61 / 172
中国攻めー対宇喜多ー
しおりを挟む
天正8年
秀吉の中国攻めは順調に推移していた。秀隆の嫡子である六郎信秀が率いる3000の援軍が着陣し、上月城を囲む宇喜多勢と合戦し、これを打ち破った。信秀と副将格の井伊直政はこれが初陣であったが、直政は武術の師である前田利益を先鋒として敵の包囲陣に穴を開け、自ら馬廻を率いて敵勢を蹴散らした。
「いまだ、敵はこっちにケツを向けて逃げ出した。追い打ちをかけろ! 掘り放題だ!!!」
「うほおおおおおおおおおおおおおおお!」
利益の激に何か別の意味で血走った織田勢に追撃され、宇喜多勢は完膚なきまでに敗北したという。
信秀自身は鉄砲隊を指揮して絶妙の制圧射撃を行い、敵の後詰めを阻む。そこに秀吉率いる本隊が攻め寄せ、上月城にたどり着いた。赤松、小寺の一族は秀吉にはめられたことは気づいていたが、実際問題救援され命を救われた関係上文句をつけるわけにもいかず、隠居して行くのだった。
同時に彼ら若者の守役である老臣はつぶやいたという。
「儂いらないんじゃ…?」
ボヤキと同時に頼もしい次世代が育っていることに笑みを隠せなかった。
「爺、勝ったぞ! 爺の教え通りじゃ!」
六郎信秀の笑顔に、爺と呼ばれた信盛は満面の笑みで出迎えたという。
主家のあまりの体たらくにあきれた官兵衛は、黒田姓に復し、秀吉の家臣となる。主力部隊をほぼ再起不能にされた宇喜多直家は織田への降伏を申し出て許された。この時秀吉の小姓として人質となったのがのちの秀家である。
播磨と備前を勢力下に収めることに成功した秀吉軍は因幡に目を向けた。山名豊国は秀吉に誼を通じており、因幡はほぼ調略で平定できそうな雰囲気であったが、豊国は配下に背かれ追放される。そして毛利より来援した吉川経家が城将として鳥取に向かったとの情報を得た。
「秀隆様。お役目ご苦労様にございます」
「おう、鳥取の件、聞いたぞ」
「はい、山名豊国はわが手で保護しております。ひとまず小一郎のおる出石に逗留させておりますが」
「それでよい。鳥取城の弱点などは聞き出せたかね?」
「険峻な山に築かれた典型的な山城ですのう。我攻めをかければ損害も多くなりそうで、ちと頭を抱えております」
「なれば、こちらのものを紹介しよう。播磨の豪商小西屋の息子、行長じゃ」
「お初にお目にかかります。小西隆佐の息子、行長と申します」
「おお、初めまして、拙者羽柴筑前と申す。よしなに頼みますぞ」
秀吉は秀隆が証人の息子を連れてきた真意を測りかねる。
「小西屋は織田に味方し、筑前殿の支援をしてくださることとなった。ただし筑前殿の分国内で商売上の優遇をお願いする」
「は、承知しましたぞ」
「さて、ここから先は官兵衛殿。お主が話すように」
「はっ! ここに小西殿がおられるは天祐にございますな。小西屋の商隊を派遣し、現地で米を買い占めさせましょう」
「なんじゃと?!」
「籠城には物資の補給が第一です。その補給をさせぬようにしましょう」
「官兵衛殿、おぬしえげつないのう…」
秀吉がややげんなりした表情で官兵衛に告げる。
「そのお言葉、秀隆様にそっくりお返し申す」
「え? 俺?」
「小西屋に話を付けたはそういうことでしょうに」
「ナンノコトカナー、オレワカンナイ」
目をそらしながらわざと片言で告げる秀隆に、場にいた者は笑いをこらえることができず吹き出した。
織田本家の支援を得た秀吉は小西屋に銘じて因幡の兵糧物資の買い付けを命じた。相場の倍での買い占めを命じており、農民や城兵は、改めて買い戻せば儲かるとの口車に乗っかって、城の備蓄米まで売りに来たときはあきれ返ったという。
こうして吉川経家が着陣し、城の物資を検めたとき、空っぽの米蔵を見てその場でひっくり返ったとのうわさが流れた。さすがに倒れはしなかっただろうが、秀隆が手のものを通じて噂を流したのである。広家は即座に毛利本家に補給を依頼し、物資の買い付けを命じたが、現地の商人は在庫がないと返答する。商家の蔵を検めたが米蔵は空で、但馬は織田の分国故買い付け不能であった。
但馬より羽柴小一郎の兵が来襲した。経家は羽柴勢の物資を奪わんと出撃してきたが、小一郎の築いた防御陣を抜けず、かえって将兵に被害が出るありさまである。羽柴の軍は山のふもとに付け城を築き始め、街道を塞がれた。さらに全長三里に及ぶ堀切によって城にたどり着く小道まで塞がれ、付け城同士を柵、塁で接続することで、アリの子一匹逃さない包囲網を作り上げる。
織田の付け城戦術の粋がここに発揮されたのである。
備前には織田の援軍として信秀率いる3000が入った。天神山から岡山城に移った宇喜多直家は、これを出迎える。苦労知らずのボンボンかと思えば、しっかりと士卒を統率している。年若いのに副将も先日の戦で水際立った采配を示していた。そこに織田最古参の老臣が背後を守る。これは一筋縄でいかんと直家自身が気を引き締めなおした。
宇喜多の離反はすでに毛利の知るところとなり、吉川元長率いる1万の軍が向かっている。宇喜多の手勢は8000で、多少の数の不利は覆せようとの算段であった。織田の援軍は隠し玉とし、勝敗を決する場面での投入する方針であった。
さもなくば舐められる。自力で敵を防ぐ力があることを示さねば徐々に力を削られ放逐される。そんな場面を何度も見てきた。畿内の松永弾正と並ぶ梟雄である直家は甘い期待など一切しない、冷徹な目を持っていた。
結果でいえば、猪武者の元長は直家の計にはまり敗退した。だ誘い込んだはずの元長の予想以上に強硬な突破に崩れかけた場面で織田勢が吉川勢に横撃をかけることによって突撃を食い止め、宇喜多勢の反撃が間に合った。これにより宇喜多に貸しを作りつつ、勢力の防衛も果たしたのである。
播磨姫路城にて。
「宇喜多直家殿が俺に面会を?」
「はい、何やら火急の用があると」
「わかった、会おう」
秀隆は直家との面会を決めた。
「宇喜多直家にございます」
「お初にお目にかかる。織田秀隆だ。ご用を伺おうかな?」
「は、先日の戦におきまして、ご子息の見事の采配により危地を逃れました」
「ああ、聞き及んでおる。今に調子に乗ってやらかすのではないかと心配でなあ…」
「いやいや、先行きが楽しみな武者ぶりでござった」
「そうか、なればひとまず安心をしておこう」
「して、用件ですが。わが娘を信秀殿に嫁がせたいと思うのですがいかがでしょうか?」
「質ですかな?」
「はは、これは手厳しい。先日の戦ぶりにわしが惚れてしまったのですよ」
「ほう?」
「まあ、確かにそれだけにござらぬが。織田の勢力の中でわしは外様ですからの」
「正直ですな」
「まあ、いろいろ言われておりますからなあ」
「では、まずは本人同士の顔合わせでいかがかな?」
「受けてくださるので?」
「まあ、宇喜多殿を配下に取り込めればこちらも利が大きいですし」
「儂がなんかやると思わないのですか?」
「やるのですか?」
「いや、あの…」
「ここで俺と信秀を謀殺して、その首をもって毛利に降るとしても、宇喜多殿自身が次は暗殺されるでしょう。二度も裏切ったからにはどうなるかわからぬとかね」
「うぬぬ…おっしゃる通りにございます」
「なれば直家殿のすべきことはなんとしても織田家に入り込み、そこで生き残るしかない。俺に近づいたのもその一環でしょう。そこで後先考えずにやらかすのであればここまで生き残れたはずがないでしょうよ」
「は、はははははははははははは、なるほど、トンビが鷹を生まぬものだ。若い獅子には親の獅子がついておりましたか」
「ふむ、まあそれで結構。なれば岡山城に向かう支度をいたしましょうか」
「はっ!」
「父上、これは一体?」
「うむ、正室が決まった。宇喜多殿の娘じゃ。こちらの姫君じゃの」
「楓と申します。不束者ですが末永くお願いいたします」
楓姫を見た信秀は顔面を真っ赤にして固まった。はかなげな美少女をみて一気にのぼせ上ったようだ。母たちはどちらかというとたくましい印象を持っており、直虎には武術鍛錬として直政と二人そろってコテンパンにされていた。それゆえ、自身が守ってやらねばと思うようなか弱げな少女は今まで身近にいなかったのである。従妹である信長の娘たちもお転婆を具現化したような感じで、あれと結婚したら尻に敷かれると恐れおののいていたのだった。
「こちらこしょよろしゅくおねがいいひゃす!!」
「六郎、お前噛みすぎだ。もう少しおちつけ」
父に指摘された信秀はさらに顔を赤らめるのだった。
秀吉の中国攻めは順調に推移していた。秀隆の嫡子である六郎信秀が率いる3000の援軍が着陣し、上月城を囲む宇喜多勢と合戦し、これを打ち破った。信秀と副将格の井伊直政はこれが初陣であったが、直政は武術の師である前田利益を先鋒として敵の包囲陣に穴を開け、自ら馬廻を率いて敵勢を蹴散らした。
「いまだ、敵はこっちにケツを向けて逃げ出した。追い打ちをかけろ! 掘り放題だ!!!」
「うほおおおおおおおおおおおおおおお!」
利益の激に何か別の意味で血走った織田勢に追撃され、宇喜多勢は完膚なきまでに敗北したという。
信秀自身は鉄砲隊を指揮して絶妙の制圧射撃を行い、敵の後詰めを阻む。そこに秀吉率いる本隊が攻め寄せ、上月城にたどり着いた。赤松、小寺の一族は秀吉にはめられたことは気づいていたが、実際問題救援され命を救われた関係上文句をつけるわけにもいかず、隠居して行くのだった。
同時に彼ら若者の守役である老臣はつぶやいたという。
「儂いらないんじゃ…?」
ボヤキと同時に頼もしい次世代が育っていることに笑みを隠せなかった。
「爺、勝ったぞ! 爺の教え通りじゃ!」
六郎信秀の笑顔に、爺と呼ばれた信盛は満面の笑みで出迎えたという。
主家のあまりの体たらくにあきれた官兵衛は、黒田姓に復し、秀吉の家臣となる。主力部隊をほぼ再起不能にされた宇喜多直家は織田への降伏を申し出て許された。この時秀吉の小姓として人質となったのがのちの秀家である。
播磨と備前を勢力下に収めることに成功した秀吉軍は因幡に目を向けた。山名豊国は秀吉に誼を通じており、因幡はほぼ調略で平定できそうな雰囲気であったが、豊国は配下に背かれ追放される。そして毛利より来援した吉川経家が城将として鳥取に向かったとの情報を得た。
「秀隆様。お役目ご苦労様にございます」
「おう、鳥取の件、聞いたぞ」
「はい、山名豊国はわが手で保護しております。ひとまず小一郎のおる出石に逗留させておりますが」
「それでよい。鳥取城の弱点などは聞き出せたかね?」
「険峻な山に築かれた典型的な山城ですのう。我攻めをかければ損害も多くなりそうで、ちと頭を抱えております」
「なれば、こちらのものを紹介しよう。播磨の豪商小西屋の息子、行長じゃ」
「お初にお目にかかります。小西隆佐の息子、行長と申します」
「おお、初めまして、拙者羽柴筑前と申す。よしなに頼みますぞ」
秀吉は秀隆が証人の息子を連れてきた真意を測りかねる。
「小西屋は織田に味方し、筑前殿の支援をしてくださることとなった。ただし筑前殿の分国内で商売上の優遇をお願いする」
「は、承知しましたぞ」
「さて、ここから先は官兵衛殿。お主が話すように」
「はっ! ここに小西殿がおられるは天祐にございますな。小西屋の商隊を派遣し、現地で米を買い占めさせましょう」
「なんじゃと?!」
「籠城には物資の補給が第一です。その補給をさせぬようにしましょう」
「官兵衛殿、おぬしえげつないのう…」
秀吉がややげんなりした表情で官兵衛に告げる。
「そのお言葉、秀隆様にそっくりお返し申す」
「え? 俺?」
「小西屋に話を付けたはそういうことでしょうに」
「ナンノコトカナー、オレワカンナイ」
目をそらしながらわざと片言で告げる秀隆に、場にいた者は笑いをこらえることができず吹き出した。
織田本家の支援を得た秀吉は小西屋に銘じて因幡の兵糧物資の買い付けを命じた。相場の倍での買い占めを命じており、農民や城兵は、改めて買い戻せば儲かるとの口車に乗っかって、城の備蓄米まで売りに来たときはあきれ返ったという。
こうして吉川経家が着陣し、城の物資を検めたとき、空っぽの米蔵を見てその場でひっくり返ったとのうわさが流れた。さすがに倒れはしなかっただろうが、秀隆が手のものを通じて噂を流したのである。広家は即座に毛利本家に補給を依頼し、物資の買い付けを命じたが、現地の商人は在庫がないと返答する。商家の蔵を検めたが米蔵は空で、但馬は織田の分国故買い付け不能であった。
但馬より羽柴小一郎の兵が来襲した。経家は羽柴勢の物資を奪わんと出撃してきたが、小一郎の築いた防御陣を抜けず、かえって将兵に被害が出るありさまである。羽柴の軍は山のふもとに付け城を築き始め、街道を塞がれた。さらに全長三里に及ぶ堀切によって城にたどり着く小道まで塞がれ、付け城同士を柵、塁で接続することで、アリの子一匹逃さない包囲網を作り上げる。
織田の付け城戦術の粋がここに発揮されたのである。
備前には織田の援軍として信秀率いる3000が入った。天神山から岡山城に移った宇喜多直家は、これを出迎える。苦労知らずのボンボンかと思えば、しっかりと士卒を統率している。年若いのに副将も先日の戦で水際立った采配を示していた。そこに織田最古参の老臣が背後を守る。これは一筋縄でいかんと直家自身が気を引き締めなおした。
宇喜多の離反はすでに毛利の知るところとなり、吉川元長率いる1万の軍が向かっている。宇喜多の手勢は8000で、多少の数の不利は覆せようとの算段であった。織田の援軍は隠し玉とし、勝敗を決する場面での投入する方針であった。
さもなくば舐められる。自力で敵を防ぐ力があることを示さねば徐々に力を削られ放逐される。そんな場面を何度も見てきた。畿内の松永弾正と並ぶ梟雄である直家は甘い期待など一切しない、冷徹な目を持っていた。
結果でいえば、猪武者の元長は直家の計にはまり敗退した。だ誘い込んだはずの元長の予想以上に強硬な突破に崩れかけた場面で織田勢が吉川勢に横撃をかけることによって突撃を食い止め、宇喜多勢の反撃が間に合った。これにより宇喜多に貸しを作りつつ、勢力の防衛も果たしたのである。
播磨姫路城にて。
「宇喜多直家殿が俺に面会を?」
「はい、何やら火急の用があると」
「わかった、会おう」
秀隆は直家との面会を決めた。
「宇喜多直家にございます」
「お初にお目にかかる。織田秀隆だ。ご用を伺おうかな?」
「は、先日の戦におきまして、ご子息の見事の采配により危地を逃れました」
「ああ、聞き及んでおる。今に調子に乗ってやらかすのではないかと心配でなあ…」
「いやいや、先行きが楽しみな武者ぶりでござった」
「そうか、なればひとまず安心をしておこう」
「して、用件ですが。わが娘を信秀殿に嫁がせたいと思うのですがいかがでしょうか?」
「質ですかな?」
「はは、これは手厳しい。先日の戦ぶりにわしが惚れてしまったのですよ」
「ほう?」
「まあ、確かにそれだけにござらぬが。織田の勢力の中でわしは外様ですからの」
「正直ですな」
「まあ、いろいろ言われておりますからなあ」
「では、まずは本人同士の顔合わせでいかがかな?」
「受けてくださるので?」
「まあ、宇喜多殿を配下に取り込めればこちらも利が大きいですし」
「儂がなんかやると思わないのですか?」
「やるのですか?」
「いや、あの…」
「ここで俺と信秀を謀殺して、その首をもって毛利に降るとしても、宇喜多殿自身が次は暗殺されるでしょう。二度も裏切ったからにはどうなるかわからぬとかね」
「うぬぬ…おっしゃる通りにございます」
「なれば直家殿のすべきことはなんとしても織田家に入り込み、そこで生き残るしかない。俺に近づいたのもその一環でしょう。そこで後先考えずにやらかすのであればここまで生き残れたはずがないでしょうよ」
「は、はははははははははははは、なるほど、トンビが鷹を生まぬものだ。若い獅子には親の獅子がついておりましたか」
「ふむ、まあそれで結構。なれば岡山城に向かう支度をいたしましょうか」
「はっ!」
「父上、これは一体?」
「うむ、正室が決まった。宇喜多殿の娘じゃ。こちらの姫君じゃの」
「楓と申します。不束者ですが末永くお願いいたします」
楓姫を見た信秀は顔面を真っ赤にして固まった。はかなげな美少女をみて一気にのぼせ上ったようだ。母たちはどちらかというとたくましい印象を持っており、直虎には武術鍛錬として直政と二人そろってコテンパンにされていた。それゆえ、自身が守ってやらねばと思うようなか弱げな少女は今まで身近にいなかったのである。従妹である信長の娘たちもお転婆を具現化したような感じで、あれと結婚したら尻に敷かれると恐れおののいていたのだった。
「こちらこしょよろしゅくおねがいいひゃす!!」
「六郎、お前噛みすぎだ。もう少しおちつけ」
父に指摘された信秀はさらに顔を赤らめるのだった。
0
お気に入りに追加
446
あなたにおすすめの小説
もう、愛はいりませんから
さくたろう
恋愛
ローザリア王国公爵令嬢ルクレティア・フォルセティに、ある日突然、未来の記憶が蘇った。
王子リーヴァイの愛する人を殺害しようとした罪により投獄され、兄に差し出された毒を煽り死んだ記憶だ。それが未来の出来事だと確信したルクレティアは、そんな未来に怯えるが、その記憶のおかしさに気がつき、謎を探ることにする。そうしてやがて、ある人のひたむきな愛を知ることになる。
転生したら悪役令嬢になっていましたが、婚約者が推しなので全力でフラグをへし折ろうかと思います!(改稿版)
七宮 ゆえ
恋愛
【9月分の更新についてのお知らせがあるので、宜しければ近状ボードを覗いてくださればと思います(*- -)(*_ _)ペコリ】
気が付くと前世で私が一番好きだった乙女ゲームの世界に転生していました。
しかも婚約者は前世の推し。
その事実だけでこのまま、また死んでも悔いは残らないです…!
ただ、一つだけ。どうしても不満があります。
——どうして悪役令嬢としてなの!!?
最悪の場合死にますよ?最良の場合でも国外追放ですよ?
少し…いえ、大分酷すぎやしませんか?
しかも推しには嫌われる位置にいますよね、私って。
……そんなの耐えられない。
いいわ、こうなったらフラグなんて全てへし折ってあげる!
当て馬になるつもりもないし、推しの隣を誰かに譲る気もないもの!
☆この小説は、『転生したら悪役令嬢になっていましたが、婚約者が推しなので全力でフラグをへし折ろうと思います!』
の改稿版となっております。
夫の告白に衝撃「家を出て行け!」幼馴染と再婚するから子供も置いて出ていけと言われた。
window
恋愛
伯爵家の長男レオナルド・フォックスと公爵令嬢の長女イリス・ミシュランは結婚した。
三人の子供に恵まれて平穏な生活を送っていた。
だがその日、夫のレオナルドの言葉で幸せな家庭は崩れてしまった。
レオナルドは幼馴染のエレナと再婚すると言い妻のイリスに家を出て行くように言う。
イリスは驚くべき告白に動揺したような表情になる。
子供の親権も放棄しろと言われてイリスは戸惑うことばかりでどうすればいいのか分からなくて混乱した。
マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 〜強面、筋骨隆々、とても強い。 でもとっても優しい男が異世界でのんびり暮らすお話〜
かむら
ファンタジー
身長190センチ、筋骨隆々、彫りの深い強面という見た目をした男、舘野秀治(たてのしゅうじ)は、ある日、目を覚ますと、見知らぬ土地に降り立っていた。
そこは魔物や魔法が存在している異世界で、元の世界に帰る方法も分からず、行く当ても無い秀治は、偶然出会った者達に勧められ、ある冒険者ギルドで働くことになった。
これはそんな秀治と仲間達による、のんびりほのぼのとした異世界生活のお話。
輝夜坊
行原荒野
BL
学生の頃、優秀な兄を自分の過失により亡くした加賀見亮次は、その罪悪感に苦しみ、せめてもの贖罪として、兄が憧れていた宇宙に、兄の遺骨を送るための金を貯めながら孤独な日々を送っていた。
ある明るい満月の夜、亮次は近所の竹やぶの中でうずくまる、異国の血が混ざったと思われる小さくて不思議な少年に出逢う。彼は何を訊いても一言も喋らず、身元も判らず、途方に暮れた亮次は、交番に預けて帰ろうとするが、少年は思いがけず、すがるように亮次の手を強く握ってきて――。
ひと言で言うと「ピュアすぎるBL」という感じです。
不遇な環境で育った少年は、色々な意味でとても無垢な子です。その設定上、BLとしては非常にライトなものとなっておりますが、お互いが本当に大好きで、唯一無二の存在で、この上なく純愛な感じのお話になっているかと思います。言葉で伝えられない分、少年は全身で亮次への想いを表し、愛を乞います。人との関係を諦めていた亮次も、いつしかその小さな存在を心から愛おしく思うようになります。その緩やかで優しい変化を楽しんでいただけたらと思います。
タイトルの読みは『かぐやぼう』です。
※表紙イラストは画像生成AIで作成して加工を加えたものです。
獅子の末裔
卯花月影
歴史・時代
未だ戦乱続く近江の国に生まれた蒲生氏郷。主家・六角氏を揺るがした六角家騒動がようやく落ち着いてきたころ、目の前に現れたのは天下を狙う織田信長だった。
和歌をこよなく愛する温厚で無力な少年は、信長にその非凡な才を見いだされ、戦国武将として成長し、開花していく。
前作「滝川家の人びと」の続編です。途中、エピソードの被りがありますが、蒲生氏郷視点で描かれます。
【完結】18年間外の世界を知らなかった僕は魔法大国の王子様に連れ出され愛を知る
にゃーつ
BL
王族の初子が男であることは不吉とされる国ルーチェ。
妃は双子を妊娠したが、初子は男であるルイだった。殺人は最も重い罪とされるルーチェ教に基づき殺すこともできない。そこで、国民には双子の妹ニナ1人が生まれたこととしルイは城の端の部屋に閉じ込め育てられることとなった。
ルイが生まれて丸三年国では飢餓が続き、それがルイのせいであるとルイを責める両親と妹。
その後生まれてくる兄弟たちは男であっても両親に愛される。これ以上両親にも嫌われたくなくてわがまま1つ言わず、ほとんど言葉も発しないまま、外の世界も知らないまま成長していくルイ。
そんなある日、一羽の鳥が部屋の中に入り込んでくる。ルイは初めて出来たその友達にこれまで隠し通してきた胸の内を少しづつ話し始める。
ルイの身も心も限界が近づいた日、その鳥の正体が魔法大国の王子セドリックであることが判明する。さらにセドリックはルイを嫁にもらいたいと言ってきた。
初めて知る外の世界、何度も願った愛されてみたいという願い、自由な日々。
ルイにとって何もかもが新鮮で、しかし不安の大きい日々。
セドリックの大きい愛がルイを包み込む。
魔法大国王子×外の世界を知らない王子
性描写には※をつけております。
表紙は까리さんの画像メーカー使用させていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる