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9 夢見る乙女は書くことが好き(グレイスside)
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グレイス視点
ルーカス様の病室を出て私達は病院の廊下を歩いている。
「ありがとうグレイス嬢。ルーカスはとても喜んでいた。あいつのあんな顔は初めて見たよ」
嬉しそうに顔をほころばせるアシュリー・バラノ侯爵様。このように甥を心配するアシュリー・バラノ侯爵様は心根の暖かい方だ。これなら絶対将来私との間にできるであろう子供も心から大事にしてくれるに違いない。一生添い遂げる男性は子供好きでなければ楽しい家庭は築けないものね。
だから私もルーカス様を見捨てたりはしない。立派に最後まで母親のように責任を持ちたいと思う。
「そうですね。”よい子の飛び出す絵本”がこれほど気に入っていただけるなんて思いませんでしたが。やはり、絵本の読み聞かせって大事ですわね。ところでエミリー様っておっしゃいましたかしら? あの怒鳴り込んできた女性ですが、今はどのような様子なのかしら・・・・・・彼女も特別室のはずですからこの階ですわね」
そう呟いた私の背後から申し訳なさそうな声がかけられた。
「あのぅ、アシュリー・バラノ侯爵様とそちらはリッチモンド家のご令嬢でしょうか? 私はエミリーの父親のエズラ伯爵です。この度はとんだお騒がせをしてしまい・・・・・・なんとも・・・・・・」
上品な身なりの紳士が申し訳なさそうに頭を下げたのである。
「まぁ、初めまして、エズラ伯爵様。いいえ、私は全然気にしてはおりません。ところでエミリー様はお元気ですか?」
「はい。娘は病室で元気すぎるぐらいでして・・・・・・」
エズラ伯爵様はルーカス様の病室から三部屋奥の病室を指さして困ったように頬笑んだ。
私達がその部屋を覗くと、エミリー様は猿ぐつわを着けられ手足をベッドに縛り付けられているのだった。
「まぁ、どういうことですか? 女性にあのようなことをするなんて褒められたことではありませんわ」
「ヒステリーを起こして暴れて手当たり次第物を投げたのですよ。困ったものです。前から思い込みの激しいところはあったかもしれませんがあれほどとは・・・・・・先日当家に病院関係者の方がいらして事の詳細は伺いました。これからリッチモンド家にお詫びに行かせていただこうと思っていたところです」
「それには及びませんわ。ところでちょっとエミリー様とお話をさせていただいてよろしいですか?」
「どうぞ、どうぞ。さぁ、こちらに。エミリーや、リッチモンド家のグレイス様とアシュリー・バラノ侯爵様だ」
「んーー! んっ、んっ」
「エズラ伯爵様、お嬢様の口に噛ませている布を取らなければ話せませんわ」
「つっ・・・・・・この子はきっととんでもないことを言うに決まっておりますが、これをとらないと確かに会話にはなりませんな。エミリー、頼むから暴言や妄想を吐くのはやめておくれ」
エズラ伯爵はそう念を押したが、全く効果はなかった。
「んっ、んっ、ぷっはっつ! こっ、この泥棒猫! 私をこんなところに閉じ込めさせて、きっと後悔するからね。私のお母様は大国の王女様なのよ!わけあって私はエズラ伯爵令嬢になっているけれどこれは仮初めの姿よ」
アシュリー・バラノ侯爵様はぎょっとした顔をし、エズラ伯爵様は頭を抱えるのだった。
「まぁ、面白い。素敵なお話ね。それでお母様が王女様ならばお父様はどなたかしら?」
「もちろんそこにいる私のお父様だわ。お父様は身分違いの恋をして王女様を身籠もらせてしまい私をお母様との子供として育てたのよ」
「なるほど、なるほど。なんでそうお思いになるのかしら?」と私。
「それはお母様より私がずっと美人であることで似ていないことですわ。それにお母様は私に厳しく作法や勉学をさせようとします。意地悪だわ」
「まぁーー、まるで継母に虐められて育てられるヒロインのようなお話ですわね。でも、少しそれでは詰めが甘いですわ。継子虐めの定番は食事や衣服を与えない。鞭で理由もなく打つ、メイドのように働かせるですわよ?」
「あ、えっと・・・・・・そうですわね。働く・・・・・・刺繍やパッチワークを無理矢理させられて教会のバザーで売らせたりするわ」
「それはボランティア活動で虐めではありません。ですが王女様のお母様がいるとしたらそのお母様はどこの国の方ですか?」
「それは・・・・・・隣国エチオピアラの王女様かな?」
「あら、エチオピアラには3人の王子殿下しかいらっしゃいませんわ」
「だったら、マダガステン国の王女様よ」
「残念です。マダガステン国の王女様はまだ3歳です」
「そ、そうね、お母様は王女様だけれど・・・・・・えっと、そうよ! きっと人間ではないの! お花の妖精みたいなものだと思う。あ、王女様というよりもお花の妖精界の女王様みたいな?」
「あらあら。うふふ。なんて素敵なお話かしら。これって絵本にできそうなくらいファンタスティックなお話だわ。エミリー様、ご自分のそのお話を是非文章にして記してみてくださいな」
「え! どういうこと? 」
「本にするのですわ。子供が喜びそうな幻想的な物語ですわ! 妖精の国の女王様と人間の間に生まれた女の子のお話なんて素敵すぎますわね!」
「本? 私が女王様の子だってことが本になるのね?」
「はい、できればそこにいろいろな楽しいエピソードもつけてください。爆発的に売れるかもしれませんわ。そうしたらエミリー様は一躍有名人ですわね! サインを強請るファンに囲まれて・・・・・・」
「待って。最後まで言わなくてもわかるわ。私はスターになるってことでしょう? 誰よりも輝く女王様の子供でスター! 皆が私に握手を求めて賞賛する姿が目に浮かぶようだわ」
目つきがやや怪しい色を帯びてきたけれど私は気にしない。エミリー様の思考回路の通常運転がこうであれば長所として伸ばして差し上げるのが私の勤め。
「エミリーが書く物など、きっとめちゃくちゃでしょう。奇想天外の突拍子もないものになりますよ」とエズラ伯爵。
「あら、これは奇想天外であればあるほどいいのです。エミリー様にしか書けないものだから価値があるのですわ」
「素敵!! こうしてはいられませんわ。早速書きますわね。紙とペンを」
「えぇ、早速リッチモンド家が大量の紙とペンにインクを用意いたしましょう。題名は「秘密のエミリーちゃん、お母様はお花の妖精女王様」ってかんじでいかがでしょう?」
「うわっ、やばっ、素敵!! こんなとこに縛られている場合じゃないわ。ほどいてよ、お父様。もう暴れたりしないわ。私、執筆しないといけないわ。グレイス様、ありがとう! 妖精女王の娘として私は使命を立派にやり遂げるわね。手記というか自伝というか秘密の生い立ちをここに記録する! これが歴史に残るのね?」
エミリー様は満面の笑みで私に問いかけたのである。
「もちろんですわ。歴史に残る絵本にしましょうね」
私がしっかりとエミリー様に約束すると、エミリー様は感激のあまり声を震わせた。
「ありがとう! 挿絵とかもたくさんつけてくださるってことよね? ねぇ、美人に描いてね? 三割増し、いえ五割増しは。待って、どうせなら100パーセント美化してもらえない? この鼻と唇の感じがちょっと自信ないのよ。目はぱっちりで気に入っているんだけどね。グレイス様のようなら良かったのに」
エミリー様は案外かわいいことをおっしゃる方だった。
「大丈夫! ヒロインは絶世の美女ってきまっておりますし、エミリー様はそのままで充分可愛らしいですわ!」
私はエミリー様にウィンクしたのだった。
「あ、ありがとう」
頬を染めてお礼をおっしゃるエミリー様は、本当に可愛らしいと思った私である。
ルーカス様の病室を出て私達は病院の廊下を歩いている。
「ありがとうグレイス嬢。ルーカスはとても喜んでいた。あいつのあんな顔は初めて見たよ」
嬉しそうに顔をほころばせるアシュリー・バラノ侯爵様。このように甥を心配するアシュリー・バラノ侯爵様は心根の暖かい方だ。これなら絶対将来私との間にできるであろう子供も心から大事にしてくれるに違いない。一生添い遂げる男性は子供好きでなければ楽しい家庭は築けないものね。
だから私もルーカス様を見捨てたりはしない。立派に最後まで母親のように責任を持ちたいと思う。
「そうですね。”よい子の飛び出す絵本”がこれほど気に入っていただけるなんて思いませんでしたが。やはり、絵本の読み聞かせって大事ですわね。ところでエミリー様っておっしゃいましたかしら? あの怒鳴り込んできた女性ですが、今はどのような様子なのかしら・・・・・・彼女も特別室のはずですからこの階ですわね」
そう呟いた私の背後から申し訳なさそうな声がかけられた。
「あのぅ、アシュリー・バラノ侯爵様とそちらはリッチモンド家のご令嬢でしょうか? 私はエミリーの父親のエズラ伯爵です。この度はとんだお騒がせをしてしまい・・・・・・なんとも・・・・・・」
上品な身なりの紳士が申し訳なさそうに頭を下げたのである。
「まぁ、初めまして、エズラ伯爵様。いいえ、私は全然気にしてはおりません。ところでエミリー様はお元気ですか?」
「はい。娘は病室で元気すぎるぐらいでして・・・・・・」
エズラ伯爵様はルーカス様の病室から三部屋奥の病室を指さして困ったように頬笑んだ。
私達がその部屋を覗くと、エミリー様は猿ぐつわを着けられ手足をベッドに縛り付けられているのだった。
「まぁ、どういうことですか? 女性にあのようなことをするなんて褒められたことではありませんわ」
「ヒステリーを起こして暴れて手当たり次第物を投げたのですよ。困ったものです。前から思い込みの激しいところはあったかもしれませんがあれほどとは・・・・・・先日当家に病院関係者の方がいらして事の詳細は伺いました。これからリッチモンド家にお詫びに行かせていただこうと思っていたところです」
「それには及びませんわ。ところでちょっとエミリー様とお話をさせていただいてよろしいですか?」
「どうぞ、どうぞ。さぁ、こちらに。エミリーや、リッチモンド家のグレイス様とアシュリー・バラノ侯爵様だ」
「んーー! んっ、んっ」
「エズラ伯爵様、お嬢様の口に噛ませている布を取らなければ話せませんわ」
「つっ・・・・・・この子はきっととんでもないことを言うに決まっておりますが、これをとらないと確かに会話にはなりませんな。エミリー、頼むから暴言や妄想を吐くのはやめておくれ」
エズラ伯爵はそう念を押したが、全く効果はなかった。
「んっ、んっ、ぷっはっつ! こっ、この泥棒猫! 私をこんなところに閉じ込めさせて、きっと後悔するからね。私のお母様は大国の王女様なのよ!わけあって私はエズラ伯爵令嬢になっているけれどこれは仮初めの姿よ」
アシュリー・バラノ侯爵様はぎょっとした顔をし、エズラ伯爵様は頭を抱えるのだった。
「まぁ、面白い。素敵なお話ね。それでお母様が王女様ならばお父様はどなたかしら?」
「もちろんそこにいる私のお父様だわ。お父様は身分違いの恋をして王女様を身籠もらせてしまい私をお母様との子供として育てたのよ」
「なるほど、なるほど。なんでそうお思いになるのかしら?」と私。
「それはお母様より私がずっと美人であることで似ていないことですわ。それにお母様は私に厳しく作法や勉学をさせようとします。意地悪だわ」
「まぁーー、まるで継母に虐められて育てられるヒロインのようなお話ですわね。でも、少しそれでは詰めが甘いですわ。継子虐めの定番は食事や衣服を与えない。鞭で理由もなく打つ、メイドのように働かせるですわよ?」
「あ、えっと・・・・・・そうですわね。働く・・・・・・刺繍やパッチワークを無理矢理させられて教会のバザーで売らせたりするわ」
「それはボランティア活動で虐めではありません。ですが王女様のお母様がいるとしたらそのお母様はどこの国の方ですか?」
「それは・・・・・・隣国エチオピアラの王女様かな?」
「あら、エチオピアラには3人の王子殿下しかいらっしゃいませんわ」
「だったら、マダガステン国の王女様よ」
「残念です。マダガステン国の王女様はまだ3歳です」
「そ、そうね、お母様は王女様だけれど・・・・・・えっと、そうよ! きっと人間ではないの! お花の妖精みたいなものだと思う。あ、王女様というよりもお花の妖精界の女王様みたいな?」
「あらあら。うふふ。なんて素敵なお話かしら。これって絵本にできそうなくらいファンタスティックなお話だわ。エミリー様、ご自分のそのお話を是非文章にして記してみてくださいな」
「え! どういうこと? 」
「本にするのですわ。子供が喜びそうな幻想的な物語ですわ! 妖精の国の女王様と人間の間に生まれた女の子のお話なんて素敵すぎますわね!」
「本? 私が女王様の子だってことが本になるのね?」
「はい、できればそこにいろいろな楽しいエピソードもつけてください。爆発的に売れるかもしれませんわ。そうしたらエミリー様は一躍有名人ですわね! サインを強請るファンに囲まれて・・・・・・」
「待って。最後まで言わなくてもわかるわ。私はスターになるってことでしょう? 誰よりも輝く女王様の子供でスター! 皆が私に握手を求めて賞賛する姿が目に浮かぶようだわ」
目つきがやや怪しい色を帯びてきたけれど私は気にしない。エミリー様の思考回路の通常運転がこうであれば長所として伸ばして差し上げるのが私の勤め。
「エミリーが書く物など、きっとめちゃくちゃでしょう。奇想天外の突拍子もないものになりますよ」とエズラ伯爵。
「あら、これは奇想天外であればあるほどいいのです。エミリー様にしか書けないものだから価値があるのですわ」
「素敵!! こうしてはいられませんわ。早速書きますわね。紙とペンを」
「えぇ、早速リッチモンド家が大量の紙とペンにインクを用意いたしましょう。題名は「秘密のエミリーちゃん、お母様はお花の妖精女王様」ってかんじでいかがでしょう?」
「うわっ、やばっ、素敵!! こんなとこに縛られている場合じゃないわ。ほどいてよ、お父様。もう暴れたりしないわ。私、執筆しないといけないわ。グレイス様、ありがとう! 妖精女王の娘として私は使命を立派にやり遂げるわね。手記というか自伝というか秘密の生い立ちをここに記録する! これが歴史に残るのね?」
エミリー様は満面の笑みで私に問いかけたのである。
「もちろんですわ。歴史に残る絵本にしましょうね」
私がしっかりとエミリー様に約束すると、エミリー様は感激のあまり声を震わせた。
「ありがとう! 挿絵とかもたくさんつけてくださるってことよね? ねぇ、美人に描いてね? 三割増し、いえ五割増しは。待って、どうせなら100パーセント美化してもらえない? この鼻と唇の感じがちょっと自信ないのよ。目はぱっちりで気に入っているんだけどね。グレイス様のようなら良かったのに」
エミリー様は案外かわいいことをおっしゃる方だった。
「大丈夫! ヒロインは絶世の美女ってきまっておりますし、エミリー様はそのままで充分可愛らしいですわ!」
私はエミリー様にウィンクしたのだった。
「あ、ありがとう」
頬を染めてお礼をおっしゃるエミリー様は、本当に可愛らしいと思った私である。
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