてっぺんには
王族が住んでいるらしい。
奏夜 「オッシャレー……。」
奏心 「確かに(笑)」
奏夜 「そんじゃあ、まずは宿探すか…。」
奏夜が歩きだそうとしてピタッと
足を止めた。
リリス 「どうしたの?」
奏夜は苦い顔をしている。
奏夜 「……どう見ても歓迎されてないなぁ。」
奏夜の言葉に4人も辺りを見渡す。
すると、道を歩いている人達は
奏夜達を見ると嫌そうな顔をして
そそくさと通り過ぎて行く。
あからさまに歓迎していない。
奏夜 「あんまり別々で行動しない方がいいな。」
奏心 「……そうだね。」
奏夜 「てか、宿に泊まらさせて貰えるかなぁー。」
リリス 「の、野宿!?」
奏夜 「まあ、いざとなったら秘密兵器あるけど。」
オーウェン 「秘密兵器?」
オーウェンの問いには
にししっと笑って誤魔化し
宿を探し始める奏夜。
ー 1時間後
奏夜 「だーめだ!!見つかんない!!」
奏心 「片っ端から断られたね。」
ルシア 「というか、そもそも宿が少なくない?」
リリス 「確かに、あんまりないよね。」
奏夜 「そりゃーそうだろ。他種族に偏見持ってるから宿なんか経営したら嫌でも来るだろ?それに今、ここの国は内乱が起きてるから厄介事に巻き込まれたくないんだろ。」
オーウェン 「なるほどな。」
奏夜 「しょーがない。宿は諦めて店行くか。」
奏心 「今回は全員一緒の方がいいよね。」
リリス 「じゃあ、順番にひとつずつ回っていこう!」
そうやって、店を見ようとした時だった。
ー キャアァァ!!
何処からか悲鳴が聞こえてきた。
ルシア 「こっちから聞こえた!!」
ルシアが素早く反応して一目散に
悲鳴が聞こえた場所へと駆ける。
奏夜 「俺らも行くぞ!!」
奏夜達もルシアを追いかける。
そして、細い路地裏に入ると
そこには少女が今にも男に
殺されそうになっていた。
それを見た奏夜はすぐに
スキル付与で敵を眠らせる。
男 「!?…………Zzz。」
ルシアがすぐさま少女に駆け寄る。
ルシア 「大丈夫!?」
少女 「あ、あり……がとう。」
少女はまだ恐怖心から体が
震えている。少女は若草色の
フード付きコートを着ているため
顔が見えない。
リリスが近寄ってふわりと
少女を抱きしめる。
リリス 「もう大丈夫だよ。安心して。深呼吸。」
少女 「…………すぅー、はぁー。」
リリス 「そうそう、落ち着いた?」
少女 「…はい。ありがとうございます。」
少女はふぁさっとフードをとり、
奏夜達を見つめる。
少女は妖精族だった。
妖精族特有の横に長い耳が
ついている。
髪はブロンドで肩まである。
瞳は髪と同じ色だ。
少女はフードを外しやっと
まともに自分が誰に助けられた
のか見て驚いた。
少女 「えっ!?人間と獣人族!?」
ルシア 「どうも。怪我はない?」
少女 「えぇ。……。」
少女は驚いた顔をしながら頷く。
リリスはそういえば、奏夜が
珍しく大人しいなと思って
奏夜の方を見ると奏夜はなんと
奏心を抱きしめていた。
リリス 「えっ!?そ、奏夜!?何してるの!?」
奏夜 「静かに。」
次の質問を投げかける前に
奏夜に止められる。
奏夜の顔は影がかかって見えない。
奏心はよく見ると肩が
ガタガタと震えている。
奏夜 「大丈夫だ、奏心。だから、少し眠ろう?な?」
優しい声音で奏夜は奏心に言った。
奏心 「……どこにも行かないで。」
奏心はいつもの彼女とはまったく
違う弱々しい声で言った。
奏夜 「ああ。ずっといるよ。」
そう言って奏夜は奏心を
スキル付与で眠らせる。
すうっと眠った奏心を
背負う。一息ついてようやく
笑顔で皆に言う。
奏夜 「あー……場所移動しよっか。」
少女 「あ、それならコチラについて来てください!」
奏夜達は少女について行く
ことにした。
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