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1 チビガマ、エメリーンと出会う
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(エメリーン視点)
(嘘だ・・・・・・あんなに優しかったマルガレータ様が、私を裏切るなんて!)
マルガレータ様は、さっさとコンスタンティン王太子殿下と婚約し、以前と変わらず私に微笑みかけてくる。
コンスタンティン王太子殿下は、これ以上ないくらいにマルガレータ様に優しく接していて、心から愛しているのは誰が見ても明らかだ。
婚約破棄したのはリトラー侯爵家からだ。私は、コンスタンティン王太子殿下が真実の愛を見つけた、ということでマルガレータ様に愛を告白している現場を目撃した、悲劇のヒロインという立ち位置を得た。
これにより、私の名誉もコンスタンティン王太子殿下とマルガレータ様の名誉も守ることが出来たようだ。
私は婚約者になったはずなのに、王太子殿下に結局選ばれなかった気の毒なヒロインになれたし、コンスタンティン王太子殿下とマルガレータ様は真実の愛に気づきそれを貫いた伝説のカップルになることができた。
(まさに、物は言いようよね・・・・・・)
王家からは相応の慰謝料が払われたが私の心は晴れない。
気晴らしに市井の商店街にお買い物に来てみたけれど、少しも気が晴れることはない。ささくれだった気持ちを抱えながら歩いていると、危うく一匹のガマガエルを踏みつけそうになった。
「うわっ! ごめんなさい。でも、なぜこんな大通りにいるの? 危ないわよ」
小さなガマガエルをそっと端っこに移動させる。すると、大きなガマガエル達が通りの向かい側から、こちらにやって来るのが見えた。
心なしかそのチビガマちゃんが、怖がって震えている気がする。
「もしかして虐められているの? 可哀想に・・・・・・そうだ、私の屋敷においで!」
そう言いながら、チビガマちゃんを手のひらに乗せて駆けだす。
屋敷に戻ると、チビガマちゃんを庭園の四阿のテーブルにそっと置いた。
「これで安心よ。私が守ってあげるからね。あなたの名前はチビガマちゃんよ。ところでお腹は空いていない? ガマちゃんって、なにを食べるのかしら?」
「おや、これは珍しい種類のガマガエルですね? カエルはアブラムシやコオロギなんかを食べますよ。土の上にしばらく置いておくだけで、そこに潜んでいる虫を自分で食べるんで、この辺りに放してあげればいいでしょう」
私が幼い頃から、リトラー侯爵家で働いている庭師の一人が教えてくれる。
チビガマちゃんを庭に放しながら、いっぱい愚痴を言った私。
大好きだったアルフォンズお兄様が死んだこと。信頼していたマルガレータ様に裏切られたこと。今はすっかり人間不信になっていること。
チビガマちゃんは、まるで私の言葉がわかるかのように、
「ゲコゲコゲコ!!」
と、お返事をしてくれた。
(嘘だ・・・・・・あんなに優しかったマルガレータ様が、私を裏切るなんて!)
マルガレータ様は、さっさとコンスタンティン王太子殿下と婚約し、以前と変わらず私に微笑みかけてくる。
コンスタンティン王太子殿下は、これ以上ないくらいにマルガレータ様に優しく接していて、心から愛しているのは誰が見ても明らかだ。
婚約破棄したのはリトラー侯爵家からだ。私は、コンスタンティン王太子殿下が真実の愛を見つけた、ということでマルガレータ様に愛を告白している現場を目撃した、悲劇のヒロインという立ち位置を得た。
これにより、私の名誉もコンスタンティン王太子殿下とマルガレータ様の名誉も守ることが出来たようだ。
私は婚約者になったはずなのに、王太子殿下に結局選ばれなかった気の毒なヒロインになれたし、コンスタンティン王太子殿下とマルガレータ様は真実の愛に気づきそれを貫いた伝説のカップルになることができた。
(まさに、物は言いようよね・・・・・・)
王家からは相応の慰謝料が払われたが私の心は晴れない。
気晴らしに市井の商店街にお買い物に来てみたけれど、少しも気が晴れることはない。ささくれだった気持ちを抱えながら歩いていると、危うく一匹のガマガエルを踏みつけそうになった。
「うわっ! ごめんなさい。でも、なぜこんな大通りにいるの? 危ないわよ」
小さなガマガエルをそっと端っこに移動させる。すると、大きなガマガエル達が通りの向かい側から、こちらにやって来るのが見えた。
心なしかそのチビガマちゃんが、怖がって震えている気がする。
「もしかして虐められているの? 可哀想に・・・・・・そうだ、私の屋敷においで!」
そう言いながら、チビガマちゃんを手のひらに乗せて駆けだす。
屋敷に戻ると、チビガマちゃんを庭園の四阿のテーブルにそっと置いた。
「これで安心よ。私が守ってあげるからね。あなたの名前はチビガマちゃんよ。ところでお腹は空いていない? ガマちゃんって、なにを食べるのかしら?」
「おや、これは珍しい種類のガマガエルですね? カエルはアブラムシやコオロギなんかを食べますよ。土の上にしばらく置いておくだけで、そこに潜んでいる虫を自分で食べるんで、この辺りに放してあげればいいでしょう」
私が幼い頃から、リトラー侯爵家で働いている庭師の一人が教えてくれる。
チビガマちゃんを庭に放しながら、いっぱい愚痴を言った私。
大好きだったアルフォンズお兄様が死んだこと。信頼していたマルガレータ様に裏切られたこと。今はすっかり人間不信になっていること。
チビガマちゃんは、まるで私の言葉がわかるかのように、
「ゲコゲコゲコ!!」
と、お返事をしてくれた。
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