目が覚めると体が縮んで異世界生活

チサトの決断

　一人でポロスに言われた通り、川に沿って彼女は歩いた。
そしてポロスの口にした別れの言葉を考えた。
　おそらく、獣人部隊に遭遇したら、ポロス単独であったとしても
逃れることはできないのだろう。仮にポロスを捕まえることそのものが
彼らの目的でないにしても、人質としての価値を見出されるだろう。
　聖童子である彼女の乗り物なのだから、聖童子が取り戻すための
行動をとることも十分考えられる。
　
　彼女は、ポロスを救出する方法を考えはじめていた。
必要なのは、吸血鬼文明世界の内通者と、従属させたケモノの群れだ。
　ただ体制を万全にするために一度鬼人文明世界に戻ってミツキの助力を
得る必要がある。

　川沿いを歩いていると、狼の群れを見かけた。
彼らは彼女に興味を示唆なかったが、彼女は吉備団子を彼らに与えた。
　
　狼たちは森へ消えていった。