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妹編
1 姉と入れ替わる妹
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ーー王と王妃が寛ぐ王家のサロンにてーー
あたしは、お姉様の釣書書を見て、唖然とした。なに、これ? あたしの結婚相手より、全然いいよ・・・お母様は嘘つきだ!
「カリスタ王女の結婚相手は、隣国のイグナ王です。強大な国の最強な王です」
お母様は、お父様のエマーソン王に釣書書を見せていた。私も思わず覗き込む。まずは、写真! すっごい美形だった。ずるいよぉーー。銀髪にアメジストの瞳の最強王なんて素敵過ぎる!釣書書の特技には、剣の達人に弓の名手だって! おまけに、料理が得意なんてことまで書いてあった・・・
「お母様! おかしいです。あたしの結婚相手のケンドル辺境伯と交換してください!」
「いけません!」
なんで、いけないんだ! 同じ王女なのに、なんで差別するのよ?
「交換ぐらいいいじゃない? どっちが、嫁いでも一緒だよね? お姉様も、そう思うでしょう?」
あたしは、横にいたお姉様に尋ねたわ。お姉様は、相変わらず穏やかな笑顔を浮かべて黙っていた。冷静で、なにをするにも落ち着き払っているお姉様は”聖女さま”のあだ名があるくらいだ。
「ダメです! クリスティンには無理です! 私が決めたようになさい!」
お母様は、ぴしゃりと、あたしにそう言うと、もう別なお話をしはじめたのだった。
え? なんで、そう思うの? やってみなきゃわからないじゃない?
私は、我が儘はなんでも押し通してきたもん。ここでも、もちろん、押し通すよ!
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
私は、サロンから自室に戻るところで、お姉様と並んで歩いていた。
「ねぇ、お姉様、一生のお願いよ! 結婚相手を交換して!」
「それは、無理です」
お姉様は、キッパリと言い切って、全く、取り合ってくれない。
「けち! あんな格好いい王様なんて、そうそういないもん。あたしに、ちょうだいよ!」
あたしは、お姉様に向かって叫んだけれど、振り向きもしなかった。冷たいよね?
ふん! いいもん! こうなったら、お姉様に・・・
あたしは、お姉様の輿入れの日に手作りのクッキーを渡した。
「まぁ、おいしそうね。ありがとう、いただくわ」
お姉様は、そう言いながら強力な眠り薬を入れたクッキーを食べて倒れた。
輿入れは、奇しくも同じ日だった。私は、そっとわからないように姉と入れ替わることに成功したのだった。
あたしは、お姉様の釣書書を見て、唖然とした。なに、これ? あたしの結婚相手より、全然いいよ・・・お母様は嘘つきだ!
「カリスタ王女の結婚相手は、隣国のイグナ王です。強大な国の最強な王です」
お母様は、お父様のエマーソン王に釣書書を見せていた。私も思わず覗き込む。まずは、写真! すっごい美形だった。ずるいよぉーー。銀髪にアメジストの瞳の最強王なんて素敵過ぎる!釣書書の特技には、剣の達人に弓の名手だって! おまけに、料理が得意なんてことまで書いてあった・・・
「お母様! おかしいです。あたしの結婚相手のケンドル辺境伯と交換してください!」
「いけません!」
なんで、いけないんだ! 同じ王女なのに、なんで差別するのよ?
「交換ぐらいいいじゃない? どっちが、嫁いでも一緒だよね? お姉様も、そう思うでしょう?」
あたしは、横にいたお姉様に尋ねたわ。お姉様は、相変わらず穏やかな笑顔を浮かべて黙っていた。冷静で、なにをするにも落ち着き払っているお姉様は”聖女さま”のあだ名があるくらいだ。
「ダメです! クリスティンには無理です! 私が決めたようになさい!」
お母様は、ぴしゃりと、あたしにそう言うと、もう別なお話をしはじめたのだった。
え? なんで、そう思うの? やってみなきゃわからないじゃない?
私は、我が儘はなんでも押し通してきたもん。ここでも、もちろん、押し通すよ!
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
私は、サロンから自室に戻るところで、お姉様と並んで歩いていた。
「ねぇ、お姉様、一生のお願いよ! 結婚相手を交換して!」
「それは、無理です」
お姉様は、キッパリと言い切って、全く、取り合ってくれない。
「けち! あんな格好いい王様なんて、そうそういないもん。あたしに、ちょうだいよ!」
あたしは、お姉様に向かって叫んだけれど、振り向きもしなかった。冷たいよね?
ふん! いいもん! こうなったら、お姉様に・・・
あたしは、お姉様の輿入れの日に手作りのクッキーを渡した。
「まぁ、おいしそうね。ありがとう、いただくわ」
お姉様は、そう言いながら強力な眠り薬を入れたクッキーを食べて倒れた。
輿入れは、奇しくも同じ日だった。私は、そっとわからないように姉と入れ替わることに成功したのだった。
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