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ルーダス視点

1.可愛い彼女を独占したい

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 シェリーを助けた時、彼女の姿はボロボロでとても一人にできないと、正義感だけで動いていた。
 泣いてる彼女の話をただ聞く。
 そして、追い出すことも出来ずに、おかしな提案をしていた。

 自慢ではないが、ルーダスはかなりモテる。
 貴族の出身だが、三男だったので比較的自由に将来を決めることが出来たが、その就職先は、女性にモテる騎士隊。
 文官より身体を動かす方が好きという理由だけで選んだが、その騎士隊の中では一、二位を争うほどの人気だというのを、同僚から聞いて、少し憂鬱になった。
 だから、女性に変な誤解を招くようなことは言わないことにしているし、行動もしていない。
 
 だから、シェリーと暮らす提案をしたのはらしくないと言えばそうなのだが、しかし、性格上放置することも出来ず、ふと思いついたのが、そんな事だった。
 シェリーは、少し迷ってはいたが、行く当てもないかったので、その提案を受け入れた。

 その時はシェリーとこんな関係になるなんて想像もしていなかった。


*** ***


 出会って八か月、付き合いだして二か月、お互いの熱を交わし、ベッドに隣同士で横になる。
 シェリーはまだ息が整わないのか少し荒い呼吸だ。
 落ち着かせるように背を撫でると、んっ、となまめかしい声をあげるので、それのせいでなかなか夜に放してあげられない。
 これはルーダスが悪いわけではないと思っている。

 可愛い反応を返すシェリーが悪いのだ。

 もともと、騎士であるルーダスとシェリーでは体格差もあるし、体力面でも差がある。
 気遣っていても、どうしてもやりすぎてしまうときがあるのは仕方がない。
 それに、シェリーも気持ちよさそうだし、問題ないとルーダスはいつも自分の中で正当化していた。

「すまない、大丈夫か?」
「はい……」

 腕の中で囲い込み、誰にも見せたくないなと思いながら、醜い嫉妬心が溢れる。
 初対面の時には栄養が足りていなかったのか、髪もぱさぱさで、肌もお世辞にも綺麗だとは言えなかった。
 しかし、ルーダスと暮らすようになって、栄養状態が改善し、さらには精神的にも安定したため、身体が柔らかな曲線を描くようになり、笑顔が綺麗な女性に変貌した。
 シェリーは自分の姿に自信がないようだが、ルーダスに言わせれば、田舎で暮らしていたのが不思議なくらい、都会的な容姿だ。
 つまり、垢ぬけて綺麗だという事。

 そんなシェリーに告白して受け入れてもらえて、ルーダスは心からほっとした。
 出来る事なら、家から出したくないが、そこはぐっと我慢する。

「ルーダス様、最近お身体の調子はいかがですか?」
「ああ、すこぶる調子がいい。栄養学というのは、すごいんだな。食事一つで、こうも変わると思わなかった」

 最近シェリーは栄養学という新しい学問に夢中だ。
 とある高名な医師によって提言されたその学問は、広く受け入れられた。
 そこから、様々なことが分かってきていて、それを参考にシェリーは献立を考えているのだ。

 正直驚いたのが、シェリーが文字の読み書きができるという事だ。
 農村での識字率はそんなに高くない。
 馬鹿にしているのではなく、機会がないので仕方がないと思う。
 そんな中で、話を聞くと、シェリーの父親が昔王宮文官をしていて、子供の頃から読み書きを教わっていたとの事だ。
 まあ、そんなわけで楽しく栄養学を本で学んでいる訳だが、それを実践するのに、ちょうどいいのがルーダスだった。
ルーダスは栄養学という学問に半信半疑ながらも、もともとシェリーの食事をとるようになってから、仕事の質が上がったので、好きにさせている。
 それに、好きな事を話しているシェリーは笑顔で可愛い。
 良く分からなくても、うんうんと相槌を打てば、聞いてもらっているだけでうれしいのか、いつも以上に饒舌だ。

「これからも、ルーダス様のためにがんばりますね」

 にこにこと寄りそうシェリーがかわいすぎて、寝ようと思っていたのに、一部元気になってしまった。
 ぴったりとくっついているシェリーにも伝わっているのか、シェリーを見下ろすと、頬を赤らめて上目遣いでルーダスを見ている。

 それがまるで誘っているかのようで、深く口づけて、ルーダスはシェリーをベッドに縫い付けた。
 夜はまだまだ長い。
 それにシェリーは明日休みだと言っていた。
 少しくらい無茶させても大丈夫だろうと、勝手に完結し、甘く柔らかい身体を再び堪能すべく、指を滑らせた。

 
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