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3 苦痛な学園と屋敷にまで来るマドレーヌ
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私達は、そのおしゃれなケーキ屋さんに着いたのだけれど、少しも食欲はわかなかった。
それでも、食べないと皆になんて言われるかわからない。
大きな長方形のテーブルに座って、私の隣はアンドリュー様だけれど、真向かいにはマドレーヌが座っていた。
マドレーヌは、アンドリュー様とサマンサを中心に話しかけて、合間にレイラとリアにも話題を振る。
鮮やかなその統制力?に私は到底太刀打ちはできない。
話題にも取り残され、それでも、興味のない話に頷き、愛想笑いを浮かべていた。
美味しいはずのケーキも、パサパサに感じて、少しも楽しくはなかった。
私は、屋敷に戻ると、ただ悲しくて涙が流れた。
お母様は心配してくださったけれど、なんて言っていいのかわからない。
「お友達とは仲良くするのよ?」といつも、お母様もおっしゃるから、私がこんなことを言ったら多分、がっかりなさるわ。
学園の教室にいるのが、とても苦痛になってきたけれど、私は我慢してそのグループに居続けるしかなかった。
「・・・・・・だから、リリアンの家に皆で集合して勉強しましょう」
サマンサの声で我に返った。
「嫌だぁーー。もう、最近のリリアンはぼんやりしていることが多いわねぇーー。ほら、リリアンの家の薔薇の庭園は凄く素敵でしょう? マドレーヌは行ったことがないって言うから、皆で集まってリリアンの家で勉強会をしたらどうかな、って思ったのよ? どうかしら?」
サマンサが、にっこりしながら提案してきた。
「私は、ちょっとその日は・・・・・・」
「あ、いいんです。ごめんなさい。私が、図々しくて、そんなことを言ったらリリアン様は困りますよね? 迷惑そうですし・・・・・・また、私が怒らせちゃいましたか?」
あぁ、また、この流れなのね?
「いいえ、どうぞ、いらしてください。図々しいなんて、全く思っていませんから」
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
私の屋敷で集まると、またマドレーヌは、その魅力を存分に発揮した。
その結果、お母様はマドレーヌを気に入って、帰るときには薔薇の花束まで持たせたのだった。
私のまわりの全ての人間がマドレーヌに魅了されていいように感じた。
「ねぇ、マドレーヌを、どう思ったかしら?」
私は、幼い頃から使えている専属侍女のペイトンに尋ねた。
「あぁ、とても良いお嬢さんですよねぇ?」
まさか、私の侍女のペイトンまで・・・・・・
私は、その夜に綺麗な便せんを2枚取り出すと、とても、真剣に書き始めたのだった。
それでも、食べないと皆になんて言われるかわからない。
大きな長方形のテーブルに座って、私の隣はアンドリュー様だけれど、真向かいにはマドレーヌが座っていた。
マドレーヌは、アンドリュー様とサマンサを中心に話しかけて、合間にレイラとリアにも話題を振る。
鮮やかなその統制力?に私は到底太刀打ちはできない。
話題にも取り残され、それでも、興味のない話に頷き、愛想笑いを浮かべていた。
美味しいはずのケーキも、パサパサに感じて、少しも楽しくはなかった。
私は、屋敷に戻ると、ただ悲しくて涙が流れた。
お母様は心配してくださったけれど、なんて言っていいのかわからない。
「お友達とは仲良くするのよ?」といつも、お母様もおっしゃるから、私がこんなことを言ったら多分、がっかりなさるわ。
学園の教室にいるのが、とても苦痛になってきたけれど、私は我慢してそのグループに居続けるしかなかった。
「・・・・・・だから、リリアンの家に皆で集合して勉強しましょう」
サマンサの声で我に返った。
「嫌だぁーー。もう、最近のリリアンはぼんやりしていることが多いわねぇーー。ほら、リリアンの家の薔薇の庭園は凄く素敵でしょう? マドレーヌは行ったことがないって言うから、皆で集まってリリアンの家で勉強会をしたらどうかな、って思ったのよ? どうかしら?」
サマンサが、にっこりしながら提案してきた。
「私は、ちょっとその日は・・・・・・」
「あ、いいんです。ごめんなさい。私が、図々しくて、そんなことを言ったらリリアン様は困りますよね? 迷惑そうですし・・・・・・また、私が怒らせちゃいましたか?」
あぁ、また、この流れなのね?
「いいえ、どうぞ、いらしてください。図々しいなんて、全く思っていませんから」
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
私の屋敷で集まると、またマドレーヌは、その魅力を存分に発揮した。
その結果、お母様はマドレーヌを気に入って、帰るときには薔薇の花束まで持たせたのだった。
私のまわりの全ての人間がマドレーヌに魅了されていいように感じた。
「ねぇ、マドレーヌを、どう思ったかしら?」
私は、幼い頃から使えている専属侍女のペイトンに尋ねた。
「あぁ、とても良いお嬢さんですよねぇ?」
まさか、私の侍女のペイトンまで・・・・・・
私は、その夜に綺麗な便せんを2枚取り出すと、とても、真剣に書き始めたのだった。
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