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12 アランの母イボンの断罪・残酷度3/5注意 リクエストによるおまけ R15

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読者様より、この母親がムカついたのでぜひざまぁとのリクエストにより、少し残酷めかもしれません。

ですが、まぁ、炭鉱の作業って危険がつきものなので・・・・・・死にます。(•́ε•̀;ก)💦

大丈夫な方だけお読みくださいませ。














ꕤ୭*イボン視点


 私は、まさかあのアナスタシアがエルサとは思わなかった。会場の隅でアランが大恥をかいて、皆にバカにされているのを、いたたまれない思いで聞いていた。

――せっかくの大物の嫁を逃したことが悔しい! あんな詐欺女に騙された息子が情けない! 
 でも1番ずるいのは、アナスタシアだと思う。なんでエルサだということを秘密にする必要があったのよ! 
 家族は助け合うのが当たり前なのに!



「ふむ。イーサ伯爵は爵位を剥奪し、その一族はその女の親類縁者とみなし全て炭鉱で働き、被害者に賠償金を払うこと。その女は宰相が言ったように、娼館に行かせればよし。以上だ!」

「おかしいです! なぜ私がその女の親類縁者とみなされるのですか? その女は赤の他人ですから、私は関係ありません。孫は浮き輪だったし」
 国王陛下のお言葉にどうしても納得がいかない私は、思わず国王陛下に反論してしまった。これは不条理以外のなにものでもない。

「関係がないですって? 前イーサ伯爵夫人は、まだアナスタシアがアランと結婚しているにも拘わらず、その女を領地の屋敷に住まわせたそうね? アランとその女の不倫を公認の仲として認め、感謝祭には伯爵夫人らしく振る舞うことを許した。そして、アナスタシアが予期せず現れると笑いものにして酷い言葉を投げつけた。詐欺女を嫁として大事に扱い、正当な嫁であるアナスタシアをないがしろにした罪は重いわ」
 王妃殿下が私に、毛虫を見るような眼差しを向けた。

ーーちょっと待ってよ! そこまで酷いことなの? あのアナスタシアより使えそうな嫁になると思っただけじゃない?

「そんなぁ・・・・・・由緒あるイーサ伯爵家はどうなるんです? この由緒ある血筋は?」

「あら、大丈夫よ。国王陛下が一族とはおっしゃったけれど、遠縁の者の誰かはあの感謝祭に招かれても参加していないのじゃないかしら。そこでまともな若者がいればその者が名前を継ぎますわ。良かったわね?」
 王妃殿下はにっこりと微笑んだ。



「アナスタシア様! お願いです! 王妃様にお口添えください。かつては親子だったではありませんか!私は、えっへん、貴女にとても良くしてきたつもりです!」
 私は今度はアナスタシアに泣きついた。なんとしても炭鉱などに行きたくない。あそこは死んでもよい者が行かされる場所だ。

「はぁ? さっさと炭鉱に行ってくださいな。今さらそんなこと言われても心には響きません。」
 あの上品な大人しいアナスタシアは、今はツンとした黄金の髪の不思議な瞳の美女となり、長い足をドレスの裾から覗かせていた。

「あんたがそんなにすごい人だなんてわかっていたら、あんなことなんてしなかったんだよ。子供ができないのが息子のせいだなんて知らなかったんだ。3回しかできないとか、そんなこと聞いてないよぉ」
 私はうな垂れて床に頭をこすりつけた。

「イボンさん。そんなこと言えるはずがないでしょう? もし言ったとしてもあなたはきっと信じませんでしたよ。そういう方です、あなたはね! 自慢の詐欺師のお嫁さんの罪を、一緒に償うのがお似合いなんですよ」

 アナスタシアは、冷めた眼差しでそう言ったのだった。

ーーなんて、薄情な嫁なんだ! 





 私は、毎日毎日この熱い炭鉱に何時間もいて、肺を固まらせる石粉と石炭粉にさらされる。それは確実に私の健康をむしばんでいった。採掘の際の怪我は日常茶飯事だ。わたしは3日目にひとさし指をなくし、そのひと月後には足の小指をなくした。

 炭鉱での人間は使い捨てだ。ここは生きるか死ぬしかない世界。死刑場だよ。どっちにしろ、長くは生きられない環境なんだ。



 1年と3ヶ月ほど経ったある日、炭鉱の天井を支える鉄柱が目の前で倒れた。土砂やゴツゴツした岩が私の頭上に落ち、痛い痛いと3回ほど言ったのが最期だ。

 その瞬間に思ったことはただひとつだ。息子の嫁は大事にするに限る・・・・・・無念・・・・・・
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