1 / 5
1 プロローグ
しおりを挟む
私はアウローラ侯爵家のプリシラ。ここ王立貴族学園に通う3年生だ。
最近、なぜかサパテロ伯爵家の長男ゴルカ様から慣れ慣れしく声をかけられて困惑している。今日もお昼を仲の良い友人達とカフェテリアで食べていると、お弁当を持ってこないことをからかわれた。
「プリシラ様はまた学食のランチですか? プリシラ様の友人は皆お弁当を持って来ますよね? あなたも女子力の高い友人達を見習いなさい」
学園のカフェテリアでは屋敷からもってくるお弁当を食べる方もいれば、学園の厨房で料理される学食を食べる方もいて、それを選ぶのは自由だった。
「屋敷からお弁当を持って来る方の中には、アレルギーがあったり好き嫌いが多かったりする方も多いですわよ。私はなんでも美味しくいただけるので学食を利用しているだけなのですが」
「もちろん、わかりますよ。でもここの学食がとても高いのをご存じでしょう? だったら経済観念を身につけないといけないでしょう? 屋敷でお弁当を作って持って来たほうが安いです」
(なぜ、この方にそのようなことを言われなければならないのかしら? それに貴族の私達にここの学食の値段が高すぎるとは到底思えないのだけれど・・・・・・)
「はい? お言葉ですがアウローラ侯爵家はお金にはとても余裕があります」
「プリシラ様。あなたは女性である以上、嫁ぎ先の経済状況も考えるべきでしょう? いいですか? アウローラ侯爵家ほど潤っていない貴族もたくさんいるのですよ。明日からはお弁当を作りなさい。わたしの分も作って来て良いのですよ。喜んで食べてあげましょう」
私はわけがわからなかった。
最近、なぜかサパテロ伯爵家の長男ゴルカ様から慣れ慣れしく声をかけられて困惑している。今日もお昼を仲の良い友人達とカフェテリアで食べていると、お弁当を持ってこないことをからかわれた。
「プリシラ様はまた学食のランチですか? プリシラ様の友人は皆お弁当を持って来ますよね? あなたも女子力の高い友人達を見習いなさい」
学園のカフェテリアでは屋敷からもってくるお弁当を食べる方もいれば、学園の厨房で料理される学食を食べる方もいて、それを選ぶのは自由だった。
「屋敷からお弁当を持って来る方の中には、アレルギーがあったり好き嫌いが多かったりする方も多いですわよ。私はなんでも美味しくいただけるので学食を利用しているだけなのですが」
「もちろん、わかりますよ。でもここの学食がとても高いのをご存じでしょう? だったら経済観念を身につけないといけないでしょう? 屋敷でお弁当を作って持って来たほうが安いです」
(なぜ、この方にそのようなことを言われなければならないのかしら? それに貴族の私達にここの学食の値段が高すぎるとは到底思えないのだけれど・・・・・・)
「はい? お言葉ですがアウローラ侯爵家はお金にはとても余裕があります」
「プリシラ様。あなたは女性である以上、嫁ぎ先の経済状況も考えるべきでしょう? いいですか? アウローラ侯爵家ほど潤っていない貴族もたくさんいるのですよ。明日からはお弁当を作りなさい。わたしの分も作って来て良いのですよ。喜んで食べてあげましょう」
私はわけがわからなかった。
11
お気に入りに追加
743
あなたにおすすめの小説
花嫁は忘れたい
基本二度寝
恋愛
術師のもとに訪れたレイアは愛する人を忘れたいと願った。
結婚を控えた身。
だから、結婚式までに愛した相手を忘れたいのだ。
政略結婚なので夫となる人に愛情はない。
結婚後に愛人を家に入れるといった男に愛情が湧こうはずがない。
絶望しか見えない結婚生活だ。
愛した男を思えば逃げ出したくなる。
だから、家のために嫁ぐレイアに希望はいらない。
愛した彼を忘れさせてほしい。
レイアはそう願った。
完結済。
番外アップ済。
【完結】妹が旦那様とキスしていたのを見たのが十日前
地鶏
恋愛
私、アリシア・ブルームは順風満帆な人生を送っていた。
あの日、私の婚約者であるライア様と私の妹が濃厚なキスを交わすあの場面をみるまでは……。
私の気持ちを裏切り、弄んだ二人を、私は許さない。
アリシア・ブルームの復讐が始まる。
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ
水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。
ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。
なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。
アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。
※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います
☆HOTランキング20位(2021.6.21)
感謝です*.*
HOTランキング5位(2021.6.22)
【短編】捨てられた公爵令嬢ですが今さら謝られても「もう遅い」
みねバイヤーン
恋愛
「すまなかった、ヤシュナ。この通りだ、どうか王都に戻って助けてくれないか」
ザイード第一王子が、婚約破棄して捨てた公爵家令嬢ヤシュナに深々と頭を垂れた。
「お断りします。あなた方が私に対して行った数々の仕打ち、決して許すことはありません。今さら謝ったところで、もう遅い。ばーーーーーか」
王家と四大公爵の子女は、王国を守る御神体を毎日清める義務がある。ところが聖女ベルが現れたときから、朝の清めはヤシュナと弟のカルルクのみが行なっている。務めを果たさず、自分を使い潰す気の王家にヤシュナは切れた。王家に対するざまぁの準備は着々と進んでいる。
どうやら婚約者が私と婚約したくなかったようなので婚約解消させて頂きます。後、うちを金蔓にしようとした事はゆるしません
しげむろ ゆうき
恋愛
ある日、婚約者アルバン様が私の事を悪く言ってる場面に遭遇してしまい、ショックで落ち込んでしまう。
しかもアルバン様が悪口を言っている時に側にいたのは、美しき銀狼、又は冷酷な牙とあだ名が付けられ恐れられている、この国の第三王子ランドール・ウルフイット様だったのだ。
だから、問い詰めようにもきっと関わってくるであろう第三王子が怖くて、私は誰にも相談できずにいたのだがなぜか第三王子が……。
○○sideあり
全20話
婚約者に選んでしまってごめんなさい。おかげさまで百年の恋も冷めましたので、お別れしましょう。
ふまさ
恋愛
「いや、それはいいのです。貴族の結婚に、愛など必要ないですから。問題は、僕が、エリカに対してなんの魅力も感じられないことなんです」
はじめて語られる婚約者の本音に、エリカの中にあるなにかが、音をたてて崩れていく。
「……僕は、エリカとの将来のために、正直に、自分の気持ちを晒しただけです……僕だって、エリカのことを愛したい。その気持ちはあるんです。でも、エリカは僕に甘えてばかりで……女性としての魅力が、なにもなくて」
──ああ。そんな風に思われていたのか。
エリカは胸中で、そっと呟いた。
幼馴染みとの間に子どもをつくった夫に、離縁を言い渡されました。
ふまさ
恋愛
「シンディーのことは、恋愛対象としては見てないよ。それだけは信じてくれ」
夫のランドルは、そう言って笑った。けれどある日、ランドルの幼馴染みであるシンディーが、ランドルの子を妊娠したと知ってしまうセシリア。それを問うと、ランドルは急に激怒した。そして、離縁を言い渡されると同時に、屋敷を追い出されてしまう。
──数年後。
ランドルの一言にぷつんとキレてしまったセシリアは、殺意を宿した双眸で、ランドルにこう言いはなった。
「あなたの息の根は、わたしが止めます」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる