12 / 13
12 アランの母イボンの断罪・残酷度3/5注意 リクエストによるおまけ R15
しおりを挟む
読者様より、この母親がムカついたのでぜひざまぁとのリクエストにより、少し残酷めかもしれません。
ですが、まぁ、炭鉱の作業って危険がつきものなので・・・・・・死にます。(•́ε•̀;ก)💦
大丈夫な方だけお読みくださいませ。
ꕤ୭*イボン視点
私は、まさかあのアナスタシアがエルサとは思わなかった。会場の隅でアランが大恥をかいて、皆にバカにされているのを、いたたまれない思いで聞いていた。
――せっかくの大物の嫁を逃したことが悔しい! あんな詐欺女に騙された息子が情けない!
でも1番ずるいのは、アナスタシアだと思う。なんでエルサだということを秘密にする必要があったのよ!
家族は助け合うのが当たり前なのに!
「ふむ。イーサ伯爵は爵位を剥奪し、その一族はその女の親類縁者とみなし全て炭鉱で働き、被害者に賠償金を払うこと。その女は宰相が言ったように、娼館に行かせればよし。以上だ!」
「おかしいです! なぜ私がその女の親類縁者とみなされるのですか? その女は赤の他人ですから、私は関係ありません。孫は浮き輪だったし」
国王陛下のお言葉にどうしても納得がいかない私は、思わず国王陛下に反論してしまった。これは不条理以外のなにものでもない。
「関係がないですって? 前イーサ伯爵夫人は、まだアナスタシアがアランと結婚しているにも拘わらず、その女を領地の屋敷に住まわせたそうね? アランとその女の不倫を公認の仲として認め、感謝祭には伯爵夫人らしく振る舞うことを許した。そして、アナスタシアが予期せず現れると笑いものにして酷い言葉を投げつけた。詐欺女を嫁として大事に扱い、正当な嫁であるアナスタシアをないがしろにした罪は重いわ」
王妃殿下が私に、毛虫を見るような眼差しを向けた。
ーーちょっと待ってよ! そこまで酷いことなの? あのアナスタシアより使えそうな嫁になると思っただけじゃない?
「そんなぁ・・・・・・由緒あるイーサ伯爵家はどうなるんです? この由緒ある血筋は?」
「あら、大丈夫よ。国王陛下が一族とはおっしゃったけれど、遠縁の者の誰かはあの感謝祭に招かれても参加していないのじゃないかしら。そこでまともな若者がいればその者が名前を継ぎますわ。良かったわね?」
王妃殿下はにっこりと微笑んだ。
「アナスタシア様! お願いです! 王妃様にお口添えください。かつては親子だったではありませんか!私は、えっへん、貴女にとても良くしてきたつもりです!」
私は今度はアナスタシアに泣きついた。なんとしても炭鉱などに行きたくない。あそこは死んでもよい者が行かされる場所だ。
「はぁ? さっさと炭鉱に行ってくださいな。今さらそんなこと言われても心には響きません。」
あの上品な大人しいアナスタシアは、今はツンとした黄金の髪の不思議な瞳の美女となり、長い足をドレスの裾から覗かせていた。
「あんたがそんなにすごい人だなんてわかっていたら、あんなことなんてしなかったんだよ。子供ができないのが息子のせいだなんて知らなかったんだ。3回しかできないとか、そんなこと聞いてないよぉ」
私はうな垂れて床に頭をこすりつけた。
「イボンさん。そんなこと言えるはずがないでしょう? もし言ったとしてもあなたはきっと信じませんでしたよ。そういう方です、あなたはね! 自慢の詐欺師のお嫁さんの罪を、一緒に償うのがお似合いなんですよ」
アナスタシアは、冷めた眼差しでそう言ったのだった。
ーーなんて、薄情な嫁なんだ!
私は、毎日毎日この熱い炭鉱に何時間もいて、肺を固まらせる石粉と石炭粉にさらされる。それは確実に私の健康をむしばんでいった。採掘の際の怪我は日常茶飯事だ。わたしは3日目にひとさし指をなくし、そのひと月後には足の小指をなくした。
炭鉱での人間は使い捨てだ。ここは生きるか死ぬしかない世界。死刑場だよ。どっちにしろ、長くは生きられない環境なんだ。
1年と3ヶ月ほど経ったある日、炭鉱の天井を支える鉄柱が目の前で倒れた。土砂やゴツゴツした岩が私の頭上に落ち、痛い痛いと3回ほど言ったのが最期だ。
その瞬間に思ったことはただひとつだ。息子の嫁は大事にするに限る・・・・・・無念・・・・・・
ですが、まぁ、炭鉱の作業って危険がつきものなので・・・・・・死にます。(•́ε•̀;ก)💦
大丈夫な方だけお読みくださいませ。
ꕤ୭*イボン視点
私は、まさかあのアナスタシアがエルサとは思わなかった。会場の隅でアランが大恥をかいて、皆にバカにされているのを、いたたまれない思いで聞いていた。
――せっかくの大物の嫁を逃したことが悔しい! あんな詐欺女に騙された息子が情けない!
でも1番ずるいのは、アナスタシアだと思う。なんでエルサだということを秘密にする必要があったのよ!
家族は助け合うのが当たり前なのに!
「ふむ。イーサ伯爵は爵位を剥奪し、その一族はその女の親類縁者とみなし全て炭鉱で働き、被害者に賠償金を払うこと。その女は宰相が言ったように、娼館に行かせればよし。以上だ!」
「おかしいです! なぜ私がその女の親類縁者とみなされるのですか? その女は赤の他人ですから、私は関係ありません。孫は浮き輪だったし」
国王陛下のお言葉にどうしても納得がいかない私は、思わず国王陛下に反論してしまった。これは不条理以外のなにものでもない。
「関係がないですって? 前イーサ伯爵夫人は、まだアナスタシアがアランと結婚しているにも拘わらず、その女を領地の屋敷に住まわせたそうね? アランとその女の不倫を公認の仲として認め、感謝祭には伯爵夫人らしく振る舞うことを許した。そして、アナスタシアが予期せず現れると笑いものにして酷い言葉を投げつけた。詐欺女を嫁として大事に扱い、正当な嫁であるアナスタシアをないがしろにした罪は重いわ」
王妃殿下が私に、毛虫を見るような眼差しを向けた。
ーーちょっと待ってよ! そこまで酷いことなの? あのアナスタシアより使えそうな嫁になると思っただけじゃない?
「そんなぁ・・・・・・由緒あるイーサ伯爵家はどうなるんです? この由緒ある血筋は?」
「あら、大丈夫よ。国王陛下が一族とはおっしゃったけれど、遠縁の者の誰かはあの感謝祭に招かれても参加していないのじゃないかしら。そこでまともな若者がいればその者が名前を継ぎますわ。良かったわね?」
王妃殿下はにっこりと微笑んだ。
「アナスタシア様! お願いです! 王妃様にお口添えください。かつては親子だったではありませんか!私は、えっへん、貴女にとても良くしてきたつもりです!」
私は今度はアナスタシアに泣きついた。なんとしても炭鉱などに行きたくない。あそこは死んでもよい者が行かされる場所だ。
「はぁ? さっさと炭鉱に行ってくださいな。今さらそんなこと言われても心には響きません。」
あの上品な大人しいアナスタシアは、今はツンとした黄金の髪の不思議な瞳の美女となり、長い足をドレスの裾から覗かせていた。
「あんたがそんなにすごい人だなんてわかっていたら、あんなことなんてしなかったんだよ。子供ができないのが息子のせいだなんて知らなかったんだ。3回しかできないとか、そんなこと聞いてないよぉ」
私はうな垂れて床に頭をこすりつけた。
「イボンさん。そんなこと言えるはずがないでしょう? もし言ったとしてもあなたはきっと信じませんでしたよ。そういう方です、あなたはね! 自慢の詐欺師のお嫁さんの罪を、一緒に償うのがお似合いなんですよ」
アナスタシアは、冷めた眼差しでそう言ったのだった。
ーーなんて、薄情な嫁なんだ!
私は、毎日毎日この熱い炭鉱に何時間もいて、肺を固まらせる石粉と石炭粉にさらされる。それは確実に私の健康をむしばんでいった。採掘の際の怪我は日常茶飯事だ。わたしは3日目にひとさし指をなくし、そのひと月後には足の小指をなくした。
炭鉱での人間は使い捨てだ。ここは生きるか死ぬしかない世界。死刑場だよ。どっちにしろ、長くは生きられない環境なんだ。
1年と3ヶ月ほど経ったある日、炭鉱の天井を支える鉄柱が目の前で倒れた。土砂やゴツゴツした岩が私の頭上に落ち、痛い痛いと3回ほど言ったのが最期だ。
その瞬間に思ったことはただひとつだ。息子の嫁は大事にするに限る・・・・・・無念・・・・・・
68
お気に入りに追加
2,029
あなたにおすすめの小説
(完結)王家の血筋の令嬢は路上で孤児のように倒れる
青空一夏
恋愛
父親が亡くなってから実の母と妹に虐げられてきた主人公。冬の雪が舞い落ちる日に、仕事を探してこいと言われて当てもなく歩き回るうちに路上に倒れてしまう。そこから、はじめる意外な展開。
ハッピーエンド。ショートショートなので、あまり入り組んでいない設定です。ご都合主義。
Hotランキング21位(10/28 60,362pt 12:18時点)
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
お人形姫の策略
夕鈴
恋愛
女王が統治する王国の跡取り姫には秘密がある。未来の女王の椅子は平凡顔で常に微笑んでいる無口な欠陥のある姉姫のもの。双子なのに愛らしい顔立ちで大人気の妹姫とは正反対。平凡顔の姉姫の婚約者が決められる日が近付いていた。幼馴染の公爵子息は妹姫と婚約したいと話すのに、なぜか姉姫の婚約者の選定イベントに参加している。常に微笑む人形のようなお姫様は本当にお人形なのか…。お姫様の婚約者に選ばれるのは一体誰なのか…。
婚約破棄のその後に
ゆーぞー
恋愛
「ライラ、婚約は破棄させてもらおう」
来月結婚するはずだった婚約者のレナード・アイザックス様に王宮の夜会で言われてしまった。しかもレナード様の隣には侯爵家のご令嬢メリア・リオンヌ様。
「あなた程度の人が彼と結婚できると本気で考えていたの?」
一方的に言われ混乱している最中、王妃様が現れて。
見たことも聞いたこともない人と結婚することになってしまった。
【完結】婚約破棄した王子と男爵令嬢のその後……は幸せ?……な訳ない!
たろ
恋愛
「エリザベス、君との婚約を破棄する」
「どうしてそんな事を言うのですか?わたしが何をしたと言うのでしょう」
「君は僕の愛するイライザに対して嫌がらせをしただろう、そんな意地の悪い君のことは愛せないし結婚など出来ない」
「……愛せない……わかりました。殿下……の言葉を……受け入れます」
なんで君がそんな悲しそうな顔をするんだ?
この話は婚約破棄をして、父親である陛下に嘘で固めて公爵令嬢のエリザベスを貶めたと怒られて
「そんなにその男爵令嬢が好きなら王族をやめて男爵に婿に行け」と言われ、廃嫡される王子のその後のお話です。
頭脳明晰、眉目秀麗、みんなが振り向くかっこいい殿下……なのにエリザベスの前では残念な男。
★軽い感じのお話です
そして、殿下がひたすら残念です
広ーい気持ちで読んでいただけたらと思います
[完結]想ってもいいでしょうか?
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
貴方に逢いたくて逢いたくて逢いたくて胸が張り裂けそう。
失ってしまった貴方は、どこへ行ってしまったのだろう。
暗闇の中、涙を流して、ただただ貴方の事を考え続ける。
後悔しているの。
何度も考えるの。
でもどうすればよかったのか、どうしても分からない。
桜が舞い散り、灼熱の太陽に耐え、紅葉が終わっても貴方は帰ってこない。
本当は分かっている。
もう二度と私の元へ貴方は帰ってこない事を。
雪の結晶がキラキラ輝きながら落ちてくる。
頬についた結晶はすぐに溶けて流れ落ちる。
私の涙と一緒に。
まだ、あと少し。
ううん、一生でも、私が朽ち果てるまで。
貴方の事を想ってもいいでしょうか?
わたくし、残念ながらその書類にはサインしておりませんの。
朝霧心惺
恋愛
「リリーシア・ソフィア・リーラー。冷酷卑劣な守銭奴女め、今この瞬間を持って俺は、貴様との婚約を破棄する!!」
テオドール・ライリッヒ・クロイツ侯爵令息に高らかと告げられた言葉に、リリーシアは純白の髪を靡かせ高圧的に微笑みながら首を傾げる。
「誰と誰の婚約ですって?」
「俺と!お前のだよ!!」
怒り心頭のテオドールに向け、リリーシアは真実を告げる。
「わたくし、残念ながらその書類にはサインしておりませんの」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる