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姉編
2 ケンドルの秘密
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このコーナー辺境伯一族には秘密がある。私達、一族の先祖は魔物と長年対峙してきたが恋に落ちた当主もいた。
それが、私の曾祖父だった。
その頃は、まだ魔物も多くワイバーンも上空を飛んでいたらしい。ワイバーンとは、ドラゴンの頭にコウモリの翼と鷲の足、蛇の尾をもつ竜だ。
その竜と恋に落ちたというから、曾祖父もよほど物好きだと苦笑したが・・・人間にも化けることができるという竜なら納得だった。美しい空色のワイバーンは、曾祖父に倒される前に綺麗な女性になり、それが私の曾祖母だと聞かされた時には何の冗談かと思ったものだ。
しかし、それが冗談でないことがわかったのは私が3歳の頃だ。感情の起伏が激しく、怒るとコウモリの翼が背中にはえてくる子供に両親も祖父母も驚いた。医者や魔道士に見せた結果は『曾祖母様の遺伝子』のせいだった。
「遺伝子のせいなら、仕方ないね。お母様はずっと人間の姿のままだったけれど・・・本当にワイバーンだったのか・・・伝説かと思っていたよ」
祖父が、驚きながらも愉快そうに笑ったらしい。
「いいえ、たまに姿を変えて夜中に空を飛び回っていたのは見たことがあるよ。でも、夢だと思っていたのさ」
父も、また嬉しそうな笑い声をあげて・・・・・・母は、とても誇らしげだったという。
5歳になると、急にワイバーンに変化して周囲を怖がらせ、10歳の頃には変身するのをコントロールできた。
火を吐き、空を飛び水をも操ることができる今では、この世界の全てを征服できるだろう。しかし、私はそのようなことに興味はない。世界中を征服して配下に置くことに何の意味がある?王や皇帝になっても意味がない。ただの人間は私にとっては、弱すぎる存在で戦う価値すらないのだから。
しかし、私の愛する女のためならばエメラルド王国を配下におこう。そして、アーメッド王国もだ。この機会に周辺の国々を統一してもいいな。アーメッド王国を取り巻く国々の王は、好戦的すぎるのだ。もう、いい加減争うのをやめさせよう。
私の横に座って不安気に妹と侍女の命を案じている心優しい美しい妻よ、そんなに心配そうな顔をしないで。この私は、貴方が思っている以上に強いのだから。
私のこの秘密を知っている者は、わずかな側近達だけ。祖父母や父母は、他界していた。竜の血をひいているからといって長寿だとは限らないらしい。
「ケンドル様だけが、曾祖母様の血を色濃く引き継いだようです。おそらく、ケンドル様ご自身は長寿だと思われますが・・・」
魔道士の言葉に納得して頷く。かなりの怪我や病気も、すぐに治ってしまうのはそのせいだろう。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
私はカリスタと四阿でお茶をし、ディナーの時間には向かい合って食事をし、彼女の聡明さに誇らしげな思いで会話を楽しんだ。このカリスタを妻に迎えられて嬉しさに顔がにやけてしまうよ。
あの戦闘侍女のリーダーからの報告をどんなに心待ちにしていたか! カリスタが猫と薔薇が好きなことや、生野菜は苦手だが煮込んだシチューにいれた野菜なら喜んでお代わりすることも知っている。
聡明で心優しく戦闘もできる私の美しいカリスタは、きっと立派な王妃になるだろう。
私は食後にカリスタを膝の上にのせて、散々と甘やかせてから優しくささやいた。
「今日は、独り寝の最後の夜になると思うからゆっくり寝なさい。明日の結婚式にはクリスティンも、イグナ王でさえ参列するだろう」
さて、ひと暴れしてくるか。今から行って、王達を屈服させてこよう・・・そうだな・・・3時間もあれば充分さ。
私はカリスタが自室に入り寝入ったことを確かめると、庭園に出て行き巨大な翼を広げたのだった。
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
すみません。意図せず、ファンタジー寄りの恋愛小説になってきております。申し訳ないです(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾
一応、恋愛ファンタジーのタグはつけておいたから大丈夫かな😅
それが、私の曾祖父だった。
その頃は、まだ魔物も多くワイバーンも上空を飛んでいたらしい。ワイバーンとは、ドラゴンの頭にコウモリの翼と鷲の足、蛇の尾をもつ竜だ。
その竜と恋に落ちたというから、曾祖父もよほど物好きだと苦笑したが・・・人間にも化けることができるという竜なら納得だった。美しい空色のワイバーンは、曾祖父に倒される前に綺麗な女性になり、それが私の曾祖母だと聞かされた時には何の冗談かと思ったものだ。
しかし、それが冗談でないことがわかったのは私が3歳の頃だ。感情の起伏が激しく、怒るとコウモリの翼が背中にはえてくる子供に両親も祖父母も驚いた。医者や魔道士に見せた結果は『曾祖母様の遺伝子』のせいだった。
「遺伝子のせいなら、仕方ないね。お母様はずっと人間の姿のままだったけれど・・・本当にワイバーンだったのか・・・伝説かと思っていたよ」
祖父が、驚きながらも愉快そうに笑ったらしい。
「いいえ、たまに姿を変えて夜中に空を飛び回っていたのは見たことがあるよ。でも、夢だと思っていたのさ」
父も、また嬉しそうな笑い声をあげて・・・・・・母は、とても誇らしげだったという。
5歳になると、急にワイバーンに変化して周囲を怖がらせ、10歳の頃には変身するのをコントロールできた。
火を吐き、空を飛び水をも操ることができる今では、この世界の全てを征服できるだろう。しかし、私はそのようなことに興味はない。世界中を征服して配下に置くことに何の意味がある?王や皇帝になっても意味がない。ただの人間は私にとっては、弱すぎる存在で戦う価値すらないのだから。
しかし、私の愛する女のためならばエメラルド王国を配下におこう。そして、アーメッド王国もだ。この機会に周辺の国々を統一してもいいな。アーメッド王国を取り巻く国々の王は、好戦的すぎるのだ。もう、いい加減争うのをやめさせよう。
私の横に座って不安気に妹と侍女の命を案じている心優しい美しい妻よ、そんなに心配そうな顔をしないで。この私は、貴方が思っている以上に強いのだから。
私のこの秘密を知っている者は、わずかな側近達だけ。祖父母や父母は、他界していた。竜の血をひいているからといって長寿だとは限らないらしい。
「ケンドル様だけが、曾祖母様の血を色濃く引き継いだようです。おそらく、ケンドル様ご自身は長寿だと思われますが・・・」
魔道士の言葉に納得して頷く。かなりの怪我や病気も、すぐに治ってしまうのはそのせいだろう。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
私はカリスタと四阿でお茶をし、ディナーの時間には向かい合って食事をし、彼女の聡明さに誇らしげな思いで会話を楽しんだ。このカリスタを妻に迎えられて嬉しさに顔がにやけてしまうよ。
あの戦闘侍女のリーダーからの報告をどんなに心待ちにしていたか! カリスタが猫と薔薇が好きなことや、生野菜は苦手だが煮込んだシチューにいれた野菜なら喜んでお代わりすることも知っている。
聡明で心優しく戦闘もできる私の美しいカリスタは、きっと立派な王妃になるだろう。
私は食後にカリスタを膝の上にのせて、散々と甘やかせてから優しくささやいた。
「今日は、独り寝の最後の夜になると思うからゆっくり寝なさい。明日の結婚式にはクリスティンも、イグナ王でさえ参列するだろう」
さて、ひと暴れしてくるか。今から行って、王達を屈服させてこよう・・・そうだな・・・3時間もあれば充分さ。
私はカリスタが自室に入り寝入ったことを確かめると、庭園に出て行き巨大な翼を広げたのだった。
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
すみません。意図せず、ファンタジー寄りの恋愛小説になってきております。申し訳ないです(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾
一応、恋愛ファンタジーのタグはつけておいたから大丈夫かな😅
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