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6 素晴らしく素敵な王太子様と、美貌の辺境伯の嫡男

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★ヴァレリア視点★

王宮の庭園は、色とりどりの薔薇が咲き誇り、かぐわしい香りを放っていた。天気もうららかで、空気さえも透き通るように気持ちのいい日に、最高に素敵な男性に巡り会えたことは、ラッキーだった。

あの、金髪のキラキラさ加減に、まずはびっくりした。どんなシャンプー使ったら、あんなに綺麗な艶々の髪になるんだろう? オレンジ色の瞳はエキゾチックで、ぞくぞくしちゃう!

背が高くて、すらりとした手足、そうね、少し筋肉が足りないけれど、許容範囲だわ。なにしろ、これから王様になる方なのだから、余計に素敵に見える。

「エステバン様! 私は、ヴァレリアと申します。とても、素敵ですねぇーー。お好きな食べ物は、なんですかぁ?
私は、クッキーは、割と上手に作れるんですけどぉーー」

私は、いきなり王太子様に話しかけた。名前を親しげに呼ぶのは、急速に仲良くなる高等テクニックよ!
ほら、私に興味を示して、瞳の瞳孔が大きくなっているもの。

「そうだねぇー。あまり、甘い物は好きじゃないな」

にこやかに、答えてくれたから、きっと私のことを気に入ったのだと思う。王太子様と和やかに話をしていると、宮殿の方から、王太子様より綺麗な男性が上品に歩いてくるのが見えた。

うわぁ、男性とは思えないほど綺麗な顔だちだ。でも、とてもしつこく話しかけてくるのが正直うざい。男は、もっと寡黙でなかなか振り向いてくれない方が好き。特に、お義姉様が好きな人であれば尚いいのよ。


★王太子視点★


「やぁ、サミール! まだ、しばらくは、こっちにいるんだろう? それにしても辺境伯っていうのは、もう返上した方がいいよな? 今では、サミールの領土のアモスは王都に負けないくらい繁栄している!」

「いいえ、それほどでもありません。おや、美しい令嬢がいらっしゃいますね。私は、サミール・ジュイス辺境伯嫡男です。お名前はなんとおっしゃるのですか?」

サミールは、女の趣味がすごく悪い。昔は、違ったけれど、3年ぐらい前からかなぁー。やたらと、派手な頭の悪そうな女と付き合うようになった。今日も、ヴァレリアを見つけて上機嫌でいる。

「あ、私ぃーー、ヴァレリアと言いますぅ」

すかさず、自己紹介するあたり、極めて下品で、多分サミールの好きなタイプだろう。サミールはしきりに、ヴァレリアに話しかけているが、全く相手にされていない。アイリスは、私を愛おしそうに眺めてくれて、それにあわせたようにヴァレリアも私に熱い視線を送ってくる。

やれやれ、モテる男はつらいよ。でも、王妃という大変な責務はアイリスでないと務まらないよ。しっかりとして理知的なアイリスこそ王妃でなくてはならない。




*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚


★ヴァレリア視点★


私は、王太子を誘惑したいのだけれど、なかなかうまくいかなかった。お義姉様が講義を受けに王宮に行くついでに一緒に行かせて頂くけれど、お茶だけで終わってしまって、なかなかチャンスが訪れないのよ。

ただ、あのサミールが私をとても気に入って、ウィルソン公爵家に花束をもって来るようになった。なんで、恋愛って、狙った男じゃなくて狙ってない男が寄ってきやすいのかな? 私は、面倒だから、対応はお義姉様にまかせた。

お義姉様は、あまり気乗りしない様子で、それでもサミールの相手をするようになった。そうだ、この二人がくっついて、私が王太子と結婚すればいいんじゃないかしら?

「サミール様、私が好きならば、お願いがあります。王太子様と二人っきりで会えるように計画してもらえませんか? だって、本当に好きだったら、幸せになれるように応援するべきでしょう? 私は、王太子がいいんです。別に、愛してないけど、お義姉様のものでこの国の王になる方だから、私にぴったりだと思いませんか?」


「もちろんだよ。ヴァレリアの幸せは私の幸せだ。貴女の望みなら、なんでも叶えよう」

サミール様は、私に跪いて同意してくれたわ。こんなに、私の言うことを聞いてくれるのだから、少しぐらいご褒美をあげてもいいかもしれない。

「ねぇ、少しなら、胸を触らせてあげてもいいわよぉ?」
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