上 下
28 / 43
ジョセフィーヌの恋の行方

エラの過去がばれた?(ジョセフィーヌ視点)

しおりを挟む
※サミュエルの母上のグレイス・ブレイ公爵夫人が、作者の『子供も産めない役立たずと言われて・・・・・・』のグレイス・アティカス公爵と同じ名なのでグレイス→グレンディスにしたらという読者様のアドバイスに従いこれ以降グレンディス・ブレイ公爵夫人とします。(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾



୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
 

 サミュエル様は、ブレイ公爵家の夜会のあいだ、私をエスコートしてくださいました。一緒に会話していると寛げたので、いろいろなお話をしましたよ。

 それ以来、定期的にルドレア侯爵家に遊びにくるようなりました。そうして、今、私が彼に抱きついているのは大きな蜂がいたからです。私は、子供の頃、蜂にさされてそれ以来、あのブーーンという羽音を聞くだけで怖いのです。


「きゃっ! 蜂だわ!」

 私が、思わず抱きつくと、サミュエル様は笑って私を抱きしめました。いや、抱きしめなくていいんですけど・・・・・・離してほしいな・・・・・・と思いながら戸惑っていると、後ろで物音がしました。

「やぁ、君たち、いつからそんな仲なんだい?」

 少し悲しそうな目で私を見つめてきます。そんな目で見られるほど、特別な仲ではありませんよ。この王太子様はどうして、いつもこのようなタイミングでいらっしゃるのかしら?王太子様がいらっしゃると必ずハプニングがありますね。

「王太子様。いらっしゃいませ! あら、パン! エラのところのですわね?」

「あぁ、うん」

「嬉しい! 皆でお茶を頂きましょう! さぁ、王太子様も、あのガゼボでご一緒に!」

 私は、この二人の友人とお茶ができるのがとても嬉しいのですけれど、二人とも微妙な顔つきでいらっしゃいます。

 それを見て、ガゼボの横で笑っているのがライアンです。かれはルドレア侯爵家の護衛兵で、最近では私を守る専属護衛騎士になりました。この方が、私もエラの様子が聞けるからとてもいいことです。

 私達は、エラの焼いたパンに舌鼓を打ちとても楽しく過ごしていていたのです。

 ところが、私の侍女が慌てて、駆けてきて私に報告します。

「エラさんが、男性のお客様とトラブっていて、困っているとパン屋の女将さんが来ています」

 私は、すぐにここに連れてくるように言いました。

 パン屋の女将さんは、青ざめて泣いています。

「パン屋に来たお客のなかの一人が、エラちゃんに難癖つけてきたんです!! ここのパンは娼婦が焼いているのか!って」

「なんですって?」

 私は、怒りの声をあげましたが、王太子様の声のほうが大きかったようです。

「一生懸命、働き更生しようとしている者を邪魔する奴は、この私が許さないよ」

「同感ですね」

 サミュエル様も、にっこりと笑っておっしゃったのです。




୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧


|*'ー'*)チラッ※宣伝です。不快な方はお読みにならないで飛ばしてくださいませ。



新作「悪役令嬢は惚れ薬を使って婚約破棄させました」を書かせて頂きました。
よろしければ、読んでいただけると嬉しいです(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾

なお、作者のTwitter @bluesky1170 よろしければフォローお願いします😊
固定ツイートに『○○読んでいる。フォローしたよ』と知らせていただければ必ずフォロバさせていただきます。(笑)
ご愛読いただきまして、ありがとうございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

継母ができました。弟もできました。弟は父の子ではなくクズ国王の子らしいですが気にしないでください( ´_ゝ`)

てん
恋愛
タイトル詐欺になってしまっています。 転生・悪役令嬢・ざまぁ・婚約破棄すべてなしです。 起承転結すらありません。 普通ならシリアスになってしまうところですが、本作主人公エレン・テオドアールにかかればシリアスさんは長居できません。 ☆顔文字が苦手な方には読みにくいと思います。 ☆スマホで書いていて、作者が長文が読めないので変な改行があります。すみません。 ☆若干無理やりの描写があります。 ☆誤字脱字誤用などお見苦しい点もあると思いますがすみません。 ☆投稿再開しましたが隔日亀更新です。生暖かい目で見守ってください。

追放された悪役令嬢は辺境にて隠し子を養育する

3ツ月 葵(ミツヅキ アオイ)
恋愛
 婚約者である王太子からの突然の断罪!  それは自分の婚約者を奪おうとする義妹に嫉妬してイジメをしていたエステルを糾弾するものだった。  しかしこれは義妹に仕組まれた罠であったのだ。  味方のいないエステルは理不尽にも王城の敷地の端にある粗末な離れへと幽閉される。 「あぁ……。私は一生涯ここから出ることは叶わず、この場所で独り朽ち果ててしまうのね」  エステルは絶望の中で高い塀からのぞく狭い空を見上げた。  そこでの生活も数ヵ月が経って落ち着いてきた頃に突然の来訪者が。 「お姉様。ここから出してさし上げましょうか? そのかわり……」  義妹はエステルに悪魔の様な契約を押し付けようとしてくるのであった。

【完結】え?今になって婚約破棄ですか?私は構いませんが大丈夫ですか?

ゆうぎり
恋愛
カリンは幼少期からの婚約者オリバーに学園で婚約破棄されました。 卒業3か月前の事です。 卒業後すぐの結婚予定で、既に招待状も出し終わり済みです。 もちろんその場で受け入れましたよ。一向に構いません。 カリンはずっと婚約解消を願っていましたから。 でも大丈夫ですか? 婚約破棄したのなら既に他人。迷惑だけはかけないで下さいね。 ※ゆるゆる設定です ※軽い感じで読み流して下さい

私だけ価値観の違う世界~婚約破棄され、罰として醜男だと有名な辺境伯と結婚させられたけれど何も問題ないです~

キョウキョウ
恋愛
どうやら私は、周りの令嬢たちと容姿の好みが違っているみたい。 友人とのお茶会で発覚したけれど、あまり気にしなかった。 人と好みが違っていても、私には既に婚約相手が居るから。 その人と、どうやって一緒に生きて行くのかを考えるべきだと思っていた。 そんな私は、卒業パーティーで婚約者である王子から婚約破棄を言い渡された。 婚約を破棄する理由は、とある令嬢を私がイジメたという告発があったから。 もちろん、イジメなんてしていない。だけど、婚約相手は私の話など聞かなかった。 婚約を破棄された私は、醜男として有名な辺境伯と強制的に結婚させられることになった。 すぐに辺境へ送られてしまう。友人と離ればなれになるのは寂しいけれど、王子の命令には逆らえない。 新たにパートナーとなる人と会ってみたら、その男性は胸が高鳴るほど素敵でいい人だった。 人とは違う好みの私に、バッチリ合う相手だった。 これから私は、辺境伯と幸せな結婚生活を送ろうと思います。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

【完結】わたしはお飾りの妻らしい。  〜16歳で継母になりました〜

たろ
恋愛
結婚して半年。 わたしはこの家には必要がない。 政略結婚。 愛は何処にもない。 要らないわたしを家から追い出したくて無理矢理結婚させたお義母様。 お義母様のご機嫌を悪くさせたくなくて、わたしを嫁に出したお父様。 とりあえず「嫁」という立場が欲しかった旦那様。 そうしてわたしは旦那様の「嫁」になった。 旦那様には愛する人がいる。 わたしはお飾りの妻。 せっかくのんびり暮らすのだから、好きなことだけさせてもらいますね。

望まれない結婚〜相手は前妻を忘れられない初恋の人でした

結城芙由奈 
恋愛
【忘れるな、憎い君と結婚するのは亡き妻の遺言だということを】 男爵家令嬢、ジェニファーは薄幸な少女だった。両親を早くに亡くし、意地悪な叔母と叔父に育てられた彼女には忘れられない初恋があった。それは少女時代、病弱な従姉妹の話し相手として滞在した避暑地で偶然出会った少年。年が近かった2人は頻繁に会っては楽しい日々を過ごしているうちに、ジェニファーは少年に好意を抱くようになっていった。 少年に恋したジェニファーは今の生活が長く続くことを祈った。 けれど従姉妹の体調が悪化し、遠くの病院に入院することになり、ジェニファーの役目は終わった。 少年に別れを告げる事もできずに、元の生活に戻ることになってしまったのだ。 それから十数年の時が流れ、音信不通になっていた従姉妹が自分の初恋の男性と結婚したことを知る。その事実にショックを受けたものの、ジェニファーは2人の結婚を心から祝うことにした。 その2年後、従姉妹は病で亡くなってしまう。それから1年の歳月が流れ、突然彼から求婚状が届けられた。ずっと彼のことが忘れられなかったジェニファーは、喜んで後妻に入ることにしたのだが……。 そこには残酷な現実が待っていた―― *他サイトでも投稿中

(完結)モブ令嬢の婚約破棄

あかる
恋愛
ヒロイン様によると、私はモブらしいです。…モブって何でしょう? 攻略対象は全てヒロイン様のものらしいです?そんな酷い設定、どんなロマンス小説にもありませんわ。 お兄様のように思っていた婚約者様はもう要りません。私は別の方と幸せを掴みます! 緩い設定なので、貴族の常識とか拘らず、さらっと読んで頂きたいです。 完結してます。適当に投稿していきます。

【完結】さようならと言うしかなかった。

ユユ
恋愛
卒業の1ヶ月後、デビュー後に親友が豹変した。 既成事実を経て婚約した。 ずっと愛していたと言った彼は 別の令嬢とも寝てしまった。 その令嬢は彼の子を孕ってしまった。 友人兼 婚約者兼 恋人を失った私は 隣国の伯母を訪ねることに… *作り話です

処理中です...