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1 プロローグ

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私はアウローラ侯爵家のプリシラ。ここ王立貴族学園に通う3年生だ。

最近、なぜかサパテロ伯爵家の長男ゴルカ様から慣れ慣れしく声をかけられて困惑している。今日もお昼を仲の良い友人達とカフェテリアで食べていると、お弁当を持ってこないことをからかわれた。

「プリシラ様はまた学食のランチですか? プリシラ様の友人は皆お弁当を持って来ますよね? あなたも女子力の高い友人達を見習いなさい」

 学園のカフェテリアでは屋敷からもってくるお弁当を食べる方もいれば、学園の厨房で料理される学食を食べる方もいて、それを選ぶのは自由だった。

「屋敷からお弁当を持って来る方の中には、アレルギーがあったり好き嫌いが多かったりする方も多いですわよ。私はなんでも美味しくいただけるので学食を利用しているだけなのですが」

「もちろん、わかりますよ。でもここの学食がとても高いのをご存じでしょう? だったら経済観念を身につけないといけないでしょう? 屋敷でお弁当を作って持って来たほうが安いです」

(なぜ、この方にそのようなことを言われなければならないのかしら? それに貴族の私達にここの学食の値段が高すぎるとは到底思えないのだけれど・・・・・・)

「はい? お言葉ですがアウローラ侯爵家はお金にはとても余裕があります」

「プリシラ様。あなたは女性である以上、嫁ぎ先の経済状況も考えるべきでしょう? いいですか? アウローラ侯爵家ほど潤っていない貴族もたくさんいるのですよ。明日からはお弁当を作りなさい。わたしの分も作って来て良いのですよ。喜んで食べてあげましょう」

私はわけがわからなかった。

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