61 / 90
学園編 § 学校生活編
第61話 太朗、そして・・・
しおりを挟む
「ほら良かっただろ。」
太朗がニヤニヤしながら僕に、そう言った。
霊力移転先の魔法陣を回収した翌朝。
寮の食堂で朝食を食べにきた僕らに、どうやら待ちぶせていたらしい太朗が合流し、そのまま、くっついてきた。
一人で登校する、という僕に半ば強引に同行した太朗だったが、下足室で養老千暮とその取り巻きらしき少年たちが、僕の靴箱の前で陣取っていた。それを見ての、太朗のセリフだ。
養老は僕を認めると、近づいてきたが、背後にいた太朗に気付き、一瞬躊躇する。
奴らがこちらに詰め寄ってきたお陰で、靴箱前自体には人払いが出来た。僕は彼らの横を無視して通り過ぎ、靴を履き替える。
「おい!」
背後から養老が声をかける。
が、僕の背後にピタッと張り付いていた太朗が、振り返って「何か?」と、返事をした。
「お前じゃない。引っ込んでろ。」
強気に言う養老に、取り巻きもそうだそうだ!と息巻く。が・・・
下足室、ということは登校する生徒が必ず通る場所。
少し早めではあるが、それなりの時間、ということもあり、人目も多い。
声をあらげる養老に、いぶかしげな視線が降り注いでいた。
太朗の存在に幾分当惑もあったのだろう、すぐにそれらの視線に気付いた養老は、チッと舌打ちをして踵を返した。
「俺、結構役立ちそうだなぁ。」
自画自賛する太朗。
「そうだな。」
応える僕に、ニヤニヤとした笑みを向ける。
「ところでさぁ、気にならない?」
「何が?」
「そりゃ、飛鳥の絵本だろ?」
気にならないかと言ったら嘘になる。
AAOで禁書扱いしたものが一般人の、しかも子供が目に触れる状態になっている、というのだ。気にならないわけない。昔の知り合いが執筆したもの、というなら、なおさら。
彼の両親が在学中にもあった、ということは30年か40年以上もその状態を続けている、ということか。
AAOに気付かれずに?
不自然だ、と、思う。
「ありゃ?なんか想像と違う。」
考え込んだ僕を見て、太朗が言った。
「何が?」
「いや、てっきり、絵本なんて恥ずかしい、とかいう反応かと思ったけど、違うっぽいよな?」
「あぁ。恥ずかしい、というより、面倒、が先に立つかもな。散々今まで色々あることないこと言われてきたしな。人にどう思われてもどうでもいいよ。」
「あらま、達観。その割には俺や先輩らの視線、恥ずかしがってたよな?」
「・・・別に。」
「いや、昨夜は明らかに照れてた。」
「そんなんじゃねぇ。」
「じゃあ、どんなんよ?」
「・・・知るか!」
僕は、しつこい太朗を置き去りにして、教室へ向かう。
相変わらずニヤニヤとして、後ろをついてくる太朗に、ちょっとむかつきつつ、不思議な感覚を味わっていることに気付く。
なんというか、普通に友達と連んでいるような・・・
ハハ、そんなわけないな。
なんか調子が狂う。
やっぱり、1年・・・半ぐらいか?人とまったく接することがなかったから、距離感が分からなくなってるのかもしれない。
去年は1年まるまる任務がなかったから、月1ペースで訪れてくる蓮華や遙ぐらいとしか会わなかった。7月の総会には出たが、その前に任務で外に出たのは、・・・そうだ、クリスマスのドイツ、だったな。そうやって考えると、やっぱり1年半も任務から外れてたってことか。そりゃ、あちこちから働け、と、言われるわけだ。
それにしても、今回のはディープ過ぎるよな。
終始、素人の大人数の目を気にしなくちゃいけない。
すでに集団としてのアイデンティティが固まっているようなところに、僕みたいな異物が混入すれば、当然、視線が集まるのは仕方がないだろうけど・・・
「飛鳥って、すぐに自分の世界に入るよな。」
太朗が、僕の思考をぶった切って、そんな風に言ってきた。
「あんまさぁ、考えすぎんなよ。はげるぞ。」
・・・
それは太朗なりのギャグ、なのか?
もしはげたとしたら。
僕は、相当嬉しいかもしれない。
坊主にしても、一晩寝れば元通りの忌々しいこの髪とおさらばできる、てことだろ?それって、僕は死ねる、ということ、なのかな?
ハハハ・・・、考え込むぐらいで死ねるってんなら・・・僕はとっくにくたばってるか・・・はぁ・・・
「あ、悪い。なんか、その、髪のこと・・・すまん。」
なぜか太朗が慌てて言う。
「いや、別に・・・」
「いや、俺が悪かった。別に、その・・・飛鳥の体質っつうの?それのこと、皮肉るつもりはなかったんだ。あの・・・・その長髪は、そのなんだ、飛鳥の体質の象徴っつうか、それ、だったんだよな。マジ、ごめん。」
慌てる太朗が、なんだか可愛く見えた。
そりゃそうだ。本当なら孫かひ孫か。そんなもんだからな。
「あー、なんかズルっぽい?いつの間にか太朗ちゃんと飛鳥ちゃんの距離、近くなってない?」
ぷくっと、頬を本当に膨らませたルカが、そんな僕らの間に入ってきて、交互に顔を見ながら、言った。
どうやら今やってきたらしい。
「昨日、二人で先に帰ったでしょ?なんかあったの?」
そういえば、ルカも、ついでに聖也も、太朗と同じ野球班だったな。
野球部で実質的に野球班を仕切っていた太朗と、一応の監督役である僕が、二人して早退、は、確かにまずかった。
「まぁまぁ。飛鳥がちょっとでもクラスになじんだなら、それでいいじゃない?それが、一番に飛鳥を招き入れた自称クラス一飛鳥と親しい男、この田嶋聖也じゃなかったとしても、オロオロオロ・・・」
その後ろから、聖也も泣き真似をしながら、言う。
なんか、賑やかなヤツらだ。
彼らに太朗が「まぁいろいろあったからな。」などと煽り、それに乗る二人、という、意味のない漫才を見つつ、なんかこういうのもいいな、と思う自分に驚いた。
放課後。
太朗がしつこく絵本の話を一日中してきた、ということもあり、聖也とルカもなぜか加わって、初等部に来ていた。
二人とも、初等部出身。
絵本については知っているようだった。
「あれってそういえばアスカって名前だったよな。」
「なんか、怖い終わりかただったような・・・。」
二人の感想はそんな感じだ。
どうやら何故か低学年のどこかでは流行、一部にものすごいファンができるものの、内容の特殊性から苦手意識を持つ子も多い、とのこと。太朗が言ってたほど、僕と結びつける感じではなさそうで、正直ホッとしていた。
3人のやりとりを聞いた感じでは、最初は魔物を倒すヒーローだったけど、なぜか途中で敵が神様になり混乱する子が一定数いる、とのことだ。だけど、そういうところが他の勧善懲悪のヒーローものと違い、ある種の子供たちにカリスマ的な人気を博しているのだという。さらになんとか全世界からの応援を受け神を倒すところは、相手が神ということも忘れて、ほとんどの子が熱狂。しかし、そうしたヒーローが呪われて苦しむという結論。子供にはその救われなさがトラウマもので、ダメな子は絶対ムリ、なんだそう。
絵本、というジャンルにもかかわらず、二転三転する雰囲気と、ダークな結論が、他の絵本とは、一線を画していた、というのが、大人になった(本人たち談)自分たちの感想、らしい。
まぁ、淳平から聞いたところでは、デフォルメはあるものの、ほぼほぼ実話そのままらしいし、純粋に物語りと違って、起承転結なんてないからな。異質なのは仕方ないんだろう。
特に、この絵本をこんなところに配置した犯人を捜す、なんてのは、僕の仕事に入ってはいない。が、彼らに誘われていた僕らの背後から淳平が現れて、表面上は頼まれる形で、初等部の図書館使用の許可を担任として出してくれ、こっそり念話で、『ちょうど良いから初等部の調査を。』と、命令されたんだ。
僕らは、そうして、初等部の図書館(という名の図書室)に、元出身者たる3人の先導の元、足を踏み入れたんだ。
太朗がニヤニヤしながら僕に、そう言った。
霊力移転先の魔法陣を回収した翌朝。
寮の食堂で朝食を食べにきた僕らに、どうやら待ちぶせていたらしい太朗が合流し、そのまま、くっついてきた。
一人で登校する、という僕に半ば強引に同行した太朗だったが、下足室で養老千暮とその取り巻きらしき少年たちが、僕の靴箱の前で陣取っていた。それを見ての、太朗のセリフだ。
養老は僕を認めると、近づいてきたが、背後にいた太朗に気付き、一瞬躊躇する。
奴らがこちらに詰め寄ってきたお陰で、靴箱前自体には人払いが出来た。僕は彼らの横を無視して通り過ぎ、靴を履き替える。
「おい!」
背後から養老が声をかける。
が、僕の背後にピタッと張り付いていた太朗が、振り返って「何か?」と、返事をした。
「お前じゃない。引っ込んでろ。」
強気に言う養老に、取り巻きもそうだそうだ!と息巻く。が・・・
下足室、ということは登校する生徒が必ず通る場所。
少し早めではあるが、それなりの時間、ということもあり、人目も多い。
声をあらげる養老に、いぶかしげな視線が降り注いでいた。
太朗の存在に幾分当惑もあったのだろう、すぐにそれらの視線に気付いた養老は、チッと舌打ちをして踵を返した。
「俺、結構役立ちそうだなぁ。」
自画自賛する太朗。
「そうだな。」
応える僕に、ニヤニヤとした笑みを向ける。
「ところでさぁ、気にならない?」
「何が?」
「そりゃ、飛鳥の絵本だろ?」
気にならないかと言ったら嘘になる。
AAOで禁書扱いしたものが一般人の、しかも子供が目に触れる状態になっている、というのだ。気にならないわけない。昔の知り合いが執筆したもの、というなら、なおさら。
彼の両親が在学中にもあった、ということは30年か40年以上もその状態を続けている、ということか。
AAOに気付かれずに?
不自然だ、と、思う。
「ありゃ?なんか想像と違う。」
考え込んだ僕を見て、太朗が言った。
「何が?」
「いや、てっきり、絵本なんて恥ずかしい、とかいう反応かと思ったけど、違うっぽいよな?」
「あぁ。恥ずかしい、というより、面倒、が先に立つかもな。散々今まで色々あることないこと言われてきたしな。人にどう思われてもどうでもいいよ。」
「あらま、達観。その割には俺や先輩らの視線、恥ずかしがってたよな?」
「・・・別に。」
「いや、昨夜は明らかに照れてた。」
「そんなんじゃねぇ。」
「じゃあ、どんなんよ?」
「・・・知るか!」
僕は、しつこい太朗を置き去りにして、教室へ向かう。
相変わらずニヤニヤとして、後ろをついてくる太朗に、ちょっとむかつきつつ、不思議な感覚を味わっていることに気付く。
なんというか、普通に友達と連んでいるような・・・
ハハ、そんなわけないな。
なんか調子が狂う。
やっぱり、1年・・・半ぐらいか?人とまったく接することがなかったから、距離感が分からなくなってるのかもしれない。
去年は1年まるまる任務がなかったから、月1ペースで訪れてくる蓮華や遙ぐらいとしか会わなかった。7月の総会には出たが、その前に任務で外に出たのは、・・・そうだ、クリスマスのドイツ、だったな。そうやって考えると、やっぱり1年半も任務から外れてたってことか。そりゃ、あちこちから働け、と、言われるわけだ。
それにしても、今回のはディープ過ぎるよな。
終始、素人の大人数の目を気にしなくちゃいけない。
すでに集団としてのアイデンティティが固まっているようなところに、僕みたいな異物が混入すれば、当然、視線が集まるのは仕方がないだろうけど・・・
「飛鳥って、すぐに自分の世界に入るよな。」
太朗が、僕の思考をぶった切って、そんな風に言ってきた。
「あんまさぁ、考えすぎんなよ。はげるぞ。」
・・・
それは太朗なりのギャグ、なのか?
もしはげたとしたら。
僕は、相当嬉しいかもしれない。
坊主にしても、一晩寝れば元通りの忌々しいこの髪とおさらばできる、てことだろ?それって、僕は死ねる、ということ、なのかな?
ハハハ・・・、考え込むぐらいで死ねるってんなら・・・僕はとっくにくたばってるか・・・はぁ・・・
「あ、悪い。なんか、その、髪のこと・・・すまん。」
なぜか太朗が慌てて言う。
「いや、別に・・・」
「いや、俺が悪かった。別に、その・・・飛鳥の体質っつうの?それのこと、皮肉るつもりはなかったんだ。あの・・・・その長髪は、そのなんだ、飛鳥の体質の象徴っつうか、それ、だったんだよな。マジ、ごめん。」
慌てる太朗が、なんだか可愛く見えた。
そりゃそうだ。本当なら孫かひ孫か。そんなもんだからな。
「あー、なんかズルっぽい?いつの間にか太朗ちゃんと飛鳥ちゃんの距離、近くなってない?」
ぷくっと、頬を本当に膨らませたルカが、そんな僕らの間に入ってきて、交互に顔を見ながら、言った。
どうやら今やってきたらしい。
「昨日、二人で先に帰ったでしょ?なんかあったの?」
そういえば、ルカも、ついでに聖也も、太朗と同じ野球班だったな。
野球部で実質的に野球班を仕切っていた太朗と、一応の監督役である僕が、二人して早退、は、確かにまずかった。
「まぁまぁ。飛鳥がちょっとでもクラスになじんだなら、それでいいじゃない?それが、一番に飛鳥を招き入れた自称クラス一飛鳥と親しい男、この田嶋聖也じゃなかったとしても、オロオロオロ・・・」
その後ろから、聖也も泣き真似をしながら、言う。
なんか、賑やかなヤツらだ。
彼らに太朗が「まぁいろいろあったからな。」などと煽り、それに乗る二人、という、意味のない漫才を見つつ、なんかこういうのもいいな、と思う自分に驚いた。
放課後。
太朗がしつこく絵本の話を一日中してきた、ということもあり、聖也とルカもなぜか加わって、初等部に来ていた。
二人とも、初等部出身。
絵本については知っているようだった。
「あれってそういえばアスカって名前だったよな。」
「なんか、怖い終わりかただったような・・・。」
二人の感想はそんな感じだ。
どうやら何故か低学年のどこかでは流行、一部にものすごいファンができるものの、内容の特殊性から苦手意識を持つ子も多い、とのこと。太朗が言ってたほど、僕と結びつける感じではなさそうで、正直ホッとしていた。
3人のやりとりを聞いた感じでは、最初は魔物を倒すヒーローだったけど、なぜか途中で敵が神様になり混乱する子が一定数いる、とのことだ。だけど、そういうところが他の勧善懲悪のヒーローものと違い、ある種の子供たちにカリスマ的な人気を博しているのだという。さらになんとか全世界からの応援を受け神を倒すところは、相手が神ということも忘れて、ほとんどの子が熱狂。しかし、そうしたヒーローが呪われて苦しむという結論。子供にはその救われなさがトラウマもので、ダメな子は絶対ムリ、なんだそう。
絵本、というジャンルにもかかわらず、二転三転する雰囲気と、ダークな結論が、他の絵本とは、一線を画していた、というのが、大人になった(本人たち談)自分たちの感想、らしい。
まぁ、淳平から聞いたところでは、デフォルメはあるものの、ほぼほぼ実話そのままらしいし、純粋に物語りと違って、起承転結なんてないからな。異質なのは仕方ないんだろう。
特に、この絵本をこんなところに配置した犯人を捜す、なんてのは、僕の仕事に入ってはいない。が、彼らに誘われていた僕らの背後から淳平が現れて、表面上は頼まれる形で、初等部の図書館使用の許可を担任として出してくれ、こっそり念話で、『ちょうど良いから初等部の調査を。』と、命令されたんだ。
僕らは、そうして、初等部の図書館(という名の図書室)に、元出身者たる3人の先導の元、足を踏み入れたんだ。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
小児科医、姪を引き取ることになりました。
sao miyui
キャラ文芸
おひさまこどもクリニックで働く小児科医の深沢太陽はある日事故死してしまった妹夫婦の小学1年生の娘日菜を引き取る事になった。
慣れない子育てだけど必死に向き合う太陽となかなか心を開こうとしない日菜の毎日の奮闘を描いたハートフルストーリー。
【完結】後妻に入ったら、夫のむすめが……でした
仲村 嘉高
恋愛
「むすめの世話をして欲しい」
夫からの求婚の言葉は、愛の言葉では無かったけれど、幼い娘を大切にする誠実な人だと思い、受け入れる事にした。
結婚前の顔合わせを「疲れて出かけたくないと言われた」や「今日はベッドから起きられないようだ」と、何度も反故にされた。
それでも、本当に申し訳なさそうに謝るので、「体が弱いならしょうがないわよ」と許してしまった。
結婚式は、お互いの親戚のみ。
なぜならお互い再婚だから。
そして、結婚式が終わり、新居へ……?
一緒に馬車に乗ったその方は誰ですか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる