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はい、浮気禁止
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俺は彼女の手を掴み、こちらを振り向かせた。めっちゃ話し込んでて全然振り向いてくれなかったからだ。すげー呼んだのに。
「はい、浮気禁止」
「......あ」
彼女もすぐに気付いたらしい。やっぱフード被ってそれっぽくしときゃ良かったかな。邪魔しやがってみたいな顔してくるのがなあ。
直感で絡まれるなあとは思ったが、案の定リーダー格らしい男にガン付けられた。すげー不服そう。
「なーにしてんの」
「ログインしてたんだ」
やっぱ呼ばないか。俺の名前が呼びにくいんだろうな。考えんのめんどくて誕生日にしちゃったし。周りには「いい兄さん」で通ってる。
始めた頃は良かったんだけどなあ。もうそんな歳じゃなくなってきたし、やっぱもっと考えて付けるんだった。
「してたわ。つーかやっぱ被ったな」
「私もなんとなく居るんじゃないかと思ってた」
「もうここまで来ると運命感じるわ」
そう言うと、呆れたように笑った。良い感じにリラックスしてきたな。俺は設定を弄りながら、男達に視線をやった。
なんかめっちゃ見てくるんだけど。俺も勧誘しようって思ってんなら無駄だけどな。大人数でプレイとか勘弁だわ。色々面倒臭いし。
「んで、お前は何してんの。この人らお前の知り合い?」
「知らない人」
「じゃ、フリーだな。ほい、申請っと」
「はい、承諾」
いつものようにパーティを組んで、しつこい連中は無視して広場から離れる――ってワケには当然いかなくて。
俺たち二人を囲むように立ち塞がる男達に辟易する。別に高レベルプレイヤーなんか他にも居るだろうに、なんでわざわざこっちに来るかね。
「言っとくけど、パーティならお断りな」
「はいそうですかと引き下がるとでも?」
「あー......怒らないで欲しいんだけど。多分、あんたらじゃ足でまといになる。悪いけど、ほか当たってくれな」
あと、こういう連中とは組みたくないってのが本音。レアアイテムとかドロップしたら揉めるタイプだ。争いごとは好きじゃない。平和が一番だ。
「なんだと」
「そうカッカしなさんな」
「旦那はやめといた方がいい」
「......情報屋」
俺と連中の間に割って入って来たのは、身の丈ほどもある槍を携えた青年だった。
《情報屋》という名前のプレイヤーで、名の通り情報屋をやっている。こいつもそれなりの古株で、俺の数少ない知り合いだ。
「はい、浮気禁止」
「......あ」
彼女もすぐに気付いたらしい。やっぱフード被ってそれっぽくしときゃ良かったかな。邪魔しやがってみたいな顔してくるのがなあ。
直感で絡まれるなあとは思ったが、案の定リーダー格らしい男にガン付けられた。すげー不服そう。
「なーにしてんの」
「ログインしてたんだ」
やっぱ呼ばないか。俺の名前が呼びにくいんだろうな。考えんのめんどくて誕生日にしちゃったし。周りには「いい兄さん」で通ってる。
始めた頃は良かったんだけどなあ。もうそんな歳じゃなくなってきたし、やっぱもっと考えて付けるんだった。
「してたわ。つーかやっぱ被ったな」
「私もなんとなく居るんじゃないかと思ってた」
「もうここまで来ると運命感じるわ」
そう言うと、呆れたように笑った。良い感じにリラックスしてきたな。俺は設定を弄りながら、男達に視線をやった。
なんかめっちゃ見てくるんだけど。俺も勧誘しようって思ってんなら無駄だけどな。大人数でプレイとか勘弁だわ。色々面倒臭いし。
「んで、お前は何してんの。この人らお前の知り合い?」
「知らない人」
「じゃ、フリーだな。ほい、申請っと」
「はい、承諾」
いつものようにパーティを組んで、しつこい連中は無視して広場から離れる――ってワケには当然いかなくて。
俺たち二人を囲むように立ち塞がる男達に辟易する。別に高レベルプレイヤーなんか他にも居るだろうに、なんでわざわざこっちに来るかね。
「言っとくけど、パーティならお断りな」
「はいそうですかと引き下がるとでも?」
「あー......怒らないで欲しいんだけど。多分、あんたらじゃ足でまといになる。悪いけど、ほか当たってくれな」
あと、こういう連中とは組みたくないってのが本音。レアアイテムとかドロップしたら揉めるタイプだ。争いごとは好きじゃない。平和が一番だ。
「なんだと」
「そうカッカしなさんな」
「旦那はやめといた方がいい」
「......情報屋」
俺と連中の間に割って入って来たのは、身の丈ほどもある槍を携えた青年だった。
《情報屋》という名前のプレイヤーで、名の通り情報屋をやっている。こいつもそれなりの古株で、俺の数少ない知り合いだ。
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